広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局

TOKYO SAKE PROJECT Tokyo Tokyo

川魚が遊ぶ清流のもとで醸す
「淡麗でありながら
味のある酒」

中村酒造

日本酒といえば自然豊かな田舎で造られるイメージですが、実は東京にも酒蔵が。そんな「東京の日本酒」のこだわりを探るべく、9つの蔵や卸売店を回りました。今回訪れたのは、「千代鶴」を造っている中村酒造です。

多摩川の支流の中で最も大きな「秋川」。東京都あきる野市網代付近から檜原村まで約20キロに及ぶ奥多摩の「秋川渓谷」には、美しい清流と、四季折々に表情を変える山々が広がる。バーベキューやあゆ釣り、川遊びが楽しめるレジャースポットでもある。

秋川渓谷

この秋川流域で、中村酒造は江戸時代から酒を造っている。仕込み水は、長い時間をかけて秩父古生層によって磨かれた清らかな水を地下170メートルからくみ上げたものを使用している。

中村酒造

中村家は慶長以前の400年以上前からこの地に住み、酒造りを始めたのは1804(文化元)年。9代目のときだった。

「昔、秋川流域に鶴が飛来したことがあり、これに因んで縁起の良い名前『千代鶴』と名付けたそうです」と、18代目当主の中村八郎右衛門さん。秋川流域が、昔も今も豊かな自然に恵まれていることがうかがえる。

昔の酒造りを今に伝える
「酒造り資料館」

中村酒造を訪ねたらぜひ立ち寄りたいのが、「酒造り資料館」だ。明治時代に建てられた土蔵造りの蔵を復元し、かつて使っていた酒造りの用具や資料が展示されており、四季折々の草花を愛でながらの試飲も楽しめる。

酒造り資料館

米を蒸す「釜」や「こしき」、酒を仕込む「木桶(きおけ)」、袋に入れたもろみを搾る「槽(ふね)」など、年季の入った道具たちが、酒造りの工程に沿って並べられている。

今でこそ機械や冷蔵施設によって酒造りは安定するようになったが、当時は自然相手で大変だっただろうなぁ……。

古い道具に思いをはせていると、「あきる野市は、冬になるとぐっと冷え込み、雪が降ることも。この気候風土が、機械などがない時代にもいい酒づくりを可能にしてくれたのだと思います」と中村さん。

酒造り資料館

「味のある酒」の秘密は
「四段仕込み」

酒造りを仕切るのは、杜氏(とうじ)の佐藤潮彦さん。蔵人として30年余りこの蔵の酒造りに携わり、杜氏になって24年のベテランだ。

「長い歴史の中で変わることなく目指しているのは、淡麗でありながらしっかりとした味がある酒です」と佐藤杜氏。

酒蔵の基調となる味を決めるのは「こうじ」だ。「千代鶴」らしい味わいを醸すよう、受け継がれてきた製法でしっかりと丁寧に造る。

中村酒造のこうじ

さらに、酒造りの工程は、こうじ、蒸し米、水を「初添、仲添、留添」と3回に分けて加える三段仕込みが一般的だが、中村酒造は多くの酒に「四段仕込み」を採用。

photo by Yoshihiro Shimizu

四段目として糖化させた米を加え、よりうまみを乗せていく。それが「味のある酒」になるひけつでもある。

時代のトレンドは
「酵母」でおさえる

一方で、時代によって移り変わるトレンドやニーズにこたえるカギは「酵母」なのだそう。香りや味わいの微妙な表現が変わるのだという。自社で選択した酵母を培養するなど、探求も怠らない。

「酒は嗜好(しこう)品ですから、おいしい、好きの基準は人それぞれ。ただ、その時代が求めている味というものは確かにあると思います。丁寧に造るという基本は貫きながら、決して独りよがりにならず、求められている味や香りを敏感に捉え表現していく。そうして代々の杜氏が『千代鶴』を進化させてきたのだと考えています」と佐藤杜氏。

「千代鶴 純米吟醸」と「千代鶴 吟醸辛口」

「千代鶴 吟醸辛口」はスッキリとした飲み口で香りは穏やか。「千代鶴 純米吟醸」も香りは控えめながら、こちらは米のふくよかな甘みとうまみがじんわりと口の中に広がった。杜氏が表現したように、淡麗でありながら、でもしっかり味がある。

うまい酒をつくる
東京の豊かな自然がある

使用する米は、新潟、兵庫、岡山から厳選。「東京は決して米どころとは言えません。しかし地元にないからこそ、いいものを探し、しっかりと選ぶ目が鍛えられてきた。それは東京の酒蔵の強みかもしれません」と佐藤杜氏。

「同じ道具、同じ機械を使っても、蔵によって日本酒の味は変わります。それは、造りの各工程に『蔵人』が介在するから。自然の力だけではなく、蔵人たちの力で酒は醸される。それが日本酒の魅力だとも思っています」。

photo by Yoshihiro Shimizu

この地の名物は、何と言っても秋川で採れる川魚の数々。夏のシーズンにはあゆが味わえる。清流で育ったあゆと、同じ水系の伏流水で醸した日本酒。相性は言わずもがな、である。

秋川渓谷のあゆ

しかし、地元でも酒蔵があることを知らない人も少なくないという。「東京にもこんなに豊かな自然がある、だから、おいしい酒ができる。そのことを多くの方々に広くお伝えしていきたいですね」と中村さん。

最後にこう言葉を結んだ。「東京の酒蔵は、数は決して多くはありませんが、それぞれが個性のある酒を手がけています。飲み比べたり、選んだりという楽しみを、東京の酒を通じて体験してみてください」。

(文:中津海麻子)

石舟橋 吊橋の上から秋川渓谷の美しい景観を楽しむことができます。
東京サマーランド あきる野市にあるテーマパーク。屋外の流れるプールは日本最大級。家族でゆっくり楽しんでみては。公式ページはこちら ※12~2月は冬季休園期間。
中村酒造

JR五日市線秋川駅から徒歩15分
〒197-0826 東京都あきる野市牛沼63
TEL 042-558-0516
蔵見学/要予約
資料館/販売・試飲コーナー併設

千代鶴

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