日本を支える企業力:朝日新聞デジタル

2020特別編
シーキューブ株式会社

特別インタビュー:厚切りジェイソンさん

日本経済を支える東海エリアのポテンシャル

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株式会社タマディック

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株式会社デンソー

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株式会社トップホールディングス

特集記事:世界を動かす! 東海の”得意技”

東海ってどんなところ?:TOKAI Culture

東海ってどんなところ?:TOKAI Cafe

だから、東海は住みやすい

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「機械を作るための機械」が
世界のものづくり企業を支えている

産業規模は1・7兆円 トップレベルの国際競争力

自動車産業を中心に、日本経済を支えている製造業。その製造業を陰で支えているのが工作機械だ。工作機械とは「機械を作るための機械」で、「マザーマシン」とも呼ばれる。自動車、電機製品、産業用ロボットなど、ものづくりは工作機械なくして成立しない。

製造業が集結する東海エリアにも、 オークマ、ジェイテクト、DMG森精機、ヤマザキマザックなどを中心に、技術力に優れる工作機械メーカーが数多く存在する。国内最大級の工作機械見本市「メカトロテックジャパン」も名古屋市で開催されている。国内の産業規模は1兆7000億円を超えており、世界的需要の高まりを受け、2017年は過去最高水準の売り上げを記録した。

世界との比較においても、日本の工作機械産業はトップレベルの規模を誇る。企業別売り上げランキングでは、複数の日本メーカーが上位に名を連ねており、国際競争力という点では自動車業界にもひけを取らない。その要因の一つとして、長尾さんは東海エリアに自動車や電機製品を大量生産する巨大プレーヤーがいることを挙げる。

「一般的に東海エリアの工作機械メーカーは、自動車部品製造用の工作機械づくりを得意としています。製造・生産現場に近く、緊密なコミュニケーションでニーズを把握し、ノウハウも享受してきました。工作機 械は量産型ではなく少量多品種型の市場であり、使い勝手の良さ、新しい技術への対応など、有力なものづくり企業のニーズに真摯に応えてきたことが、東海エリアで工作機械産業が発展した大きな理由です」

好調が続く工作機械産業。2016年以降、前年同期を上回る受注額を記録。

新たな生産装置として存在感が高まる3Dプリンター

"地の利"を生かして成長し、優れた技術を蓄積してきた東海エリアの工作機械メーカーだが、持続的な発展に向けた課題も存在する。その一例が、ものづくり産業の現場で変化の兆しを見せている、新たな生産装置開発への対応だ。近年は積層造形で成型する金属積層3Dプリンターが存在感を高めており、液体金属を成型するインクジェット3Dプリンターを開発するイスラエルの企業が世界から注目を集めている。従来の切削加工では困難だった多様な造形が可能となり、部材の軽量化にもつながるからだ。東海エリアの基幹産業である自動車・航空機産業でも、3Dプリンターを活用したものづくりが拡大する可能性があり、切削加工機械を得意とする工作機械メーカーにとって脅威になり得る。

「特に航空機産業は軽量化によるメリットが大きく、エアラインの燃料費削減は数億円単位になります。航空機エンジンメーカーのGE(米国)は、今後20年間で自社製造部品の50%を3Dプリンターで製造すると宣言。量産工場も設立しています。量産体制の確立には、まだ時間が必要ですが、3Dプリンターによるものづくりは加速するでしょう」と長尾さんは予想する。

国内最大級の工作機械見本市「メカトロテックジャパン」が名古屋市で開催されるなど、東海エリアは工作機械の一大集積地。©朝日新聞社

航空機産業では、3Dプリンターによる製造が加速すると予測されている。

AIやICT技術を駆使した「IoT化」に活路を見いだす

3Dプリンターによるものづくり がもたらす影響は、素材だけに限らず、あらゆる製造工程に及ぶ。部品設計や成型など、3Dプリンターの特性を活用しやすい工程もあり、これまでに工作機械メーカーが得意としてきた、金属を削り、曲げ、穴を開けるといった加工技術の需要は変化していくだろう。もともと工作機械産業は、製造業の構造変化の影響を受けやすいといわれ、「来たるべき時に備え、新たな方向性を見いだしておくことが必要」と長尾さんは指摘する。

また、さまざまな産業で情報通信技術による自動化が進むなか、工作機械業界でも工場や生産ラインを情報通信でつなぎ、生産効率を高める動きが生まれている。東海エリアの各メーカーも、IoTを活用して生産を最適化するスマートファクトリーの整備に注力している。稼働状況の監視、故障の予知、保守管理など、AIやICTの技術を駆使したシステムの提供に取り組んでいると長尾さんは語る。

「今後は、ものづくりのための工作機械に加え、生産性向上や省人化対応など付加価値の高い製品・システムの開発が重要になります。さらに、各企業が独自に開発するのではなく、他社製品と自由に連結させられるように、業界全体で仕様を標準化していくことが、国際競争力を維持・拡大していくための重要な視点になるでしょう」

工作機械産業の未来を示す新たなビジョンの発信に期待

次代を見据え、東海エリアの工作機械メーカーでも、さまざまな動きが生まれている。スマートファクトリーの構築に取り組んできたオークマでは、最新の自動化技術とIoTを駆使して生産効率を高める新たな部品加工棟が2019年5月に稼働を開始する予定だ。また、一般的に製造ラインのIoT化には、数百万円から数千万円単位の投資が必要で、中小企業が導入するには非常にハードルが高いが、中小企業が低コストで開発した独自システムが製品化される事例も現れている。

「愛知県碧南市にある旭鉄工は、大手自動車メーカーの部品を製造する企業ですが、市販されている廉価なセンサーで工場の稼働状況を見える化する独自システムを組み上げ、改善点の明確化に成功しました。 それが業界で話題となり、システムを提供・販売する新会社 iSmart Technologies(アイスマートテクノロジーズ)が設立され、現在では多くの中小企業に注目されています」

こうした事例が示唆するのは、他のものづくり産業と同様に、今後は工作機械産業でも、顧客とのインタラクションの中からニーズを読み取り、AIやICT技術を活用した解決策を提案・実現していく重要性だ。 付加価値を高め、新しい価値を提供していくことが、生き残りには不可欠だろう。

一方、視点を変えれば、さまざまな産業が複雑に絡み合い、数年先の展開が読みづらい状況は、新たな事業を立ち上げる格好のチャンスでもある。

「ドイツではヒドゥン・チャンピオン(隠れた王者)と呼ばれる、非上場の中堅企業が経済を支えているといわれます。東海エリアにも、短期的収益にとらわれず、独自の経営路線を貫きながら、世界市場で成功を収めているヤマザキマザックのようなグローバル企業が存在する。工作機械産業の新たな方向性が、ここ東海エリアから発信される可能性も高いと期待しています」

航空機産業では、3Dプリンターによる製造が加速すると予測されている。

画像素材:PIXTA

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