ポータブル電源は、中身の見えにくい製品だ。アウトドアや防災用など、さまざまなニーズで活躍し、一般家庭でも家電並みに普及しつつあるポータブル電源だが、ユーザーにとっては差別化が難しいという側面がある。

中を見ることができない理由は、大きな容積を占めるバッテリーを厳重に守っているから。とはいえ、賢い買い物をするためにも、ポータブル電源の中身を知っておきたいのが消費者の心理だろう。

そこで、ポータブル電源とソーラーパネルの市場で世界をリードする「Jackery(ジャクリ)」の製造現場を見せてもらった。ポータブル電源の品質や安全性がどう守られているのかを紹介する。

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深圳で磨きをかける製品技術と製造能力

Jackeryは2012年にアメリカ・カリフォルニアで創業して以来、中国・広東省の深圳(しんせん)に工場を構えている。「アジアのシリコンバレー」とも呼ばれ、ファーウェイやテンセントなどの巨大IT企業を輩出してきた深圳は、中国の技術と製造の中心地だ。電池産業においても、高品質な電池セルのサプライヤーが集まっており、EVバッテリー市場で世界トップのシェアを走る企業などが本社オフィスや工場を置いている。

豊富な産業資源やサプライチェーンを有し、多くの競合企業が集まる深圳でJackeryが工場を操業することは、ある意味で必然だともいえる。ポータブル電源とソーラーパネルにとって理想的な生産拠点で、製品技術と製造能力に磨きをかけることができる環境だ。

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ポータブル電源とソーラーパネルの需要増加に伴い、Jackeryは2022年に深圳の工場を増床。生産現場の総面積は約3万7千平方メートルにまで拡大した。年間200万台のポータブル電源とソーラーパネルを製造できる能力(2024年1月現在)を有し、日本などのマーケットに製品を送り出している。

さらに2023年には、製品のさまざまなテストや検証を強化するために、独自のイノベーションラボラトリーを新設した。

Jackeryがこだわる「安全性」は
どう実現されるのか

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Jackery Japanの平松孝太さん

Jackeryの製品において、もっともこだわっていることの一つが安全性である。Jackery Japanマーケティング担当の平松孝太さんは、こう説明する。

「リチウムイオン電池を使用する製品においては、“何より安全性が最優先事項である”という信念を持っています。ここ数年のリチウムイオン電池におけるトラブル報告を見聞きし、安全対策の重要性を感じています。ポータブル電源市場はここ数年で急激に成長し、多くの企業が参入していますが、当社製品においては、設計段階から厳格な安全基準を設けており、それをクリアした製品を世に出していることに自信を持っています。

さらには、正確で安定した製品づくりを実現するために、生産ラインの自動化にも力を入れています。製造プロセスの透明性も大切にし、製品の安全性向上に向けて努力しています」

そこで、Jackeryポータブル電源の製造プロセスのなかで行われるさまざまな安全性テストについて、紹介してもらった。

鋼の球を製品に落とす、
厳しい耐衝撃テスト

商品の品質を保証するための各種のテストを、自社で実行できるのはJackeryの強みだ。各テストは国際基準に厳密に従って行われ、ポータブル電源のテストには、衝撃、落下、劣化、耐高温・低温などのテストが含まれる。ソーラーパネルのテストには、防水、防塵、太陽光模擬テストなどがある。

たとえば、ポータブル電源の対衝撃性に関しては、米国の認証機関が策定するUL安全規格にのっとったテストが実施されている。0.9mの高さから製品を3回落下させる試験や、 535グラムのスチールボールを1.3mの高さから製品に3回落とす試験などを行い、製品の耐衝撃指数は「9」と業界の標準レベルをリードしている。

また、ポータブル電源はその“使い方”が寿命を左右する、という一面がある。実験室では、経年劣化サイクルのテストも行われ、その結果をもとに、どのような使い方をすれば長持ちさせることができるかなど、ユーザーが製品を安心して利用できるよう、有益な情報提供につなげている。

リチウムイオン電池の寿命とはどのぐらい?寿命を伸ばす6つのコツも紹介(外部サイトへ)>>

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ソーラーパネルは、ゲリラ豪雨レベルの水を浴びせる試験や、深さ1.5mの水に1時間浸しても動作することを確認するテスト、表面が氷結しても氷点下20度まで耐えられる性能を確認する試験、3600回以上の折り畳みのテストなどを行っている。

Jackery工場初公開!安心の秘密

そのようにして生み出されたJackeryの製品は、 国際電気標準会議(IEC)による品質規格(TUV IEC/TS 63163)や、「TÜV SÜD」による二酸化炭素排出量の認証などを取得している。日本でも、防災安全協会から「防災製品等推奨品認証」を全製品ラインナップが取得した。

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「ありがたいことに、『安心してJackery製品を使っている』というユーザーの声は非常に多くいただいています。製品の破損や故障を気にすることなく、ユーザーにリラックスしてアウトドアや自然を楽しんでほしい、というJackeryの思いが製品を通じて伝わっていることは非常にうれしいですね。

また、ポータブル電源とソーラーパネルを購入したお客様から『長期の車中泊旅が可能になり、旅行の幅がぐっと広がった』とか『停電時に通常と変わらない生活ができて本当に安心できた』などといった声も多数いただいており、これまで叶わなかったことが我々の製品を活用することで可能になった、という感想はとても励みになっています」と、平松さんは言う。

製造プロセスの段階から
環境負荷低減に貢献

さらに、Jackeryは「Explore Future in a sustainable way(持続可能な方法で未来を切り開く)」を理念に掲げており、持続可能性にこだわっていることも大きな特徴だ。

「製品を販売するだけでなく、Jackeryは企業のGX(グリーントランスフォーメーション)を積極的に推進しています。今新設している工場は、環境負荷軽減と経済的成長の両立を目指す模範工場として中国政府に『2022年度国家グリーン工場』に認定されました。工場では管理システムを導入し、生産プロセス全体が、より環境にやさしく、効率的になるよう、リアルタイムに監視しています」と平松さん。
※脱炭素社会に向けて再生可能なクリーンエネルギーに転換していく取り組みのこと。

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そのほか、経年劣化テストの後に Jackery 製品によって放出された電力を、電力会社に送るといった取り組みも行われている。たとえば、Jackeryポータブル電源2000Plusの場合、満充電(2042Wh)の状態から経年劣化テスト(約30%の電力を消耗)を実施し、残った電力(1429Wh)を電力会社に送る。

「これによって、年間約17万3千kWhの電力を節約し、10万kg以上の二酸化炭素排出量を削減できます。毎年地球に約7千~8千本の木を植えることに相当するのです」と平松さんは説明する。

*算出方法:
杉の木換算=年間二酸化炭素の排出削減量÷杉の木1本あたりのCO2吸収量(年間14kgで計算)

さらに、日本のユーザーがポータブル電源を選択する際の懸念点のひとつでもあった修理や廃棄課題を解決するため、Jackeryではポータブル電源の修理や無料回収サービスも開始した。不要になったポータブル電源を有効に再利用し、資源循環型社会の実現にも貢献している。
修理サービスについてもっと詳しく(外部サイトへ)>>
無償回収・リサイクルサービスについてもっと詳しく(外部サイトへ)>>

効率的で環境に優しい
ポータブル電源ソリューションを

社内にもアウトドア好きが多いというJackery。社員の多くがプライベートでも製品を愛用し、キャンプや日常生活で使用しているそうだ。

「製品の使用経験を通じて、社員は製品の性能や機能についてだけでなく、ユーザーが製品をどのように活用するかにも理解を深めています。この理解が、ユーザーに対する適切な情報提供やサポートにつながり、製品選定の難しさに対応する手助けになればと考えています」

日本ユーザー向けの修理工場を中国ではなく日本の専門事業者と提携しアフターサポートを充実させたり、前述した廃棄時のリサイクルサービスをおこなったり、かゆいところに手が届く取り組みが多いのも、社員たちが普段から製品の気づきを自社にフィードバックしている成果なのかもしれない。

最後に、どのような製品を工場から世に送り出していきたいかについて、将来の展望を平松さんに聞いた。

「ポータブル電源は、チャンスと課題に満ちた分野です。アウトドア、オフグリッド生活、家庭防災などのバックアップ電源の需要が高まるにつれ、市場規模や活用シーンも拡大しています。Jackeryは、業界におけるイノベーターとしての責任を持ち、より効率的で安全で環境に優しいポータブル電源ソリューションを提供したいと考えています。自社の拠点はもとより、バリューチェーン全体が脱炭素と環境負荷の低減に取り組むよう、業界をリードしていきたいです」

太陽光を追尾するシステムを搭載したコンセプトモデル「Jackery Solar Generator Mars Bot」が米TIME誌「The Best Inventions Of 2023」に選出されるなど、新たなチャレンジも始まっている。欧米市場で展開中の家庭用蓄電池システムの新ブランド「GENEVERSE」も、将来的には日本市場にも導入される予定だという。

「Jackery はグリーンエネルギー分野の先駆者として、地震、洪水、火災、風災などの自然災害に対して多くの寄付を行い、世界中で累計数千台のJackery製品が被災地に寄付されました。『グリーンエネルギーをあらゆる人に、あらゆる場所で提供する』というビジョンのもと、今後もさまざまな活動を実施していきます。製品を製造する時にも地球環境に貢献するのと同様に、いかに使っていただけるかを提案することで、さらに貢献していきたいと思っています」

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令和6年能登半島地震により被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

Jackery Japanでは災害支援として、被災地である珠洲市役所、珠洲市高屋町、穴水町災害対策本部に、ポータブル電源、ソーラーパネルの無償提供を行いました。石川県内ではいまだ停電が続く地域もあり、寒さ対策が急務となっています。県や支援団体を通じて製品提供を継続してまいります。

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