
毎日の積み重ねが自信になる
好きなら絶対に諦めないこと
バイオリニスト
宮本 笑里さん

バイオリンは髪の毛1本分の角度で音程が変わってしまうほど、繊細な楽器です。だからプロになった今も、弓の動かし方や音階といった基礎練習を毎日欠かさず続けています。1日でも休むと指が退化して、感覚が変わってしまうのです。
バイオリニストを目指す人は3~4歳から毎日何時間もの練習を積み重ねるのが普通ですが、私が習い始めたのは7歳。プロを目指す決心をしたのは中学生のときなので、異例中の異例といえます。覚悟を決めてからは、多いときに1日16時間練習し、遅れを取り戻そうとがんばってきました。

ただ、高校生のとき、自分よりはるか上のレベルにいる同年代の子たちの存在を知り、打ちのめされたことがあります。小さい頃からの積み重ねの圧倒的な差を感じ、プロになるのは無理かもしれないと思いました。でも私はバイオリンが大好きで、どうしても諦めたくなかった。そこで周りの先生や先輩に相談したんです。「どうしたら上手くなれますか?」と。すると、みんなが異口同音にいいました。バイオリンは練習の積み重ねが一番大切だから、基礎練習をひたすらやりなさい。血のにじむような努力を重ねれば、自信になる。それが結果として表れる瞬間が必ず訪れる、だから絶対に諦めてはいけないよ、と。
乗り越えてきた人の言葉には力があり、それからの私は死に物狂いで練習するうちに少しずつ結果が出るようになりました。もちろんうまくいかないときもあるけれど、努力をしなければそこで終わり。自分との闘いです。これからも本番で100%の力を発揮できるように150%の練習をコツコツと積み重ね、よりよい演奏ができるよう努力していきたいと思います。
宮本 笑里
バイオリニスト
みやもと・えみり/東京都生まれ。父は元オーボエ奏者の宮本文昭氏。生後すぐに渡独し、帰国後の7歳でバイオリンを始める。14歳のときドイツ学生音楽コンクールデュッセルドルフ第1位入賞。これまで小澤征爾音楽塾・オペラプロジェクト、N響、都響定期公演などに参加し、徳永二男、四方恭子、久保陽子、店村眞積、堀正文に師事。ドラマ『のだめカンタービレ』出演やCMで父と共演するなどメディア出演多数。2007年にCDデビュー。最新アルバム「classique」(クラシーク)発売中。


西 紀明さん






