知的障害者の高卒後の学びの場、各団体が合説開催 大阪

小若理恵
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 知的障害などがある若者が学ぶ「福祉型専攻科」をつくろうと運動する「卒後の学びの場・専攻科を実現する会」が30日、事業合同説明会を開く。福祉型専攻科に代わる「学びの場」を運営するNPOや社会福祉法人など8団体が、「進路選択の役に立ててほしい」と取り組みや特徴を紹介する。

 高校や特別支援学校高等部を卒業した知的障害者の進路は、就職か福祉事業所が大半で選択肢が少ないことが課題だ。「きょうだいと同じように学びたい」「力をつけてから社会に出たい」という当事者や親の願いを受け、2013年にNPO法人大阪障害者センター(大阪市住吉区)などが中心となって、「卒後の学びの場・専攻科を実現する会」が発足した。

 関係者によると、知的障害者のための「福祉型専攻科」は公立では鳥取大付属特別支援学校にしかなく、私立学校では9校。大阪府内ではNPOや社会福祉法人など10団体が、障害者総合支援法の自立訓練(2年間)などを活用して独自に学びの場を運営しているのが現状だ。

 大阪障害者センターは12年3月、府内で初めて学びの場「ぽぽろスクエア」を松原市に開設。学生自治会、社会見学などの活動では仲間との話し合いを大切にし、月曜から土曜まで科学、美術、音楽などの時間割に沿って約20人が学んでいる。

 岸和田市の社会福祉法人いずみ野福祉会は14年4月、スワヒリ語で「みんなの学校」を意味する「シュレオーテ」を開いた。現在は知的障害や発達障害などがある19歳~36歳までの19人が通っている。

 ある日の「授業」は午前が「生活学習」で、午後が「音楽」。午前は「○○大会」と題してみんなで話し合ってやりたいことを決めた。話し合いではカードゲームの「UNO」や、施設の車を洗車する「車洗い大会」の案も出たが、「天気がいいから外で活動したい」という意見で「大縄跳び」に決定。外に出て、存分に体を動かした。

 活動の狙いについて、副施設長の小泉仁志さん(35)は「意見が選ばれなかった人の気持ちを少しでも理解しようとすることが大事」と話す。集団の中で自分らしさを表現する力を身につけてほしいという。

 午後は福祉事業所で生活支援員として働くミュージシャンの森井毅さん(36)を講師に、みんなで身ぶり手ぶりを交えて歌い、ドラムや木琴など楽器の演奏を楽しんだ。

 大阪障害者センターの卜部(うらべ)秀二・総合センター長(69)は「特別支援学校高等部を卒業すると、就労に『瞬間移動』し、健常の同世代と比べても子どもから大人になる移行期や青春を過ごす時間が保障されていない」と課題を語る。

 「福祉型専攻科」を求める親たちの声は各地で高まっているといい、来年4月には北摂地域で初の学びの場「キャンパス・オリーブ」(仮称)が、島本町の大阪保育福祉専門学校にできる予定だ。

 30日の事業合同説明会は大阪市天王寺区民センターホールで午前10時から。8団体がそれぞれの事業内容を紹介する。定員150人。問い合わせはシュレオーテ(072・448・7772)。(小若理恵)