慢性腎臓病(CKD)セミナー
広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局

左右に2つある腎臓には動脈が入り込み、血液は腎臓の中を回って静脈に返ってきます。腎臓内部の血管構造は複雑で、最後は枝分かれして糸球体というろ過装置に行き着き、そこで血液から水分をろ過して尿をつくります。糸球体は1つの腎臓に80万〜100万個あります。その糸球体でろ過される量を「糸球体ろ過量(GFR)」といい、腎機能の目安にしています。おおよそのGFRは血液検査の血清クレアチニンから算出することもできます。
糸球体は年齢と共に動脈硬化が進み、だんだんつぶれていきGFRも低下していきます。これは一種の加齢現象です。慢性腎臓病はGFRが60%未満になることを定義の1つとしています。もう1つの定義は尿の異常で、ろ過フィルターの糸球体が障害を受けると蛋白尿や血尿が出てきます。いずれかの状態が3カ月以上続く場合を慢性腎臓病と呼んでいます。60歳以上になると慢性腎臓病と認定される人は多くなります。慢性腎臓病は単に腎臓が悪くなる病気ではなく、心臓病や脳血管疾患の原因にもなり、腎機能が10%を切ると透析療法も必要になります。

糸球体につながる管を尿細管といい、多くの仕事をしています。糸球体がつぶれると尿細管の仕事にも支障が出ます。水分やナトリウムがうまく調節できないとむくみが出ますし、ビタミンDが低下すると骨が弱くなります。カルシウム・リンの調節がうまくいかないと血管が硬くなり、造血ホルモンがつくられないと貧血が起きやすくなります。
慢性腎臓病になると動脈硬化が起こりやすいのは、カルシウムとリンの調節がうまくいかず全身の血管壁が石灰化するからです。したがって、冠動脈が石灰化して詰まると心筋梗塞や狭心症が、心臓弁が石灰化すると心不全が起こりやすくなります。また、糖尿病と慢性腎臓病を両方持っていると、どちらか1つだけの人よりも心筋梗塞の発症率が高くなるとの報告があります。血液中のリン濃度が高い人ほど死亡率、心筋梗塞や心不全の発症率が高いこともわかっています。蛋白尿が出ている人も脳卒中や冠動脈疾患のリスクが高まります。慢性腎臓病の初期は自覚症状がないので、サインとなるGFRや蛋白尿のチェックが大切です。