首都圏を中心に『LUMINE(ルミネ)』や『NEWoMan(ニュウマン)』などを展開する株式会社ルミネ。ルミネは2024年、中期経営計画とともに、100年先の未来を見据えて「グローバル&サステナブル」をスローガンとした10年ビジョンを掲げています。
ルミネでは、TAKANAWA GATEWAY CITYに2025年から段階的に開業する「ニュウマン高輪」を、この10年ビジョン体現の一つと位置付けています。(ルミネのHPリンクはこちら)
今回は、品川開発プロジェクト開業準備室長 兼 ニュウマン高輪店長の鈴木 和馬さん、同室担当部長の岸 有恵さん、大岩 諒さん、池田 尚人さんに、ニュウマン高輪と10年ビジョンの関係性や、TAKANAWA GATEWAY CITYのまちづくりにおけるニュウマン高輪の役割などについて語っていただきました。
ルミネの「10年ビジョン」に関する記事は全3回の連載でお届けしています。今回は、第1回の表社長が語った「グローバル戦略」、第2回「サステナブルへの取り組み」に続く最終回。「ニュウマン高輪開業」に関してお伝えします。
100年先の未来が明るくなる
“新しいまち”を高輪につくりたい
——ニュウマン高輪が、これまでのルミネやニュウマンと違う部分はどこでしょうか?
鈴木 和馬さん(以下、鈴木):ルミネでは、「グローバル&サステナブル」をテーマに、各館でさまざまな挑戦をしています。ニュウマン高輪はこれらの挑戦を横断的に結び付け、具現化できる場所だと考えています。
また、これまでのルミネの店舗は、すでに成熟している街に対して一歩先のトレンドを提案するという役割を担っていました。一方、ニュウマン高輪は、「高輪にまったく新しいまちをつくろう」という取り組みになります。
——ニュウマン高輪の「まちづくり」において、重視しているコンセプトやテーマはなんですか?
鈴木:「実験場」であるということが大きなテーマです。アップデートを前提にした街であることで、100年先の未来に向けた前向きなチャレンジがしやすい場になればと思っています。
ニュウマン高輪では今回、出店者やデザイナー、地域住民など、様々なパートナーの方と共創するということをテーマに価値創造を具現化しています。単にスペースを貸して出店していただくのではなく、私たちの価値観に共感していただいたパートナーの方々とゼロから対話を重ね、体験価値を作り上げています。
「ニュウマン高輪」が挑む、三つの挑戦と
注目ポイント
今回ルミネは、ニュウマン高輪を実験場として、
- 100年先へ継承する、“まだ見ぬ生活価値づくり”への挑戦
- 生活価値を基軸にした、“地球価値づくり”への挑戦
- 地域社会と共に歩む、“まちづくり”への挑戦
という、100年先の未来を見据えた三つの挑戦を掲げています。それぞれ具体的にどのように展開していくのかをお聞きしました。
——一つ目の挑戦“まだ見ぬ生活価値づくり”について、どのような取り組みを考えているのか教えてください。
鈴木:新しい生活価値をつくるにあたって、ニュウマン高輪では、一般的な商業施設で想起される購買行動を超えた、お客さまの体験価値を重視して施設の構成を設計しています。例えば、本屋を基軸に「大人と子どもの過ごし方」をニュウマンらしく提案するフロアを設けたり、「都心のリトリート」(日常を離れ、特別な体験を楽しむ空間)というコンセプトで大型サウナを導入したりと、一つの場所やフロアに対して体験に関する強いテーマ性をもたせ、業種をミックスして環境と一体で表現していきます。
——二つ目の挑戦“地球価値づくり”について、どのようなサステナビリティ施策を行う予定ですか?
鈴木:例えば衣料品循環で言うと、ルミネでは、各館で「anewloop(アニューループ)」という、不要な衣料品を回収してリユース・リサイクルにつなげるという取り組みを行っています。ニュウマン高輪では、anewloopをさらに進化させ、地域で回収した衣料品を生地として再生し製品化して、それを地域のお客さまが購入できる仕組みを考えています。この街で集められた衣料品が、形を変えてまたこの街に戻ってくる体験を提供し、サステナビリティを押し付けるのではなく、楽しく、心地よく社会とつながり、その結果として循環型社会を身近に実感していただくイメージです。
——三つ目の挑戦“まちづくり”についてはどのようなものを考えていますか?
鈴木:この開発地の周辺には、港区の約半数の住民がお住まいになる住宅近接エリアです。その、まちづくりだからこそ、最初に取り組むべきは「高輪のシビックプライド」を醸成することだと考えています。
現在構想している施策としては、ニュウマン高輪内に設置される、様々な業種のオープンファクトリーを活用して、世代を超えた地域とのコミュニティを創造していくことです。地域の学校との連携も深めていきます。お客さまとしての関わりにとどまらず、地域住民の方々とフラットな立場で共創し、参画型のまちづくりを推進。自分たちの街を自分たちでデザインするという体験価値を提供していきます。
ルミネ史上最大規模の三つのエリアと
ルミネ初の高層フロア展開
ニュウマン高輪は、延べ床面積約60,000㎡とルミネ史上最大規模を誇り、店舗数は約200店舗となります。エリアはニュウマン高輪「South・North(サウス・ノース)」「LUFTBAUM(ルフトバウム)」「MIMURE(ミムレ)」と三つのエリアで構成され、それぞれ独自の魅力を持つ三つの棟にまたがっています。さらに、今回はルミネとして初めて、高層階でのフロア展開が行われる予定です。
——ニュウマン高輪はルミネ史上最大規模ゆえ、エリアが三つに分かれていますよね。それぞれの注目ポイントがあれば教えてください。
鈴木:「South・North」は、2025年秋に全面開業予定です。「まだ見ぬ生活価値の創造」「楽しく、心地よく社会とつながる」「地域との共創」というテーマのもと、これらをトータルで提案することを目指しています。このエリアは、私たちの価値観を発信する拠点としての役割を担います。
「LUFTBAUM」は、28・29階の高層階フロアに2025年秋の開業を予定しています。「ここだけで体験できる圧倒的なリアルな価値を提供する」というテーマを掲げています。
地上100M以上の高層階に500本以上の生の植物を全体に配置した空間をつくり、そのガーデンには360°イマーシブサウンドシステムを導入します。
また、レインボーブリッジや富士山などの景観も、圧巻の体験をつくり出す要素の一つですね。このエリアには、レストランも入る予定です。植物と音と眺望、それを体感しながらの大切な人たちと食事を楽しみながらの語らい。この四つを盛り込んで「ここでしか体験できない価値」をつくり上げていけたらと考えています。
「MIMURE」は、2026年春の開業を予定しています。このエリアでは、「100年先も続く都心のコミュニティビレッジ」をテーマに掲げています。先ほどお話した、地域の方々との取り組みなども行うオープンファクトリーが入るのはこのエリアです。
日本の精神性や文化を妥協せずに追求した商品やサービスをここで生み出し、「日本でしか感じられない価値」を統一空間と一体で発信します。同時に循環型社会、ダイバーシティ、日本の生産者支援など、事業活動を通して社会課題に対してもアプローチし、本質的で普遍的な日常の幸福感を提供していきます。
先行オープンする2ショップに注目
各フロアの開業に先立ち、3月27日、「ニュウマン高輪South・North」が入居するTHE LINKPILLAR 1それぞれのオフィスエントランスに「ブルーボトルコーヒー」と「ニコライ バーグマン」がオープン。
「ブルーボトルコーヒー」は、「タイムレス」をコンセプトにしたカフェスタンドを展開。「ニコライ バーグマン」は、“Flowers & Design meets Living”をテーマに「フラワー・カフェ・スクール・リビング」の4つの要素を融合させた新しい空間を創出します。
——先行オープンで、「ブルーボトルコーヒー」と「ニコライ バーグマン」がオフィスエントランスに配置される理由はなんでしょうか?
大岩 諒さん:THE LINKPILLAR 1のオフィスエントランスは、駅から見てこの街の玄関口に位置しています。今回、先に掲げた3つの挑戦の一環として商業施設の枠を超えて様々な場の価値を転換する取り組みをしていきます。
オフィスエントランスは通常、就業者の出退勤時以外は利活用のイメージが作りづらいですが、この場所に機能的価値だけでなく情緒的かつ有機的な価値を生み出したいと考えました。その際に「グローバル視点を持ちながら日常性を大切にしていること」や 「未来志向で豊かな想像力があること」を大事にしている方にパートナーとして協力いただきたいと思っていました。
「ブルーボトルコーヒー」は、ニュウマン新宿・ニュウマン横浜への出店以来、さまざまな取り組みを共に行ってきました。コーヒー体験を通じて、その街にどのように貢献できるかを常に模索しており、私たちの理念と強く共鳴する企業でもあります。
——オフィスエントランスに、フラワーショップの「ニコライ バーグマン」が出店することが印象的です。
岸 有恵さん:コーヒーとはまた違った日常性を持つコンテンツとして、お花を取り上げました。
また、ニコライ・バーグマンさん自身がデンマーク人でありながら日本を拠点に事業を展開しており、日常的に日本と世界を行き来し、国々の文化を大切にされながら、お花を通じて独自の世界観を表現されている点が、まさにこの街が目指す「グローバルゲートウェイ」を体現している方だと思いました。我々のまちづくりや未来への考え方に共感していただき、先行オープンを共創するに至りました。ニコライ・バーグマンさんと日本と世界の文化を融合することで未来の生活価値づくりに挑戦し、エントランスの在り方を創造していきたいと考えております。
住民に寄り添ったまちびらきイベントも開催
2ショップの先行オープンにともない、まちびらきのイベントも開催されます。3月29・30日の2日間は「Symphony of the Nature」、5月のゴールデンウィークには「Hello,new me!親子の世界広がるマーケット」をテーマに、南北300メートルに伸びたマーケットがにぎわいを演出します。物販やキッチンカーの展開だけでなく、300メートルのエリア全体で過ごす体験価値を意識し、空間演出にもこだわった新しいマーケットとなるようです。
——まちびらきイベントの目的やコンセプトを教えてください。
池田 尚人さん:まちびらきのイベントは、「この街の賑わいづくり」と、「住民の方々にとって、この街に対してこれまで以上に誇りと愛着を持っていただけるか」という部分が重要になると考えています。
今回のマーケットを、駅側や施設の中ではなく多くの方々が住む泉岳寺側に街の外に染み出す形で展開されるというのがポイントですね。これは我々が、このまちびらきイベントを「これから一緒に街をつくっていきたい」と住民の方々にお披露目する場だと考えているためです。このイベントが、住民の方々の記憶や思い出に残り、想いを紡ぎながら共につくっていく第一歩にしていきたいと考えています。
ニュウマン高輪は序章
今後期待されるアップデートとは?
——最後に、2026年春のグランドオープンに期待することを教えてください。
鈴木:ニュウマン高輪の規模を最大限に活かし、一見すると相反して見える役割を担える場所に成長することを期待しています。
高輪や品川周辺は、港区の人口の半数以上が住んでいるにもかかわらず、商業空白地帯と呼ばれています。そんな地域の方々の生活に不可欠な機能になるという「地域性」と、羽田空港までのアクセスがよく日本の玄関口の一つとして、日本の価値を世界に提供できる場になるという「国際性」。この二つの側面が両立するようなイメージです。
ターミナル駅でありオフィス機能もあるなど「効率性」が存在する一方、体験価値や滞在価値を感じる「効率性を求めない場所」が存在しているということ、サステナブルなど社会性の高い活動を、事業性のある経済活動を通して楽しく実践していくということも同じですね。
ニュウマン高輪のグランドオープンは、100年先に向けてアップデートが繰り返されるTAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)のまちづくりの序章でしかありません。今後、多くの方がこの街に集まってきて、次世代に向けた価値をどんどん新たにしていけるようにするために大切なことはやはり「共感」です。2026年のグランドオープンで、共感をつくる礎の最初の一歩が感じられるとよいなと思っています。
鈴木 和馬(すずき・かずま)
1998年、東日本旅客鉄道株式会社入社。2年目以降、一貫して生活サービス事業に従事し、エキナカ商業施設や駅ビルのプランニング、テナントリーシングを担当。東京駅の「グランスタ」や「ニュウマン新宿」等の開業に携わる。2020年に東日本旅客鉄道株式会社に復帰し、高輪ゲートウェイ開発の全体構想を整えたのち、現在はルミネに出向し、執行役員/品川開発プロジェクト開業準備室長 兼 ニュウマン高輪店長として「ニュウマン高輪」の開業準備を担当。
岸 有恵(きし・すみえ)
2003年、新卒でルミネに入社。ルミネ大宮の営業部に配属。その後本社業態マネジメント部に異動し、各店のショップリーシングや「ニュウマン新宿」と「ニュウマン横浜」の開発を担当。2022年品川開発プロジェクト開業準備室に異動し、「ニュウマン高輪」の企画立案からショップリーシング、衣料品循環、次世代育成等に携わっている。
大岩 諒(おおいわ・りょう)
2011年、新卒でルミネに入社。ルミネ横浜、ルミネエスト新宿、「ニュウマン新宿」にて主にショップの契約やリーシングを担当。2017年から1年間はニューヨークに駐在し、ルミネの海外広報やアート事業に従事。2022年品川開発プロジェクト開業準備室に着任し、「ニュウマン高輪」の企画立案、リーシング、編集エリア推進等に携わっている。
池田 尚人(いけだ・なおと)
2015年、新卒でルミネに入社。ルミネエスト新宿、ルミネ立川にて主にショップの契約やリーシングを担当。2022年品川開発プロジェクト開業準備室に着任し、「ニュウマン高輪」の企画立案、リーシング、街との共創等に携わっている。
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