フランス全土で農家がEU規制に抗議 道路封鎖相次ぎ物流や交通混乱

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仏北部ボーベ=宋光祐 ブリュッセル=牛尾梓
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 欧州連合(EU)の環境規制をめぐり、フランスの農家による抗議デモが拡大し、高速道路がトラクターで封鎖される事態が相次いでいる。欧州各地では近年、農家による抗議が頻発している。6月の欧州議会選に向けて、右翼政党が農家の不満を支持につなげようとする動きも出ている。

 牧場や畑に囲まれた仏北部の町ボーベ。近隣の農家ら約100人が23日早朝、約50台のトラクターを集結させ、パリ方面に向かう高速道路を封鎖した。集まった農家の多くはトラクターの中で寝泊まりしながら、数日かけて首都パリに移動する計画だという。EUによる環境規制の緩和を求めて政府に圧力をかけるのが目的だ。

 EUの行政府にあたる欧州委員会は2019年、気候危機を背景に環境保護や温室効果ガスの削減を加盟国に促すための戦略「欧州グリーンディール」を打ち出した。生物多様性の保護などを目的に農地の一定割合を休耕地にすることや農薬の使用削減を定めた内容で、大きな負担を強いられる農家の不満の原因になっている。

 抗議デモは18日、南西部トゥールーズ近郊で始まり、日を追って拡大してきた。仏メディアによると、24日には少なくとも全国60カ所でデモが発生。25日もトラクターに乗った農家が各地で高速道路や幹線道路、町の中心部を占拠し続けており、物流や交通に大きな混乱が生じている。

 180ヘクタールの農地でサトウダイコンを栽培するブノワ・ボイヤンバルさん(50)も同日朝、トラクターに乗ってデモに駆けつけた。「現実的な代替策がないまま規制だけが作られており、このままでは農業ができなくなる。EUの環境規制にはもううんざりだ」と憤りをぶちまけた。

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この記事を書いた人
宋光祐
元パリ支局長
専門・関心分野
人権、多様性、格差、平和、外交

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