インバウンド(訪日外国人客)需要の後押しを受け、阪急阪神百貨店を傘下にもつエイチ・ツー・オーリテイリングは、百貨店事業が牽引(けんいん)し過去最高の営業利益をたたき出した。訪日客向けの免税制度を廃止する議論が動き出すなか、荒木直也社長は「観光立国を目指すうえで大きな魅力をそぐことになるのでは」と懸念を示します。
――昨年度の百貨店の免税売り上げは1300億円。なぜここまで伸びたのでしょうか。
「国内の消費が堅調に推移したなかで、インバウンドの免税売り上げが前年度から500億円も増えました。ほぼ通年で円安基調が続いたことに加え、昨年の第1四半期にラグジュアリーブランドが次々値上げをし、その直前の駆け込み消費があったことも大きな要因です」
――今年も好調は期待できそうですか。
「インバウンド消費については緩やかな逆風を感じています。相対的に円高となり、値上の反動もあってラグジュアリーブランドの販売が軒並み苦戦しています」
――中期経営計画には「海外顧客ビジネスへの注力」を一つの柱として挙げていますね。
「人口減で国内消費が大きな成長を見込めないなか、海外顧客は大きなビジネスチャンスととらえています。インバウンド消費に対する人材投資や研究開発を重点的に進める方針です」
――阪急梅田本店も改装を控えています。
「購買力の高い国内外の富裕層などに向け、フロアやサービス、施設を充実させていきます。年間100万円以上のお買い物をされる海外VIP専用の免税カウンターも設けました。立ちカウンターで並んでもらっていたのを、座ってゆっくり手続きできるようにしました。その間にご要望を伺ったり、例えばお子さん連れの方には折り鶴を折って渡したりしてコミュニケーションを図る。いかにリピートでご来店いただけるかを重要視しています」
――今後のインバウンド需要の動向はどうなるとお考えですか。
「年々訪日観光客の数が増え、日本はまさに観光大国になりつつあります。日本の観光先としてのポテンシャルは我々の想像以上に高かった。四季の移ろいやホスピタリティー(もてなしの心)の良さ、アニメやゲームなどのコンテンツと、多様な観光資源があります。インバウンド需要にもまだまだ伸びしろがあると思います」
「観光立国を目指すのは日本…
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