首都圏の主要ターミナル駅を中心に、『LUMINE(ルミネ)』や『NEWoMan(ニュウマン)』などを展開する株式会社ルミネ。ファッションやライフスタイルだけにとどまらず、消費者へ新たな価値創造を提案しています。(ルミネのHPリンクはこちら

そんなルミネが中期経営計画とともに発表したのが、グローバル&サステナブルを掲げた「10年ビジョン」です。

今回は、ルミネ総合企画本部 サステナビリティ推進室 室長の秋元清美さん、マネージャーの石見康太さんに、「10年ビジョン」の柱の一つであるサステナブルの取り組みや、ルミネがサステナブルを推進することへの想いなどを語っていただきました。

ルミネの「10年ビジョン」に関する記事は全3回の連載でお届けします。今回は、第1回で表 輝幸社長が語った「グローバル戦略」に続く、第2回「サステナブルへの取り組み」についてご紹介します。最終回となる第3回では、「ニュウマン高輪開業」について詳しくお伝えします。

秋元清美(あきもと・きよみ)
1991年ルミネ入社。ルミネ大宮・ルミネエスト新宿・ルミネ有楽町にて勤務。営業・広報・人材育成・秘書等の経験を経て現在に至る。2003年CS推進体制構築及びルミネスト制度の立ち上げに従事。2011年営業部長としてルミネ有楽町開業に関わる。2018年人財育成体系「LUMINE COLLEGE」を整備。2023年よりルミネのサステナビリティ推進を担当。

石見康太(いしみ・こうた)
2005年、新卒でルミネに入社。ルミネ横浜の営業部に配属。その後ルミネ池袋での経験を経て、本社業態マネジメント部に異動し、ショップの契約や交渉を担当。総合企画部や事業推進部を経て、2024年にサステナビリティ推進室に異動し、ルミネの資源循環サービス「anewloop」を創設。

ルミネの「サステナビリティ方針」に込めた想い

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株式会社ルミネ・サステナビリティ推進室の秋元清美さん

——ルミネは「WE ILLUMINATE THE FUTURE わたしが選ぶ毎日が、わたしたちの未来をつくっていく」というサステナビリティ方針を策定しています。その際に大事にしたポイントを教えてください。

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ルミネのサステナブル施策・ロゴ (株式会社ルミネ 提供)

秋元 清美さん(以下、秋元):2021年度、サステナビリティ方針「WE ILLUMINATE THE FUTURE わたしが選ぶ毎日が わたしたちの未来をつくっていく」を策定しましたが、「10年ビジョン」に基づいて、2024年度からさらに強化して取り組みを進めています。

ルミネにとってのサステナビリティとは、事業を通じてどう社会や地球環境と関わっていくか、お客さまをはじめショップスタッフ・取引先・地域の関係者等のステークホルダーにとってどんな存在であり続けるのか、ということを考える視点が原点にあります。

日々変化していく社会環境の中、サステナビリティの視点を持ち続け、社会や地球環境にとってもより良い選択をしながら企業活動を推進できるよう策定しています。

由来についてですが、ルミネには日々、本当に多くのお客さまにご来店いただき、また、多くの取引先に支えていただいています。さらに、約3.5万人のショップスタッフや社員など、ルミネが関わるさまざまな「わたし」の日常的な選択が、未来を明るく描くことにつながるという想いを、ルミネの語源でもある「ILLUMINATE」に込めています。

「ファッションを楽しみながら、地球環境への負荷が減らせないか?」ルミネの挑戦

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株式会社ルミネ・サステナビリティ推進室の石見康太さん

——実際に、ルミネが行っているサステナブル施策にはどのようなものがあるのでしょうか?

石見 康太さん(以下、石見):代表的な取り組みに、「anewloop」というものがあります。店舗に回収ボックスを設置してそこに不要になった衣服を投函してもらい、リユースやリサイクルにつなげるというものです。2024年6月からスタートし、最初はルミネ新宿、ルミネ池袋、ネット通販のアイルミネで常時、他店舗ではキャンペーン的に実施していたのですが、2025年1月からルミネ・ニュウマンの全店舗に拡大しています。

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anewloopサービス概要図 (株式会社ルミネ 提供)

anewloopをスタートした理由は、おもに二つあります。

ここ2〜3年、ファッション業界が環境に与える負荷が非常に大きいことが話題になっています。ファッション業界に身を置いている企業として、この課題に対して「ファッションを楽しむこと」と「地球環境に対する負荷を減らすこと」を両立できないかと考えました。

また、この課題を受けて、お客さまに対してサステナビリティに関する意識調査を行ったところ、「着なくなった衣服をどうしていいかわからない」「ルミネが回収事業をしてくれるのであればぜひ利用したい」という意見が多かったのも、anewloopを始めるきっかけでした。

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ルミネが取り組むサステナブルな施策の代表例「anewloop」の回収ボックス

anewloopにおいては、回収された衣服のその後についても重視しています。

回収された衣服が屋外に山積みにされている画像を目にすることがありますが、そのような状態では、私たちの取り組みが地球環境に何のメリットももたらさないものになってしまいます。そこで、衣服の回収を担当するエコミット社と提携し、毎月リユース・リサイクルの実績を可視化したサステナビリティレポートを作成していただいています。

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ルミネ新宿にあるソファ。回収した衣服を素材にして作られた(株式会社ルミネ 提供)

ルミネで回収された衣服の99%は、国内外でリユース・リサイクルとして流通しています。リユースが難しい衣服については、車のシート内部に利用されるなどの結果が報告されています。現在、このレポートの内容は社内で確認するにとどまっていますが、今後はお客さまにも定期的に情報を提供し、さらに透明性を高めていきたいと考えています。

また、1月からスタートしている「ルミネ・ニュウマン エシカーニバル」でもキャンペーンを実施し、anewloopの取り組みをさらに強化しています。

——「ルミネ・ニュウマン エシカーニバル」とは、どのようなものなのでしょうか?

秋元:エシカーニバルはサステナブルでエシカルなライフスタイルの新たな提案です。「エシカーニバル」とは、エシカルとカーニバルを組み合わせた造語で、サステナブルでエシカルな選択をお客さまに楽しんでいただこうという取り組みです。

ルミネはこれまでも、大量生産による大幅値引き販売や余剰在庫の廃棄などに対し課題意識を持っていました。また、お客さまのサステナブルへの意識が高まり、価格だけでなく商品をしっかり吟味し、納得感のある買い物をされる傾向が強くなってきたことも、このエシカーニバルを実施するきっかけとなりました。

日本には四季があり、季節ごとに違ったファッションや食を楽しむ文化がありますよね。今回のエシカーニバルでは、その季節を楽しむ知恵や文化を改めて、「季産季消」という言葉で表現しています。「季節を楽しみ尽くす」ことが実はエシカルであるということに気づけるキャンペーンです。

エシカーニバル期間中を「社会課題を楽しく解決する活動の強化月間」と位置づけ、ルミネ・ニュウマン各館のエリア特性に合わせた取り組みやキャンペーンを行っています。

大船ルミネウィングでは五つのエシカルをテーマとしたショッピングでデジタルスタンプラリーを実施しているほか、ニュウマン横浜では、素材にこだわったエシカルブランドのポップアップを開催しています。

また、ルミネ新宿では、2025年1月13日・14日に「COSME Re-Go-Round STORE」というコスメの資源循環を促す取り組みをしました。

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「COSME Re-Go-Round STORE」店頭イベントの様子

コスメは、商品のリニューアルや箱潰れなどで年間2万トンも新品のまま破棄されているといわれています。お客さま自身がコスメを救ったと実感できる、参加型の楽しさも提案しながら、廃棄されてしまうコスメの問題に意識を向けるきっかけを提案しました。非常にたくさんのお客さまにご参加いただき、約1500点のコスメの再循環をすることができました。

ルミネが考える、社会変容の第一歩

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カーボンフットプリントの情報開示が行われた店舗事例(株式会社ルミネ 提供)

——ルミネは、JCB、JR東日本、マッシュスタイルラボ、Arborと協業して、カーボンフットプリントに関する実証実験も行っていますよね。*実施期間:2024年4月26日(金)~2024年5月31日(金)

秋元:これは、対象商品の製造・流通で発生したCO₂排出量情報の提供がお客さまの購買行動にどのように影響するかを実験したものです。マッシュスタイルラボの4ブランド28品番のタグにQRコードを記載し、お客さまがCO₂排出量をご覧いただけるようにしました。また、QRコードを読み込んだお客さまにアンケートにご協力いただきました。アンケートに回答してくださった約9割の方が、今回のようなCO₂排出量の可視化について「広まっていくべきである」「非常に好感が持てる」と評価しています。

——そのほか、ルミネで行っているサステナブルの取り組みにはどのようなものがありますか?

秋元:2024年4月から、本社を含む全17拠点の電力100%をクリーンエネルギー化することを進めています。カーボンニュートラル都市ガスへの切り替えのほか、食品廃棄物を使用して発電した電力の使用、太陽光発電による再生可能エネルギーも導入予定です。

日本政府が掲げている2030年の脱炭素目標への貢献はもちろん、CO₂の影響による猛暑やゲリラ豪雨などが、日本の四季に与える影響についての懸念も率先して実施をした理由の一つです。季節にあった食材や素材で食やファッションを楽しむことが、ルミネが提供したい価値と大きくリンクする部分があります。

「サステナブルな施策」で最も大事にしていること

——「サステナブルな活動を楽しむこと」と「地球環境に与える環境負荷を減らすこと」を両立するために大事にしていることはなんでしょうか?

秋元:事業活動は、地球環境への環境負荷が必ず存在しているという点をしっかりと認識しておくことが、重要だと考えています。なんらかのトレードオフがある中で、できることを探し、行動していくことが大切です。

そして最も大事にしていることは、「楽しかった」「感動した」ということをお客さまが感じ、サステナブルな施策やキャンペーンに自然に参加したり、ライフスタイルに取り入れたりしていただくことです。ルミネのサステナブル施策は、どれもお客さまと一緒に社会課題解決を楽しく解決していく、そんな提案にしたいと考えています。

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