2024年4月から介護サービス事業者の事業継続計画(BCP)策定が義務づけられ、さまざまな介護施設で自然災害や感染症への対策が進んだ。「作っただけのBCPなのか、それともちゃんと機能するBCPになっているのかが大事」と語るのは、数多くの企業のBCPを手掛けてきた危機管理アドバイザーの市川啓一さん。1月の能登半島地震のような想定を超える災害への対策や、重要性を増す電源の備えなどについて聞いた。

未策定の事業者は報酬減。BCPの持つ重要性

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危機管理アドバイザーの市川啓一さん

自然災害や感染症などの緊急事態が発生した時に備えて、生命や身体の安全確保や、優先して継続すべきサービスの選定、インフラや備蓄品の確保などを計画するBCP。2011年の東日本大震災以降は、日本でもさまざまな業界で定着しつつある。

介護施設でのBCPは、2021年度の介護報酬改訂によって計画策定や訓練の実施が義務化され、3年間の経過措置期間が今年3月で終了。BCPを未策定の事業者に対しては、定められた基本報酬を最大3%減らすことが、今年度の介護報酬決定で定められ(1年間の経過措置期間あり)、実質のペナルティーが発生することが明らかになった。

「罰則は今後強化されることはあっても、緩くなることはまずないでしょう」と市川さん。そのうえで、介護サービス事業者がBCPを策定する意義について、法令順守のほかにも以下のポイントがあると説明する。

「介護サービスは、災害などにおいても止めることができない重要な事業であることが一つ。そしてもちろん、利用者の安全確保という意味でもBCPは必要です。利用者やご家族から選ばれる立場という観点では、事業者が自らの信頼性を確保するために、今後さらに重要になっていくでしょう」

災害シナリオの想定よりも、現状のリソースを分析すべき

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行政主導で介護業界のBCPが進んだことは非常に有意義ではあるが、一方で危惧されるのは、立てた計画が形だけのものになっていないかということ。市川さんは「今は人手不足で日々の安全を守るのですら苦労されているのに、万が一に備えるのは大変だと思います」と事業者の現状を心配する。

BCPを実効性のあるものへとするために、市川さんが提案するのは「シナリオ型」のBCPから「リソース分析型」のBCPへの転換。「震度6の地震が起こったときはどうするか」などと一つのシナリオから順序だてて対策を考えるのではなく、リソースを分析して、「電気が止まったら」「職員が足りない場合は」など、ボトルネックが生じた時の対策を作るという手法だ。

「BCPの文章を作るのは悪いことではありませんが、作っただけで機能しないのでは意味がありません。たとえば能登半島地震では、想定を超える規模の地震が発生しており、シナリオでは分析できないほどの被害が広がってしまいました。東日本大震災であれほどの津波が来るとは想定できなかったし、大規模な停電も予想できなかったでしょう。何が起こるかわからないから、災害を限定するのではなく、どのリソースが必要になるかを考えるべきです」

能登の地震では、ある医療施設は巨大な貯水タンクを用意していたのにもかかわらず、激しい振動でタンクに亀裂が入ったため、水が足りなくなったそうだ。「リソースを分析していれば、1つのタンクに頼るのではなく、分散して水を確保するという対策も考えられたと思います」と市川さん。

介護サービスに必要な「電気」の確保

事業を継続するためのリソースは、人員や設備のほか、食料、水やガスなどのライフラインが挙げられる。その中でも、近年ますます重要性を増しているのが「電気」だ。さまざまな業務でIT化が進んでいるのも大きな理由で「電気への依存度は増える一方。個人がスマートフォンのバッテリーや充電ケーブルを常に持ち歩くように、事業所も備えなければいけないと思います」と市川さんは語る。

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介護サービス事業者にとってリソースとして電気を確保することは、以下の5つの場面で必要であると市川さんは解説する。

1.生命に関わる医療機器は、全ての介護施設にあるわけではないが、停止させるわけにはいかない。
2.空調などの施設の機能維持は、利用者の健康を守ったり感染症を防止したりするために不可欠。
3.利用者の情報などを管理するシステムは、事業を継続するうえで必要。
4.安全な避難を行うために、避難経路などの照明が求められる。
5.外部とコミュニケーションを取る通信手段などのために、電気を確保しなければならない。

停電が起こった時の備えとなるのが非常用電源だ。あらかじめ予備の電源を用意しておくことにより、緊急時でも必要な医療機器や照明、通信機器などに電力を供給することができる。

非常用電源にはさまざまな選択肢があり、大きな施設では、据え置き型の蓄電池やLPガス発電機を設置しているケースも多い。最近では、ポータブル電源やEV(電気自動車)の導入も進んでいる。

ポータブル電源を導入する手軽さと有用性

どの非常用電源を選ぶかは、施設の規模や地域特性によってそれぞれメリットやデメリットがあり、どれがベストだと一概には決めにくい。たとえば、化石燃料を使った発電機は、燃料単価が安い一方で、安全面での取り扱いに注意すべき必要がある。大規模な電源になれば、導入コストに見合うだけの効果があるかも検討しなければならない。

その中でもポータブル電源は、ここ数年で選択肢として大きなポジションを占めるようになった。大容量化・高出力化や多機能化が進んで製品として飛躍的に向上し、BCPのために導入する企業が増えている。メンテナンスが簡単で持ち運びしやすいというのもポイントだ。

最近のトレンドは、アメリカ発のブランドJackery(ジャクリ)のポータブル電源のようにソーラーパネルからの充電も併用し、長期にわたって電源を確保するという選択肢。インフラが停止して化石燃料などの確保が難しい場合にも、太陽光から電力をまかなうことが可能となる。

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「既に非常用電源を確保している場合でも、手軽に導入しやすく、特別な管理が不要なポータブル電源をプラスすることで、さらなるリスク分散になる」と、市川さんは話す。離れた地域にある施設と提携して、緊急時にはお互いにポータブル電源を融通しあうといった計画が立てやすいのは、“ポータブル”ならではの強みだろう。

「まずは非常時に使いたい家電製品をリストアップし、必要なバッテリー容量を備えたポータブル電源を選ぶこと。先ほどお話した電気が必要な5つの場面を想定して検討してみましょう」と解説する。

不測の時に備えて定期的に充電をしたり、使い慣れておいたりすることも大切だ。いつも使う電化製品にコンセントから給電して「普段使い」がしやすいことは、BCPを実践的なものにするという意味でも、ポータブル電源の大きなアドバンテージになると、市川さんは語る。

「非常食などに関して、平常時から消費してその分を買い足しておく“ローリングストック”という考え方が定着しています。ポータブル電源も普段から使っておいて、ためておくことによって、いざという時に大きな力になるはずです」

「ポータブル電源+ソーラーパネル」で
より確実に緊急時に備える

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2024年1月に発生した能登半島地震で、Jackery Japanは停電が発生した施設や避難所への支援として、計260台のポータブル電源やソーラーパネルを無償提供した。担当者は「被災した自治体の担当者や支援団体と連絡を取り合い、要請に応じて製品提供をしました。被災地では、おもに通信インフラの回復のための電源として、また、スマートフォンの充電や炊き出しの電源として活用いただいた」と話す。

安否連絡や情報収集の手段として今やスマホは欠かせないツールであり、それらを安心して使える環境を整備できるポータブル電源はとても喜ばれたそうだ。
令和6年能登地震支援活動の記録について詳しくはこちら>>

Jackeryの豊富な製品ラインアップのなかでも、介護施設の備えにおすすめなのは、ポータブル電源を充電しながら同時に電化製品に給電ができる「パススルー充電機能」を搭載し、ポータブル電源を施設のコンセントにつないでおくことで、停電などの電気障害が発生した際に20ミリ秒(0.02秒)未満で電力の供給をポータブル電源にすばやく切り替えることのできる「Jackery ポータブル電源 600 Plus」や「Jackery ポータブル電源 2000 Plus」。冷蔵庫や照明などの電源に普段からポータブル電源を接続しておくことで、停電時も安心できる。
※0ミリ秒以内に切り替わるEPS機能ではありません。医療機器など生命に関わる機器やデータサーバーなど重要な事業用機器などには使用しないでください。

さらに、ジャクリのポータブル電源は防災用としてはもちろん、アウトドアや日常使いなど、さまざまなシーンで活躍する。

近年では、日常時と非常時のフェーズの垣根をなくし、日頃から災害への対応力を高める「フェーズフリー」という新しい防災の考えが浸透し始めている。「もしも」の備えではなく、「いつも」使って備えておく。ジャクリの製品もまさに 、普段使いを推奨している。誰でも簡単に使うことのできる製品だが、日常的に使い慣れておくことで、予期せぬ災害に見舞われたときの安心材料にもなるだろう。

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ブランド初の「フェーズフリー認証」を取得した「Jackery Solar Generator 600 Plus」は、2024年4月に発売した新製品。消費電力が800W以下の電化製品を動かすことができる。約4,000回充放電サイクルの長寿命で、毎日充電したとしても10年以上使うことができる。

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Jackery Solar Generator 600 Plus ポータブル電源 セット:Jackery ポータブル電源 600 Plusとソーラーパネルのセット商品。1~2日の避難生活におすすめ。
使用できる電化製品の例:
スマートフォン(20W)、ノートパソコン(80W)、テレビ(60W)、冷蔵庫(500W)、扇風機(40W)、ケトル(800W) など

より大容量の電化製品を使いたい場合は、追加で拡張バッテリーを利用できる「Jackery Solar Generator 2000 Plus」がおすすめ。大人数の災害時の備えとして検討したい。

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Jackery Solar Generator 2000 Plus ポータブル電源 セット: Jackery ポータブル電源 2000 Plusとソーラーパネルのセット商品。2042Whの大容量と定格出力3000Wの高出力。2台のポータブル電源2000Plusを並列接続することができる。さらに最大10台の拡張バッテリーを追加できる。
使用できる電化製品の例:
電子レンジ(960W)、エアコン(1000W)、コーヒーメーカー(1500W)、電気ケトル(1200W)

法人のお客様のご相談・お問い合わせ:sales.jp@jackery.com

市川啓一(いちかわ・けいいち)
危機管理アドバイザー。日本IBMに入社後、阪神・淡路大震災を機に防災情報の重要性を痛感し、自治体や企業に危機管理の情報提供などを行う株式会社レスキューナウを2000年に設立。政府の中央防災会議の専門委の委員などを歴任した。現在は株式会社レスキューナウ危機管理研究所の代表取締役として、BCP策定や訓練の支援、講演活動などを行っている。

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