江戸の伊勢参りで人気、紙製たばこ入れを復刻 三重

菊地洋行
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 和紙にしわや凹凸をつけ、動物の革のような風合いに加工した擬革紙(ぎかくし)。江戸時代に伊勢参りの土産物として人気を博した擬革紙製たばこ入れを、市民団体が当時の姿で復刻し、活動拠点の一つ、三重県明和町に贈った。世古口哲哉町長は「特産品として多くの人に見てもらう」と活用を約束した。

 擬革紙は江戸時代、現明和町の商人が長崎を通じて欧州から輸入された装飾革をまね、油紙を加工して開発したのが始まり。神聖な場所に動物の革を持ち込むのは良くないとされ、擬革紙のたばこ入れは伊勢神宮参拝客の土産品として大人気となった。

 そのたばこ入れを復刻したのは、玉城町下田辺に工房を構える「参宮ブランド擬革紙の会」。会長の堀木茂さん(72)は、擬革紙を開発した商家の子孫。明和町の伊勢街道沿いに「まちかど博物館」を構え、収蔵品の江戸~明治時代のたばこ入れを参考にした。

 擬革紙は明治時代には輸出もされて高い評価を得たが、昭和時代に入ると石油化学製品に押されて衰退し、製法も途絶えてしまった。2009年、擬革紙を復活させようと、有志による会が発足。専門家の助言を得て13年に製法を復活させ、県指定伝統工芸品に認定された。

 明和町が4月、擬革紙の技術伝承と普及啓発を専門にする、大阪府出身の北田智里さん(35)を地域おこし協力隊員として雇用したことで堀木さんらの負担が減り、「構想していた江戸風たばこ入れを復刻できた」(堀木さん)という。

 参宮ブランド擬革紙の会は現在、15人。名刺入れやバッグなどの製品や、伊勢擬革紙と銘打って販売もしている。詳しくは同会ホームページ(//http://gikakushi.jp/別ウインドウで開きます)へ。

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この記事を書いた人
菊地洋行
和歌山総局|新宮・熊野地区担当
専門・関心分野
地域の話題、国際情勢