アマチュア女子テニスの最高峰大会として知られる「ソニー生命カップ全国レディーステニス大会」。第47回大会を迎えた2025年は、12月3~5日に全国決勝大会が開催され、前年に引き続き東京都代表チームが見事優勝を果たした。毎年、数々のドラマを生み出す本大会の魅力とは? 同チームのプレイヤーと、東京都大会を支えたソニー生命のライフプランナーに話を聞いた。
チームで挑む、テニスの聖地・有明
「ソニー生命カップ全国レディーステニス大会」は、満25歳以上の女性が参加できるダブルスの大会。都道府県大会を勝ち上がった上位3組が都道府県代表チームを組み、団体戦トーナメント方式の全国決勝大会へ進出する。
47回目の2025年は、6月下旬に都道府県大会がスタート。No.1、2、3のペアがチームを組んで挑んだ決戦の場は、国内有数の競技施設である有明テニスの森公園(東京都江東区)だ。
この「テニスの聖地」で迎えた大会最終日の12月5日、決勝戦で福岡県代表を3-0で制したのは東京都代表。2大会連続15度目の優勝という快挙を成し遂げ、3日間にわたる決勝大会の幕を下ろした。一方、3位決定戦では千葉県代表が長野県代表に2-1で勝利。どのコートでも手に汗握る熱戦が繰り広げられ、ファイナルセットの10ポイントマッチタイブレークにもつれこむ大接戦もあった。観客はもちろん、試合を終えたプレイヤーたちも大きな声援を送り、多くのドラマを生んだ。
そんな6カ月にわたる大会を振り返ったのは、東京都代表チームのNo.2ペア、山口凪さんと鈴木南帆さん。本大会への思い、プレイヤーならではの醍醐(だいご)味などを語ってくれた。
全国優勝の決め手は「信頼」。チームへの応援も勇気に
「ソニー生命カップ全国レディーステニス大会」には今回が初出場の山口さんと、第46回東京都大会に出場経験のある鈴木さん。2人とも、親御さんがテニスをしていたことをきっかけに興味をもち、幼少時代にテニスを始めたという。同じ区内でプレーしてきた2人だが、ペアを組むようになったのは2年ほど前のことだった。
「同じ地区でテニスがうまくて、笑顔で楽しそうにプレーする人がいたんです。それが南帆(鈴木さん)。雰囲気もすごく良かったので一緒に組みたいと思って、共通の知人に紹介してもらいました。半ば強制的に(笑)」と山口さん。その言葉に照れながらも、「私も(山口)凪さんと組むことができて良かった。頼もしいし、何をしても許してくれる安心感があります」と振り返る。
その思いは、山口さんも同じだ。試合で大きなミスをしても、鈴木さんは笑って許してくれるという。最近では「それ、ミスっちゃダメですよ~」とポジティブな励ましに変えてくれて、「それが逆にありがたい」と感じるそうだ。
そんな2人が全国決勝大会に挑むときの姿勢は対照的。大会が始まる前から東京は強豪との呼び声が高く、チームでも優勝を目標としていたため、山口さんはプレッシャーを感じていた。それでも「私はできる! やれる! やるしかない!」という強い気持ちで自身を鼓舞していたという。一方、「いつもと同じように試合に挑もう」と考え、普段どおりに生活していた鈴木さん。緊張はしていたものの、全国という場で戦うワクワク感の方が勝っていたそうだ。
それでもやはり、全国の壁は厚く感じられたのか、2人とも「どの試合も接戦でしんどかった」と口を揃える。特に、福岡県代表との決勝戦は「ちょっとでも気を緩めたらすぐにいいボールが返ってくるので、1秒たりとも集中力を途切れさせられない状況でした」と山口さん。その接戦を制することができたのは、チームメイトや会場からの声援があったからだった。「応援してもらうのは、すごく力になります」という鈴木さんの言葉に、山口さんも「試合を終えたメンバーがベンチに入って、自分のプレーに不安になったときに『やりたいことをやりな』と声をかけてくれました。まわりからの応援も、頑張ろうという勇気になりました」と続ける。そんな仲間との絆の深さを感じさせるエピソードのとおり、チームは全員、ペアの垣根を越えて仲がいいという。互いに理解し、尊重しあえること。これもまた、彼女たちが強い理由のひとつだろう。
実際に、東京都代表チームの他のプレイヤーたちに話を聞いても、言葉の端々に仲間に寄せる信頼感や周囲への感謝の気持ちが表れている。No.1ペアのひとり、玉井沙英さんは、「私たちペアの合言葉は『後悔なくプレーしよう』。都大会から、パートナーの思い切りの良さに何度も背中を押してもらいました。全国決勝大会の決勝戦では心が何度も折れかけていましたが、チーム東京のために勝ちたいと強く思えたのは、たくさんの方々の応援があったから」と感じているそうだ。
また、No.3ペアの手嶋早百合さんによると、「優勝は個々の強い意志と、堤恵子監督が私たち一人ひとりにしっかり向き合ってコミュニケーションを取ってくださった結果」。今大会前は、出産後で体力が落ち、試合の感覚を取り戻すのにも苦労したとのことだが、「ペアを組むパートナーを信じて全試合楽しくプレーできました」と語る。同ペアの梁川紫織さんも、「決勝でNo.1、2、3ペアみんなで勝ったとき、うれしいよりも『ありがとう』という気持ちが強かった」。続いて言い切った「優勝の決め手は、信頼によるものです」は、大いにうなずける言葉だろう。
“テニスが好き”プレイヤーの情熱を支える活動
全国決勝大会に向けて熱戦が繰り広げられる都道府県大会で、プレイヤーたちを支えるのがソニー生命のライフプランナーだ。今回、東京都大会で支援活動を行ったソニー生命 新宿ライフプランナーセンター第1支社第1営業所の後藤慈久さんと池澤暉さん、そして同支社第3営業所の蔭山智之さんに、活動の内容やプレイヤーたちに寄せる思いを聞いた。
東京都大会の支援活動には、支社内で希望したライフプランナーたちが参加し、予選会場で準備や運営をサポートしている。自身もテニスを楽しんでいることから、参加の手を挙げたのは蔭山さんと池澤さん。蔭山さんは活動の合間に試合を見ると、プレイヤーたちの喜びや悔しさがよく伝わってくるそうだ。「そんなひとつひとつの場面を共有したい」との思いから、支援活動を始めて4年が経つ。
池澤さんは2025年が参加3年目。多くのプレイヤーが試合を繰り広げる姿や大会の盛況ぶりから元気をもらえるという。その思いは後藤さんも同じ。テニスの経験はないが、「力になりたい思いがあれば参加できる」と知ったのがきっかけだそう。支援に携わり、早くも7年になる。
支援活動のひとつであるかき氷を提供し、プレイヤーが試合の合間に心から喜ぶ姿も、参加への原動力になる。プレイヤーたちに聞いても、かき氷は猛暑の中で行われる都大会を乗り切るうえで欠かせないという。東京都代表チームの山口さん、鈴木さんも「本当に助けられました」と感謝を口にする。後藤さんは、シロップをたっぷりかけて提供し、「毎年食べるのを楽しみにしています」などと声をかけられるそう。さらに、かき氷でほころぶ顔とは対称的な、テニスに本気で打ち込む姿勢を見て、「メリハリのつけ方を学べるので、私も仕事やプライベートでそうありたいと思います」と語る。
プレイヤーがテニスに対して真剣に向き合う様子に、蔭山さんは、「みなさん、テニスをすることが生きがいだと感じますし、勝負の1ポイントにかける思いがひしひしと伝わってくる」そうだ。そんな彼女たちと試合のシーンについて会話することで、大会の世界観をより近くで体感できるという。池澤さんは、「プレイヤーの方々からは、“テニスが好き”という情熱を感じます。大会の活動は、ライフプランナーとして『人の役に立ちたい』という初心に返ることができ、他の支援活動に参加する一歩にもなりました」と前を向く。
「テニスが生きがい」今年の戦いに高まる期待
女子アマチュアテニスのプレイヤーがしのぎを削り、日本一のチームを決める「ソニー生命カップ全国レディーステニス大会」は、プレイヤーとサポーターのどちらから見ても魅力のある大会だ。
東京都代表チームの山口さんは、テニスを通じて異なる世代と交流でき、一緒にプレーする時間が生きがいのひとつだという。「大会の楽しさを多くの方に伝えたいので、エントリーしてもらえるとうれしいです」。鈴木さんも「全国有数の大会で、優勝という同じ目標に向かって仲間とテニスができる環境を味わってほしい」と続ける。さらに、他の代表メンバーからも、「ここまで気持ちを入れてプレーし、声が枯れるまで応援したのは学生以来。あらためて『テニスが好きだ!』と感じる素晴らしい大会です」(玉井さん)、「青春は10代の特別なものと思っていたけれど、ここにもありました! 20~60代の友人が日本各地にできました。たくさんの仲間に出会えて、精神的にも大切な事を学べる、プレイヤーが輝ける場所です」(梁川さん)といったメッセージも寄せられた。
「ソニー生命カップ第48回全国レディーステニス大会」ではどの都道府県が47チームの頂点に立つのか。アマチュアテニス最高峰の“熱い”戦いに今から期待が高まる。