安芸高田市長が不出馬へ 官民連携の改革、市長選で問われる是非

柳川迅
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 広島県安芸高田市の石丸伸二市長(41)が10日の臨時記者会見で、7月21日告示の市長選に立候補しない考えを明らかにした。就任当初から対立した市議会との関係は修復不能な状況にある。若手市長が掲げた「改革」の是非が、次期市長選で問われることになる。

 石丸市長は会見で、「議会が大々的に否決したのはあの二つぐらい」と語った。「あの二つ」とは、一般公募した2人目の副市長の選任案と、「道の駅三矢の里あきたかた」に民間企業が運営する「無印良品」を出店させるための予算案だった。

 副市長の公募は、石丸市長が「変革を起こすための攻めの要」と位置づけた肝いりの政策だった。選ばれたのは、官民連携のコンサルティング業務で豊富な実績を持つ30代女性。市議会でも評価する意見があったが、賛成少数で否決となり、その後の再提案、市長の求めた再議でもくつがえらなかった。ツイッターで積極的に情報発信する市長の手法などに、反対した市議たちは「いきなりツイッター発信。相談がない」などと反発を募らせていた。否決は「感情的なしこりが最大の要因」という見方が市議会の大勢だった。

 無印良品の出店は、道の駅に入っていた市観光協会が解散して空きスペースとなっていた場所を活用するものだった。東京に本社を置く運営企業と市が協定を結び、同店を拠点に地域資源を活用した商品開発などを進めようとするもので、石丸市長は市内外からの集客や地元産品の販路拡大により、多大な経済効果が見込めるとしていた。

 しかし、施設改修の設計費など関連予算450万円を市長が専決処分したことに議会側が反発。「独断と専行を許すわけにはいかない」などとして、改修費を削除した修正予算案が賛成多数で可決された。

 市議会の多数派は市長から事前に説明がないことを問題視。市長の改革案に理解を示した議員との溝も深まり、副市長への民間女性登用も、無印良品の出店案も頓挫した。

 石丸市長は臨時会見でこう話した。「政治の成功も失敗も全部有権者に帰する。市長を選んだのも市民ならば、議会を選んだのも市民」。石丸市長は他の自治体の首長選などへ立候補する考えを示した。

 市長選には新顔で元郵便局長の藤本悦志氏(51)が、無所属で立候補すると表明している。藤本氏は石丸市政について「市議会や市民との対話が少ない。ギスギスした状況を何とかしてほしいという声が強くなっている」と批判している。

 市長選告示まで残り2カ月余り。今秋には市議選も控える。現職の不出馬を受け、新たな候補を擁立する動きが注目される。

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