なぜ手に入らない大相撲の切符 「こだわりの天ぷら屋」にたとえると
日本相撲協会の公益法人化を手がけた外部委員会の元メンバーで経済学者の中島隆信・慶応大名誉教授が、大相撲を「こだわりの天ぷら屋」にたとえて、こんな話をしてくれたことがある。
極上の天然クルマエビを、国産のゴマ油で揚げ、人間国宝が作った器に盛る。そんな天ぷら屋。この上ない味と接客。目が飛び出るほどの値段だが、その味を愛する人には、たまらない。そんな常連客で店は成り立っている。
だが、この店がメディアで紹介されたら、どうなるか。
「高いけど、一度食べてみようか」という客で行列ができる。常連客は自分の居場所を失い、去っていく。だが、にわか客が常連になることはまずない。行列はいつか消える。かつての常連はすでにいない――。こうなると、店は潰れてしまう。
「取材拒否の店」にしたり、やミシュランの星を辞退したりするのは、店と常連客を守るためにしている。
中島氏は、こう語った。「大相撲が不人気の時代でも一定数の切符を引き受けて売る。それが茶屋です。茶屋をなくして、両国国技館の全席をプレイガイド販売にしたら、不入りの時に相撲協会の経営はどうなるのか」
「茶屋のない本場所」がある…
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