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2024年1月19日

広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディア事業本部

PR:スコップ・スクール

特集:子どもの"実践的創造力"を伸ばす「正解が無い時代」を生きる子どもたちへ 斎藤幸平さんが考える「これからの教育と親の役割」

「正解が無い時代」を生きる子どもたちへ 斎藤幸平さんが考える「これからの教育と親の役割」

予測困難な社会――

そう呼ばれるこれからの時代を「生き抜く」子どもたちを、私たち親はどのようにサポートすればいいのでしょうか?

ベストセラー『人新世の「資本論」』の著者で東京大学大学院准教授の斎藤幸平さんと、「正解のない問いに答える力」を育むスコップ・スクールの岡本弘毅さんに、これからの教育と親の役割について伺いました。

マニュアルが通用しない時代

——斎藤さんは東大に入学して、半年後にはアメリカの大学に留学されました。高校時代から計画していたそうですね。その理由を教えてください。

斎藤幸平さん
斎藤幸平さん

アメリカの大学に選んだ理由は、クリティカルシンキング、いわゆる批判的思考が重要視されていることを知ったからです。単に新聞や本で読んだ知識を暗記したり、自分の議論の前提や常識を無批判に受け入れるのではなく、論理的に思考する力を育む教育に惹かれました。

——その思考パターンは、「正解のない時代を生きて行く」と言われる現代の子どもたちにも必要な力だと思います。

斎藤さん:そうですね。現代はAI、気候変動、人口減少などこれまで人類が直面したことのない多くの課題を抱えています。これまで社会が直面したことがない問いに対する答えを導き出すには、もちろん、マニュアルを覚えて転用するだけでは対応できません。必要なのは、クリティカルシンキングをもとにして、他の人と対話しながら、問題解決への糸口を見つけるトレーニングが必要になります。

岡本弘毅さん
岡本弘毅さん

そういった考え方は、私も「スコップ・スクール」の保護者の方々にお話しています。1+1=2というように明確に答えが決まっている、その答えを導く力と、X+Yのように正解は多数あるもの、それに取り組む力や、自分なりの正解を導く力その両方を育てる「両輪の教育」です。ただ、この〝両輪〟は上手に回せる子どももいますが、片方だけ、あるいは両方できない子もいます。そのとき、この子たちが将来、何を生業にしていくのか、小さいうちから何をやってあげるのが一番いいのかを、親が考えてサポートすることが必要だと思います。

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「トライ&エラー」の大切さ

——子どもが〝多様な正解のあるものへの取り組みかた〟を学ぶために、親はどのように接すればよいでしょうか?

岡本さん:まずは、子どもの得意なことを見つけて、そこを入り口にすることが大事です。
たとえば、「絵がすごく得意だけど、勉強が苦手」な子どもだったら、描いた絵をほめて、それを言語に置き換えて伝える作業を通じて、勉強で学ぶべき、言語表現を培うこともできると思います。これは、明確な正解、やり方を教えるというのとは違う取り組みかただけれど、身につく力としてはいっしょになるという例です。

でも、子どもが学校に通うようになると、どうしても親は超近視眼的になってしまいます。子どもに対して「自分で考えて動ける大人になって欲しい」と思いながら、テスト結果に目が行くし、「宿題はやったの?」「早くごはん食べなさい!」なんて指示ばかり。これでは自分の特性をいかしながら、力をつけていくということが難しくなります。ここは注意する必要があります。

斎藤さん:いまの日本は、いわゆるコスパ社会になっていて「トライ&エラー」を繰り返すことが難しいです。親が正解の指示を出し、子どもはそれを守るのが当たり前になっています。しかし、与えられた正解を守るだけでは、考える力は身につきません。

以前の子どもは、友だちと喧嘩をしたり、大人に叱られたりしながら、「意見が違う人たちとの付き合い方」、「礼儀」などを学び、自分の欲求との付き合い方を学んでいました。子どもが主体的にトライ&エラーを繰り返しながら、考える癖をつけることが回り道に見えても大切ではないでしょうか。

——最近は「小学1年生から塾に通わないと間に合わない!」なんて考える親御さんもいらっしゃいます。どうしたらそういう風潮を変えて、子どもに〝トライ&エラー〟をさせてあげられるのでしょうか?

斎藤さん:親が子どもを管理したいという欲望を捨てればいいだけですよ。

岡本さん:(笑)。でも、それもなかなか難しいですよね。周りを気にする日本人の特性もあります。他者と比較して、どうしたら相手にマウントを取れるのかを考えてしまいますからね。

斎藤幸平さん(右)の話を笑顔で聞く、スコップ・スクールの岡本弘毅さん

斎藤幸平さん(右)の話を笑顔で聞く、スコップ・スクールの岡本弘毅さん

斎藤さん:テストや通信簿に左右される「競争型」とは違うところで能力を伸ばすことが、私も大事だと思います。「こっちもいいけど、あっちにもこんないいところがあるよ?」と導いてあげられたら、自己肯定感を高めてあげられる。これは子どもにとって大切なことです。

岡本さん:そうですね。そうすれば子どもへの負担(プレッシャー)も減らせると思います。

年齢・格差を是正する「教育コモン化」を

スコップ・スクールの岡本弘毅さん

スコップ・スクールの岡本弘毅さん

——色々な場面で使われる「格差」という言葉ですが、教育の現場でも問題になっています。

斎藤さん:去年ぐらいから「親ガチャ」という言葉も流行りましたが、教育格差はかなり深刻ですよね。たとえば、「国際関係に興味があるから夏休みにインターン」「沖縄の自然でキャンプ」、なんて経験ができるのも経済の面で恵まれているからですよね。

——そこは本当に問題ですよね。

斎藤さん:そのような教育格差を少しでも是正するために、教育の無償化や支援をもっと進める必要がありますが、それを「教育をコモン(=公共財)にする」と呼んでいます。

これは単に教育を無償化するだけの話ではありません。今の大学生は、授業、GPA、バイト、インターン、就活とやたら忙しい。自治会や自治寮も減り、立て看板も禁止され、大学の「自治」に関わる機会もなくなっています。教える側も忙しくて、読書会なども減っていますね。けれども、本来、これこそ大学を「コモンにする」ということなんです。大学の国際化を掲げるのはいいですが、自治の力を奪う、管理だけの教育では世界に通用する力は伸ばせないですよね。

東京大学大学院准教授の斎藤幸平さん

東京大学大学院准教授の斎藤幸平さん

――大学入試でいうと最近、多くの私立大が「やりたいことを探求する力がどれだけあるのか」を問う総合型選抜を採用しています。子どもの「探究心」を伸ばす学びも大切です。

斎藤さん:ドイツの幼稚園では、年少から年長まで同じ部屋で一緒に生活しています。「部屋にどんなおもちゃを置くか」ということも園児たち話し合って決めるんです。「このおもちゃはみんながよく遊ぶから置いておきたい」とか「あのおもちゃは長い間置いていたけど使わなかった」ということを、彼らはみんなで話し合っている。そういう日常的な教育が、主体性を育んでいくんじゃないかと思います。

岡本さん:私たちが運営する「スコップ・スクール」も、低学年のうちに学ぶ読み書きなどの基礎学力の違いは進行上大事なので、1‐2年生クラスと3‐6年生クラスに便宜的に分けていますが、大きな考え方として、いろいろな学年の子どもが同じ教室で学ぶ「学年混合プログラム」です。学校教育では「学年」の違いが重視されますが、社会に出ると学年も学歴も関係ありません。学年を分ける必要はないというのが我々の考えです。

そういった共同学習の場で、その時々に相応しい表現物をつくるワーク・・・絵を描くことも、ものをつくることも、文章で書くこともありますが・・・と、それを発表したり、発表に対しての感想を言ったり、ディスカッションするワークの2つを軸に進めています。発表などをワークに組み込むことで、「相手にどうすれば伝わるかというとこまでを考えさせる」のが、私たちの狙いです。たとえば、表現物は6年生より3年生のほうが優れているとか、でも、言語化して伝える力は、まだ及ばないな、とかお互いにいろんな気づきがあると思います。

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新しい価値観、まずは大人から

スコップ・スクールのプログラムについて岡本弘毅さん(左)に質問する斎藤幸平さん

スコップ・スクールのプログラムについて岡本弘毅さん(左)に質問する斎藤幸平さん

——子ども同士の対話と同じく大事なのが、「先生」の存在です。スコップ・スクールではさまざまな分野の第一線で活躍する「プロナビゲーター」が登場する映像を使って、現場の先生が授業を進行していますよね。

岡本さん:「建築家」「恐竜学者」「ラッパー」などユニークな職業の方々が「プロナビゲーター」を務めています。そういう職業の人と会う機会って、なかなかないですよね。特に地方に住んでいると。

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斎藤さん:(スコップのプロナビゲーター陣を確認しながら)この整体ボディーワーカーのおじさんが凄い人なんだって知るのも、良い経験ですよね(笑)。「こんな先生もいるんだ!」っていう衝撃。

岡本さん:そうなんです。さきほど地域「格差」が話題になりましたが、「画面に登場するプロナビゲーター」と「現場で子どもをサポートする講師」という全国共通の授業スタイルにすることで、情報格差も発生しません。画面を通していろんな先生(プロナビゲーター)に出会い、手を動かしながら体験や話し合いを重ねて学んでいくことで、自分で考える力やみんなと話し合って決める力を育んでいきます。

――さきほど岡本さんが「1+1=2のように決められた答えを導く能力」と「X+Yのように答えが多様なものに自分なりの答えを出す能力」を育てることを「両輪の教育」とおっしゃいました。前者の考え方が圧倒的に強い日本で、後者の重要性を保護者にどう伝えればいいと思いますか?

斎藤さん:私はやっぱり大人自身が学んでいく必要があると思います。と言っても、ビジネス書やYouTubeといったものではなく、実際に「トライ&エラー」を体験しながら学ぶこと。それで大人自身が変化を自覚できれば、それを見ている子どもも学ぶことの大切さがより理解できるのではないでしょうか。そうやって、より興味を持って主体的に取り組むようになるという循環が生まれてくる。

——まず大人が新しい価値観を取り入れていく。大切なことですね。

岡本さん:保護者が「両輪の教育」の大切さを理解してスタートしなくても、 子どものうちから「X+Y」に取り組む経験を重ねることで変わっていく我が子を見て、あとから気付いても良いと思うんです。そのために誰もが取り組みやすくプログラム化しているのが「スコップ・スクール」です。結果的に、都市圏と地方のギャップも埋められる存在になれればと思っています。

スコップ・スクールとは?

スコップ・スクールで授業を受ける子どもたち

スコップ・スクールで授業を受ける子どもたち

スコップ・スクールは、小学生を対象とした次世代型クリエーティブ・スクールです。

小学校1年生から6年生までが対象で、第一線で活躍する「プロナビゲーター」が出す課題に、子どもたちが一緒に考える。「正解のない問いに答える力」を育む場所です。各地にある教室では現在、体験会も実施しています。興味のある方は、まずは参加することから始めてみませんか?

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プロフィール

斎藤幸平(さいとう・こうへい)
東京大大学院総合文化研究科准教授。ベルリン・フンボルト大哲学科博士課程修了。2018年にドイッチャー記念賞を日本人初、歴代最年少で受賞。21年に著書「人新世の『資本論』」で新書大賞2021を受賞。最新刊に「マルクス解体 プロメテウスの夢とその先」。

岡本弘毅(おかもと・こうき)
株式会社スコップ・CGD(チーフグロースディレクター)/株式会社エデュソル・CEO。世界に羽ばたく「倭僑」の育成のため、従来の教育だけではなく、クリエーティブ教育やSTEAM教育、グローバル教育を中心に、3歳から社会人まで年齢に合わせた教育プログラムを開発・提供している。NPO法人子ども大学水戸、一社ロボッチャ協会の代表も務める。

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