トランプ米大統領は、関税政策によって「製造業を米国に取り戻す」と主張しています。ですが、財務官やアジア開発銀行(ADB)総裁を務めた中尾武彦氏は実現性を疑問視し、「米国はいずれ政策修正を迫られる」と言います。
記事のポイント
トランプ関税に関して、①経済的な理屈に合わない政策では、製造業は米国には戻らない②中国は米国よりも優勢③自由貿易を推進する旗を降ろしてはいけない、と主張します。自由貿易で高度成長を果たした日本による発信の必要性も強調します。
――2013~20年のADB総裁時代は、第1期トランプ政権下で、米中貿易摩擦が深刻になり始めた時期と重なります。当時の摩擦をどのように見ていましたか
「米中の対立は、17年に始まった第1期トランプ政権から激しさを増しました。当時、私は中国の高官らに対し、『米中双方は国土や人口も大きく、同盟関係にもないので、かつての日米貿易摩擦以上に対立が深まるリスクがある』と言っていました」
「中国は、経済的にも地政学的にも既に大国、あるいは脅威であると見られている認識が薄く、他国を挑発する傾向がありました。その後は少し穏やかになりましたが、経済的、技術的にさらに成長を続け、巨大な存在感を示しています。今回の対立は当時よりも格段に深刻で、国際的な影響も大きいと思います」
高関税は経済的な理屈に合わない政策
――「トランプ関税」は、米国経済にプラスに働くのでしょうか
「トランプ氏は貿易赤字を嫌…
この記事の続きを読むなら今がお得。初回1カ月無料+Visaギフトカードが当たる▶今すぐ登録










































