朝日 地球会議2019特別協賛企業・団体による 特別講演・登壇

朝日 地球会議2019 特別協賛企業・団体による 特別講演・登壇 広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局

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特別講演
人類の寿命―パンドラの箱は開かれた?―
菊地 哲
伊藤忠テクノソリューションズ 代表取締役社長

私たちはパンドラの箱を開けてしまった

今回の朝日地球会議の大事なテーマの一つは、SDGsでもESGでも中心となる「持続可能性」です。持続可能な発展の分かりやすい定義は、「将来世代のニーズを損なうことなく、現世代のニーズを満たす発展」で、ブルントラント委員会というところで定められました。1984年に国連が持続可能を考えて開いた最初の委員会です。その委員長がグロ・ハーレム・ブルントラントというノルウェーの女性で、この後ノルウェーの首相になっています。

私が個人として持続可能性を最初に強く意識したのは社会人になってすぐの23歳のときでした。1976年の当時、エネルギー分野の部署に配属され、読んだ本のなかでは「石油の可採年数は35年」と書かれていました。大事な石油が無くなるなんて本当に私たち人類の将来は大丈夫なのかと心配になりました。ところが時を経ても可採年数が減りません。去年の段階では「あと50年」とも言われています。もちろんこの約40年の間、私たちはずっと石油を使い続けています。可採年数は可採埋蔵量をその年の掘った量で割ったもので、可採埋蔵量は、技術的、経済的に採掘できる石油ということですから、技術が発達すると当然、増えていきます。それでは、いったいいつまで持続できるのでしょうか。調べてみれば、コンサバティブな見方で150年程という統計があり、実際にはもう少し長く採掘できるのかもしれません。いずれにせよ、現在のペースで石油資源を消費し続ければ、「石油」を中心とした私たち人類の寿命は2、300年となるでしょう。

パンドラの箱という言葉を皆さんご存知だと思います。これはギリシャ神話で、パンドラは人類最初の女性です。神様は彼女を地上に送り込むときに「絶対に開けてはいけない」と箱を持たせました。案の定、彼女は好奇心に負けて開けてしまいます。箱の中からは災害や貧困、犯罪など、世の中の悪い物すべてが出て来てしまい、あわてて閉めたものの、中に希望だけが残った、というお話です。

私たちは19世紀に石油というパンドラの箱を開けてしまっていると言えます。さらに20世紀にはコントロールの難しい原子力も使い始めました。それでは今から昔に戻ることができるかというと、頑張ることはできても、簡単なことではありません。だからこそ今、ITというものを駆使して問題を解決していかなくてはいけない、私たちはそういう立ち位置にいると思っています。

地球と人類の未来を守る「意志」と「倫理」

私が代表を務める伊藤忠テクノソリューションズは、IT全般にかかわるビジネスを展開しています。その中でも、風力発電や太陽光発電の30分後の発電量を正確に予測するサービスを提供しています。風力発電は風がやむと発電量がなくなりますし、太陽光発電は太陽に雲がかかるとガタッと落ちてします。電力は需給のバランスを取らなければならず、その他の電源を含めて調整するために、発電量の予測が役立っています。再生可能エネルギーの普及と安定利用には、このように様々なテクノロジー(IT)を駆使していかなければなりません。

さて、再びパンドラの箱について考えてみましょう。今、新聞紙面を含めて、サイバー攻撃、AI兵器、シンギュラリティなどのニュースを目にする機会も多いと思います。つまり、私たちは、「IT」という3つ目のパンドラの箱を開けてしまったのかもしれません。「AI倫理」という言葉も聞くようになってきましたが、エネルギーの問題もITの問題も、今私たちは、地球と人類の未来を守る「意志」と「倫理」が試されているのだと思います。使い方次第で良くも悪くも社会に大きな影響を及ぼすという認識で、豊かな社会のために倫理観をもってITを使用することを忘れないようにしています。

最後に、エネルギーの将来について私は明るい希望を持っています。空には膨大なエネルギーを放出し続ける太陽があり、足元には熱く燃えたぎるマグマがあります。今はまだ、コストが高いとか、技術が足りないとか、いろいろ課題はありますが、クリーンなエネルギーという点でもどんどん使っていくことになると思います。

朝日地球会議 環境 その先へ 接続可能な社会の実現 The Environment and Beyond~Towards a Sustainable Society 公式サイトはこちら