「お金持ちになりたい」と言った少女へ いつか伝えたい言葉
シリアをまた行きたい国にする――。
NPO法人「Piece of Syria」(大阪市)の代表・中野貴行さん(41)はそんな思いから今年2月、10年以上内戦が続く中東・シリアで幼稚園の運営を始めた。活動の原点は、「お金持ちになりたい」と言った少女との出会いだった。
食が細く、給食をよく残す小学生だった。高学年の時、飢えたアフリカの子どもの写真を本で見た。
「自分は食べ物を残すのに、世界には食べられない子がいる」。自分との落差に驚き、国際協力を志すようになった。
協力隊で派遣「良い国に行ける」
シリアを初めて訪れたのは、大学4年の夏休みだった。
隣国のトルコに暮らす友人に会うついでに、シリアにも足を運んだ。道に迷うと親切に案内をしてくれる現地の人たちに、好感を持った。
だからこそ、大学卒業後の2008年に国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊でシリアへの派遣が決まった時は、「良い国に行ける」と確信した。
派遣されたのはトルコ国境の近くのマンビジュ。母子保健のプロジェクトに関わった。
産前と産後の検診の推奨や、出産を最低でも3年間隔にするための啓発活動などを進めた。
「突然現れた日本人の言うことを聞いてくれるわけがない。だから、最初の1年間は『お前が言うなら』と言ってもらえるような人間関係を築くことに徹しました」
道ばたでうろついているとバス停まで連れて行ってくれる知らない人、「おなかがすいた」と家を訪問するとご飯を作ってくれる友人……。人の温かさに包まれて暮らす日々だった。
少女の夢、その理由に驚いた
現地の小さな村で活動をするなか、12歳の少女と出会った。仲良くしていたシリア人家族の三女だった。
アラビア語を教えてくれたり、簡単な日本語を教えたり。母子保健の啓発のためのポスター作りも積極的に手伝ってくれた。
「私が日本語をしゃべれば、あなたが少しリラックスできるでしょ」。そんな言葉をかけてくれる少女だった。
ある日、その少女に夢を聞いてみた。
「お金持ちになりたい」…













































