2026年2月28日、若い世代の未来への一歩を応援するイベント「ライフデザインセッション~未来のモヤモヤに、ピカッと発見を~」(主催:こども家庭庁)の第3回が、キャンパスプラザ京都にて開催されました。登壇したのは、タレントのpecoさん、京都産業大学で労働やジェンダーを研究する藤野敦子教授、そして東京で会社員として働く泉拓真さん。20代を中心に約170名が参加し、多様な考えに触れながら、自分の価値観を見つめ直しました。
ライフデザインは
自分を“主人公”にして考える
第1部のトークセッション冒頭では、藤野教授が「ライフデザイン」の意義と、考える上でのポイントを解説しました。
「ライフデザインとは、自分の価値観と優先順位を軸に、人生の選択を重ねながら自分らしい生き方をつくっていくことです。どんなに工夫をしても自分が望む選択ができないというときは、個人の努力不足ではなく社会の側にある課題に目を向けるきっかけにもなります。自分が“主人公”となり、他者との対話を通して価値観を深めていく――それがライフデザインの考え方です。今日は皆さんが、自分の価値観やこうありたいという希望を探すきっかけになればと思います」
続いて、タレント・ブランドプロデューサーのpecoさんと、東京で会社員として働き、妻と猫3匹と暮らす泉拓真さんが大きな拍手と笑顔に迎えられながら登壇。
最初のトークテーマは「自分らしいライフデザインとは?」。「自分らしく生きることをどう捉えていますか」と問われたpecoさんは、「“自分らしさ”は言葉にすると簡単ですが、実はとても難しいもの。ただ、そこに向き合い悩む過程が、すでに“自分らしさ”なのではないでしょうか。また日々の小さな選択ひとつひとつで、自分らしさは出来上がっていくものだと思います」と語りました。
その言葉に、会場では多くの参加者がうなずいていました。
葛藤と決断。迷ったら覚えておきたいこと
続いて、テーマは「選択と挑戦に伴う葛藤」へ。25歳で転職を決意した時期と結婚が重なったという泉さんは、「迷ったら動く」という信念があったからこそ決断できたと振り返り、「選択は正解だったと思う」と語ります。藤野教授も自身の経験を踏まえ、「自分の気持ちに正直に選ぶことが大切。若い時期に思い切った決断をするのはよいこと」と参加者に伝えました。
pecoさんも「新しいことに飛び込むのは、本当にすごいこと」と共感を示し、自身については「葛藤することがあまりない」と率直に明かします。その理由として、「仕事も育児も完璧は目指さず、60%の力で取り組むことで余裕を保つことを大切にしている」と語ると、会場には安心した空気が広がりました。
pecoさんの言葉にほっとした様子を見せた泉さんは、「今年の6月に子どもが誕生予定で、楽しみな一方、不安もあります」と気持ちを明かします。
pecoさんは「パートナーを肯定してあげてください。私自身、出産後何もできなかった日でも『いっぱい頑張ってくれているもんね』と言われたことで救われた」と答え、藤野教授は「夫婦の関係性を良好に保つには、育児の経験をパートナーと分かち合うことが大事です」と回答。
泉さんは納得した様子で、「自分が育休を取るタイミングや、妻のキャリアとのバランスにも悩んでいます」と続けます。
これに対して藤野教授は、「今の20代・30代の男性の悩みで多いのは、仕事と家庭の両立です。二つを対立的に捉えず、話し合いながら筋道を立てて考えてほしいですね」と背中を押しました。
会場では、働く子育て世代を支援する京都府の「仕事と育児の両立体験プログラム」も紹介されました。
多様な考え方に触れ、広がる価値観
第2部は参加型のワークショップ。藤野教授の進行で、pecoさんと参加者は、7つの質問に答えながら自分の価値観を明らかにしていきます。「他の人の答えを見て、様々な価値観に触れてください。周囲の人と話せる範囲で共有し、自分の考えを言葉にして、自己理解を深めてくださいね」と、藤野教授。
「これからの人生でお金や時間を使っていきたいことは何ですか?」という質問では、多くの参加者が「旅行」「経験」「家族」と回答。客席では参加者同士が考えをシェアし、「それもいいですね」「ああー!わかります」など共感の声が上がっていました。
「将来の“家族のかたち”として、イメージに近いのはどれですか?」という選択式の質問では、60%の人が「子どもがいる家庭を築きたい」と回答。21%が「形式にとらわれず絆を大切にした多様な家族」と答えました。
pecoさんも藤野教授も、多様性のある家族のかたちに共感を示します。フランス人の夫との再婚を経験している藤野教授は、「こんな家庭があってもいいと子どもに思ってもらえることが、母親としてのゴール」だと明かします。
「数年後の自分を想像するとしたら、どんな毎日だとうれしいですか?」という自由回答形式の質問では、「好きな仕事をして経済的に自立している」「頑張りすぎず穏やかに家族と過ごす」「海外の仕事に携わる」「都会と地方の二拠点生活」「心身健康」など、参加者からの様々な回答がシェアされました。
全ての質問を終えると、「皆さんの回答をみて、そんな考え方や見方もあるのだと勉強になりました」とpecoさん。藤野教授は「隣の席の方は初対面の人がほとんどだったと思いますが、知らない人と話すからこそ深まった価値観もあるのではないでしょうか」と語りました。
自分らしさは、一生探し続けるもの
最後に、登壇者への質問タイムが設けられました。
「新卒で就職活動中なのですが、キャリアの選択肢が多く悩んでいます」という質問に対し、藤野教授は「ネームバリューなどで働く場所を選ぶのではなく、『自分が何をしたいのか』を軸に考えてみてください」とアドバイス。pecoさんは「時間が許す限りたっぷり悩んでみてほしいです。選択肢が多い今は、無敵の状態。やりたいと思うことにどんどん挑戦してみてください」とエールを送りました。
イベントの最後に、「自分らしさは一生をかけて探し続けるもの。皆さんも、そんな気持ちで歩んでいってください」とpecoさん。参加者にとって、ライフデザインと向き合い続けることや他者と話すことの大切さにあらためて気づく貴重な機会となりました。
・パートナーと参加して、結婚や働き方について話す良いきっかけになりました。(20代後半・男性)
・人に話すことで考えが整理されることを実感しました。今後、悩んだり困ったりしたら身近な人に相談してみようと思います。(20代前半・女性)
・仕事や子育てのことを考えると不安にもなりますが、もっと肩の力を抜いてもいいんだと思えました。(20代後半・女性)
ライフデザインの情報ポータルサイト
「モヤピカ」は、こども家庭庁が発信する、若者世代の将来や人生設計(ライフデザイン)に関するモヤモヤした不安を、ピカッと輝く未来のヒントへ変えるための情報発信・プロジェクト。ライフデザインに関するアンケート集やAIで作る「じぶん伝記」などを通じて、自己理解を深められます。
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