朝日 地球会議2019特別協賛企業・団体による 特別講演・登壇

朝日 地球会議2019 特別協賛企業・団体による 特別講演・登壇 広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局

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パネル討論
待ったなしの気候変動対策 世代を超えて危機意識の共有を
石村 和彦
旭硝子財団 理事長
AGC 取締役 兼 会長

環境に対する危機感を「環境危機時計」で表現

旭硝子財団は1933年に設立された財団で、1992年から「環境危機時計」という取り組みを行っています。今日はこの調査結果から分かる全体の環境意識についてご紹介したいと思います。まず地球環境を守るためには、世界の人が環境問題について共通の認識を深め、協調関係を育むことが重要です。この認識のもと、世界各国の有識者の代表に対して、地球環境問題に関するアンケートを実施しています。それと並行して、旭硝子財団では同じ1992年からブループラネット賞を創設しました。各国が人類の存続に対して抱いている危機感を「環境危機時計」とし、毎年9月に発表しています。

「環境危機時計」では12時になるともう地球が後戻りできない、いわゆる環境破壊になってしまうことを示しています。そのうえで「いま何時だと思いますか?」と世界中の人々に問うているわけです。1992年は7時49分ということで、少し不安を抱いている程度だったのですが、それがどんどん悪化していき、昨年はついに史上最悪の9時47分、きわめて不安な状況だという結果が出ました。今年は1分だけ戻ったものの、ほぼ同じで、9時46分という結果。アンケート回答者の多くが、地球環境に対してきわめて高い環境危機意識を持っていることが示されました。

次に地域ごとの意識の違いですが、今年の結果を見ると、アジアでは昨年より少し良くなっています。昨年は中国で環境に対する危機意識が高まったのですが、今年はその反動で、「環境危機時計」が少し戻ったと考えられます。他の地域では昨年より時計が進んでおり、とりわけ西欧、北米につきましては10時を超えていて、さらに高い危機感を持っていることが分かります。この二地域ではドナルド・トランプさんが大統領に就任した2017年以降、針が進んでいます。日本はこの二地域ほどではありませんが、毎年悪化している傾向にあります。

「環境危機時計」の結果をもとに議論してほしい

世代別の回答内容を示したグラフによると、2011年のときは20代、30代の若い世代がまだ8時半くらいでそれほど意識レベルが高くなかったのですが、その当時でも60代の人は9時半くらいを示していました。その後、60代以上の人の間ではゆるやかに危機意識が醸成されていったようですが、それに対して20代、30代の意識レベルはあまり高くありませんでした。ただ最近は20代、30代でも急速に危機意識が高まってきています。

次に世代別の関心事です。環境問題といっても気候変動や生物多様性、水資源の問題、人口問題と、いろいろな分野があります。40代以上の方の環境意識は、多くの部分で気候変動問題が占めていますが、それに対して20代、30代の方は気候変動だけにとどまらず、多様な意識を持っています。

もう一つ、「環境危機時計」のアンケートでは、何時か?とだけ聞くのではなく、一般の人の意識レベルが高くなっているか、政策や法制度は進化しているか、資金・人材・技術・設備が進化しているか、という質問も同時にしています。この質問に対し、日本の結果は「どちらともいえない」という回答に集中しています。他の地区、たとえば韓国は、「資金・人材・技術・設備が進化していない」とはっきりとした問題意識が表明されています。ひょっとすると日本の人々は、他の国よりも環境に関心が少ないのか、本当にどちらとも言えないと思っているのか、少し危惧する点もございます。

朝日地球会議 環境 その先へ 接続可能な社会の実現 The Environment and Beyond~Towards a Sustainable Society 公式サイトはこちら