銃撃事件によって安倍晋三元首相が亡くなったことは、多くの人々に衝撃を与えました。あれから2年。安倍氏は今、どのように記憶されているのでしょうか。当時、「為政者が安倍氏の死をどう歴史に位置づけていくかによる」と話していたノンフィクション作家の梯久美子さんに聞きました。
2年前の耕論「安倍氏の記憶の行方」で、私は「為政者が安倍氏の死をどう歴史に位置づけていくか注目したい」と話しました。戦争の取材の中で、悲劇的な死を遂げた者が英雄化され、政治的に利用されるのを見てきたからです。でも、自民党の政治家は現在に至るまで、業績を含め安倍氏にほとんど言及せず、三回忌にあたる今年の命日も、ほぼスルーされたと感じました。今のところ利用価値はないと判断されたのでしょう。
どの地点から振り返るかによって過去の持つ意味は変わります。今、安倍氏の死に言及すれば、おのずと旧統一教会のことがついてくる。安倍派の裏金問題もあります。異例の長さの総裁選を通して「活力」や「刷新感」を演出しようとしている自民党は、安倍氏の記憶にフタをしようとしているかのようです。
野党やメディアも、「死者に…
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