地球会議2020

新しい未来のための5日間
Five Days for a New Future

広告特集 企画・制作
朝日新聞社メディアビジネス局

特別講演

エネルギー×ICTによる持続可能な社会の実現

エネルギー×ICTによる
持続可能な社会の実現

岡 敦子

NTT 執行役員 技術企画部門長

気候変動とNTTグループの取り組み

今年の夏は、とても暑かったですよね。浜松市中区では、歴代の最高気温ランキング1位タイの41.1度を記録し、歴代20位の中に今年は4カ所もランクインしました。もしも温暖化対策を実施しなかった場合、気温は2100年までに平均4.4度上昇し、厳しい温暖化対策を今実施したとしても平均1.1度は上昇してしまうので、何らかの手を打たなくてはいけません。

気温上昇に伴う影響の例の一つが、極端な降水です。1時間の降水量50mm以上の年間発生回数は、1990年代からの10年間は年平均で258回でしたが、最近の10年間は年311回と約1.2倍になっています。災害頻度の増加のみならず、災害の大規模化・広域化によって、サービスの影響エリアや復旧に要する時間も拡大してしまいます。そこでNTTグループでは、被災電柱の復旧、バックアップ電源、移動電源車による電力供給などを踏まえて、できる限り安定した通信インフラをご提供したいと考えています。

地球温暖化が進行し、自然災害も増加・長期化する中で、再生可能エネルギーを活用して環境保全や循環社会の実現を考え、増加する自然災害へのレジリエンス(対応力)を強化していく必要があります。私たちNTTは、エネルギー×ICTを通してこれらの課題を解決できるのではないかと考えています。

NTTは全国7300カ所の電話局ビルに計410万kWh(3万7500台)の通信用の蓄電池を設置しており、非常時にバックアップの拠点としての活用を想定しています。

次にNTTが保有する技術として、アナログの電話用設備において、NTTの局舎からお客様のご自宅への通信線に、一定の電圧の直流電源を設置しています。昔、黒電話は電源コンセントに何も差すこともなく、受話器を上げるとそのまま電話を掛けられたと思います。こういった直流で動作する機器もデータセンターなどには多く、直流給電を実施することで省エネルギーを実用化していきます。

NTTは1962年から太陽光発電事業を手掛けており、現在はグループ会社が再エネ電源普及の推進を行っています。そして、再生可能エネルギーや蓄電池の技術、EVカーなどを、ICTを使って情報ネットワークでつなげ、活用していくことを目指していきます。

スマートエネルギー事業の新会社とEV化の推進

昨年6月、NTTアノードエナジーという会社を設立しました。この会社はエネルギー流通を補完する新たな仕組みを創り上げ、持続可能な社会の実現を目指しています。実際に取り組む事業は(1)バックアップ電源事業、(2)バーチャルパワープラント(仮想発電所)事業、(3)グリーン電力発電事業、(4)電力小売事業、(5)新サービス事業です。

具体的な取り組み例として、千葉市のモデルが挙げられます。東京電力ホールディングスとTNクロス、そして私どもが、お互いの技術や設備を互いに活用してレジリエンスを強化し、スマートエネルギーシティの取り組みを進めるものです。

「避難所のバックアップ電源支援」は、太陽光発電パネルを屋上に設置して、普段は自分たちで利用します。余剰電気を蓄電池に給電して貯めておき、いざという時に使うことで、たとえば補助金を活用して設備の設置を効率良く行うことができます。

「バーチャルパワープラントの事業」においては、エネルギーマネジメントの需給調整を行います。電気を作りすぎたり足りなくなったりするのをうまく調整し、コスト削減等に生かしていきます。また、日本全国のエネルギー需給状況を見ますと、地域のアンバランスの調整にICTが活用できると考えており、AI等を用いた自律的・最適な制御も今後検討していきます。

「グリーン電力発電事業」では、太陽光や洋上・陸上の風浮力発電だけではなく、地産地消の電源として、小規模の太陽光や地熱・バイオマス、小水力などの再生可能エネルギーをしっかりと拡充していきたいと考えております。

電力を地域全体で使ったりレジデンスを強化したりするためには、多くの方と連携して課題を解決し、効果を上げることが必要です。北九州市、山口市でもパートナーとの事業を進めており、今後も協力連携による取り組みを増やしていきたいと考えています。

ESG経営を推進するために、NTTグループは2018年にイギリスのNPO団体THE CLIMATE GROUPのビジネスイニシアティブ、EV100、EP100に加盟いたしました。NTTグループの総電力使用量は82.3億kWh、これは日本の総発電量の約1%にあたります。2025年に通信事業のエネルギー効率を約2倍に上げ、消費電力を10%削減することを目標としています。

EV化の取り組みについては、NTTグループでは社用車を1万1千台保有しており、2025年までに50%のEV化を目標にしています。今年5月には「EVコンソーシアム」を立ち上げ、40以上の企業にご賛同いただいています。車両仕様の共通化、脱炭素化の推進、関連情報の共有などの取り組みを進めております。

エネルギー自立に向けた協業の推進

私どもは今年5月に「環境エネルギービジョン」を策定しました。お客様・企業・社会の環境負荷低減への貢献を目指しています。

まず、2030年度にはグループの消費電力量の3割をグリーン電力化していきます。ICT技術等による社会の環境負荷低減については、快適に在宅勤務できるような電話会議やウェブ会議などのITの仕組みを提供しながら貢献していきたいと考えています。

次に、昨年発表したIOWN(Innovative Optical & Wireless Network)構想で低消費電力を実現し、光プロセッサ(光電融合)による電力効率100倍を目指します。ネットワークの中で使われているさまざまな機器などは、まだオール光になっているわけではなく、今後はロードマップを着実に進めていきます。

NTTグループは今年7月、「宇宙環境エネルギー研究所」を設立し、地球環境の再生や持続可能かつ包摂的な社会の実現、次世代エネルギーの技術やレジリエントな環境適応技術の創出を目指しています。たとえば雷充電、人工光合成、気象制御技術へのチャレンジも考えています。

持続可能な社会に向けて、NTTグループはさまざまなリソースやICT技術、そしてパートナーとのさまざまな協業によって、こういった活動を進めていきます。社会的課題は自分たちだけで解決できるものではありません。皆様とオープンな形で課題に取り組んで行きたいと思います。

特別協賛
  • 旭硝子財団
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