学問の力で、東京から世界の未来を拓く
障がい者スポーツの大会で選手を誘導する学生
2020年4月に「東京都立大学」へと名称変更し、新たなステージを迎える首都大学東京は、「TMU Vision 2030」を策定した。
「校名変更により、東京都が設置する唯一の公立総合大学であることが伝わりやすくなり、プレゼンスの向上につながると考えます。本学の魅力をさらに高めていくために策定したのが『TMU Vision 2030』です。1年近くにわたり教職員や学生の皆さんと意見交換を行い、10年後にどのような大学になっているべきかというビジョンを示しました。ビジョンに掲げた将来像に向けて、全学一丸となって歩んでいきたいと思っています」
上野淳学長は力強くこう語る。
「TMU Vision 2030」では、基礎的学問分野から応用最先端分野までをカバーする総合大学として、研究面で東京都に貢献し、ひいては世界の未来を拓くことを謳(うた)っている。
「このビジョンでは、本学の特色をしっかり示すことができたと思っています。世界有数の大都市・東京が設置する大学として、学術水準においても教育水準においても、世界トップクラスの大学であり続けようという思いを込めました」
東京2020大会を積極的にサポート
「2030年に向けてさらなる発展をめざす」と上野淳学長は語る
いよいよ来年7月に開幕する東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会。首都大では、開催地である東京都の公立大学として、大会の成功とレガシー継承のために独自の取り組みを行っている。17年には、全国の大学に先駆けて学年暦を変更。大会期間中の授業や試験を原則としてなくし、ボランティアや観戦を積極的に行えるようにした。
16年に開設したボランティアセンターでは、東京マラソンなどのスポーツボランティアをはじめ地域の高齢者や子どもたちを巻き込んだ活動などを行っている。オリンピック・パラリンピックでも競技サポートや海外からのゲストの案内など幅広い分野での参加が予定されている。
「オリンピック・パラリンピックを間近で観戦・参加できる機会は、一生に一度。本学の学生にはぜひ積極的に楽しんでもらいたいですね。地域住民の方も参加できるパブリック・ビューイングも予定していますので、キャンパス全体で盛り上げていきたいと考えています」
研究面でも、レガシー継承に向けての都市計画や、酷暑や豪雨など気象学の研究を大学として助成。さらに社会人を対象とした「首都大学東京 オープンユニバーシティ」において、聖火リレーをテーマとする無料の講座を設けている。
質の高い学びを生む研究と教育の好循環
首都大がめざすのは、高度な研究力と質の高い教育の好循環。高い研究力は各種のランキングでも示されており、その一例として『大学ランキング2020』(朝日新聞出版)の「論文引用度指数ランキング」が挙げられる。論文がどれだけ引用されるかは、優れた研究成果を示す指標の一つだ。このランキングで首都大は、「総合」で第1位、「分野別」では20分野中5分野でベスト10にランクインしている(いずれも13?17年の累計)。
「ランクインした物理学や宇宙科学、分子生物学・遺伝学などの分野には、最先端をいく研究者が多数います。こうした高いレベルの研究者が、教育に熱心に取り組んでいるのが本学の特長で、呼応するように多くの学生が集まり優秀な学生が育つことで、研究と教育の好循環が生まれます」
教員と学生を合わせ約1万人の中規模大学である首都大は学生と教員の距離が近く、きめ細かな指導を受けることができる。
「学生の教育を考えると、ちょうどよい規模であることは本学の魅力であり、学ぶうえでの大きなメリットだと考えています。教員からは丁寧な指導を受けることができますし、全学生が基礎・教養科目を学ぶ南大沢キャンパスでは、専門の異なる学生が一堂に会して学ぶことで刺激を受けられます。安心して学べる環境が整っているので、学生の皆さんにとって、頑張り甲斐のある大学だと思います」

