広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局

TOKYO SAKE PROJECT Tokyo Tokyo

革命を起こした
新進気鋭の杜氏

石川酒造

日本酒といえば自然豊かな田舎で造られるイメージですが、実は東京にも酒蔵が。そんな「東京の日本酒」のこだわりを探るべく、9つの蔵や卸売店を回りました。今回訪れたのは、「多満自慢」を造っている石川酒造株式会社さんです。

伝統の蔵に革命を
起こした杜氏(とうじ)

香り高く、スッキリとしたきれいな辛口。そんな多くの人から好まれる日本酒に、真っ向から挑む杜氏がいる。

「うちの蔵が目指すのは、『香りおだやかな甘い酒』です」。

「多満自慢」の銘柄で知られる石川酒造で杜氏を務める前迫晃一さんは、そう断言した。

石川酒造

石川酒造は、江戸末期の1863(文久3)年に創業した。当時この周辺は田園地帯が広がり稲作が盛んで、庄屋だった石川家は余剰米で酒造りを始めたようだ。以来150年余り、「多満自慢」は地元で愛され続けてきた。

多満自慢 大吟醸

「辛口が好き、香りが高い酒がいい……とお客さまのさまざまな好みに応えるため、ある意味オールマイティーな酒を造ってきました」と前迫さん。

しかし、日本酒の消費量は下がる一方。蔵の経営も厳しい状況に追い込まれていた。

そんな中、蔵人だった前迫さんは4年前の夏、社長からこう告げられる。「次の造りから、お前が杜氏だ」。

杜氏の前迫晃一さん

「突然のことで驚きましたが、杜氏として自分に何ができるかを考え、社長ともとことん話し合いました。今までと同じことをしていたって何も変わらない。だったら賭けに出ようじゃないか。そして、ある意味世間から好まれる酒とは逆行する、甘口の酒に変える決断を下したのです」。

仕込み水は同じなので、芯となる味は古くから続く「多満自慢らしさ」を残しながら、こうじから仕込みのやり方から何もかも変えたという。そして、目指す「甘口で味のある酒」を造り上げた。

ビール、ワインの
ような日本酒。
蔵に息づく挑戦のDNA

「味が変わった」「辛口じゃない」と批判されることもあったが、それでも前迫さんは「僕らはそういう酒を造っている」と信念を曲げなかった。すると、少しずつだが「それが『多満自慢』の味」と理解し、支持してくれる飲み手が増えていったという。

「まいた種からようやく芽が出て、花が咲き始めた。まだまだ満開には至りませんが、手応えは感じています」。

フラッグシップで一番人気は「多満自慢 純米無濾過(じゅんまいむろか)」。口に含むと濃醇な甘みが感じられるが、しっかりとしたうまみが下支えし、甘ったるさや重さは感じない。魚介類もいいが、脂を楽しむ肉料理や揚げ物でも負けない、ボディーの感じられる酒だ。

多満自慢 純米無濾過

石川酒造には過去にも「挑戦の歴史」がある。明治時代、日本でビールが造られるようになり、1887(明治20)年、日本酒同様、この地の水を使ってビール醸造に乗り出した。

高い評価を得たものの、しかし、当時は瓶が吹きガラスで割れやすく、王冠を打栓する技術もなかった。そもそも、ビールがまだ日本人に受け入れられる土壌ができていなかった。結局、数年でビール醸造から撤退を余儀なくされる。

それから100年以上が経った1998年、再びビール造りに挑む。「多摩の恵」と名付けた地ビールは地元を中心に、蔵の敷地内にあるレストラン「福生のビール小屋」などでも提供されてきた。

多摩の恵

さらにここ数年のクラフトビールブームを受け、新しいブランド「TOKYO BLUES」が誕生。東京の地で醸す、東京の名を冠した、まさに「東京のクラフトビール」だ。

TOKYO BLUES

家庭の食卓に寄り添う、
日常の中にある酒

日本酒でも挑戦は続く。「多満自慢 りんご酸シリーズ」と銘打ち、多満自慢らしい甘さをさわやかな酸味が引き立てる、まるでワインのような味わいの日本酒を手がけた。

フレッシュでみずみずしさが魅力の生酒、「瑞(みず)る青」といったネーミング、動物をモチーフにした絵本を思わせるラベルなど、思わず「これが日本酒?」と驚かされる。

「日本酒を知らない、なじみがないという若い人たちや海外の方に、先入観なく手に取ってもらいたい。『こんな日本酒がある、それも東京の酒蔵で造られた酒なんだ』と。その新鮮な驚きを持って、蔵まで足を運んでいただきたいですね」。

「瑞る青」

「多満自慢」は昔から「食事に寄り添う酒であれ」という姿勢を大切にしてきたという。が、今流行りのマリアージュやペアリングとはちょっと違う。

「うちは子どもが小さくて、夕飯はハンバーグにカレーにパスタと、酒に合う料理は食卓にほとんど上らない(笑)。でも、そういう家庭料理にもうちの酒はちゃんと寄り添うんです。特別な日に飲む酒ではなく、日常の中にある酒を目指したい」。

前迫さんは、これからも、新しいことに臆することなく挑んでいくという。

「伝統」とは、古いものを守り続けることではない。その時代時代の先進的な取り組みや挑戦の積み重ねなのだ。

(文:中津海麻子)

拝島大師(本覚院) 昭島市にあるお寺です。19世紀初頭に建立された旧本堂は当時の姿をほぼそのまま残しています。また正月2日と3日には「だるま市」が開かれます。公式ページはこちら
多摩川沿いの桜並木 多摩川堤防沿いには500本の桜並木が。桜が咲く春には「ふっさ桜まつり」が開かれます。
石川酒造株式会社

JR青梅線・西武拝島線拝島駅より徒歩20分
〒197-8623 東京都福生市熊川1番地
TEL 042-553-0100(代表)/042-530-5057(見学受付)
施設利用自由・有料見学要予約
敷地定休日/火曜日

多満自慢

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