中納良恵の音off

【第10回】 25周年

EGO-WRAPPIN’ヴォーカリスト中納 良恵

星占い曰く
私は執着と言う星の元に生まれていて
環境をあまり変えたがらない習性があるらしいのです。
とは言え、魚座はスイスイと境界線なくどこにでも泳ぎ回れ、
泳ぎ回ってこそ自分らしさを保つ、根っからのロマンティストでもあるらしい。
固執しているようで、何だかそうでもない、、
どっちやねん!そう どっちもやねん!!

今回を持ってこの音offコラムが最終回と相成りました
EGO-WRAPPIN’結成して今年で25年目と言う節目でもあり
せっかくなので音off最終回、バンドのことを少しだけお話しさせてもらいます
EGO-WRAPPIN'結成四半世紀!!万歳パーティ!!といきたいところですが
コロナもあって大それて計画できないこのご時世でありますが
気持ちとしてはようやったなあ〜と心のどこかで労い
ハイタッチでイェス!!と言った気持ちでいっぱいです
何より相方の森くんと、いや人と、1人の人間と、25年も
同じように曲を作り、ライブをし、一喜一憂し、紆余曲折し、やってこれたことが奇跡だと思います
たとえこれが占いで言うただの執着だと言われたとしても
25年歩んできたことは何にも代えがたい軌跡とある種の自信と
たくさんの学びと、これからの礎にもなっているのだから
はいっっっっ執着万歳〜!!なのです

エゴラッピンを結成したのは1996年
当時レコード屋さんも充実していてHIPHOPのネタになったレアなレコードなんかが再発されまくり
オルタナバンドやガレージバンドや渋谷系やらサバービア
ハードコアにノイズ
スタイリッシュなスカ ロックステディと 面白い音楽がうごめいていました
当時大阪にはオシャレで個性に溢れ知識も豊富でカッコいい人たちがたくさんいて
クラブイベントが熱くDJとバンドが一緒になるような
熱いイベントが矢継ぎ早に繰り広げられ
朝まで酔い潰れアスファルトで寝て帰ったり寝ずにバイトに行ったりとすこぶる弾けていました。
そんな中、幼い頃から歌手になる夢を持ち続けていた私は、踊りたいだけじゃ飽き足らず、踊らせたい気持ちがどんどん募っていっていた、そんな矢先、
あるクラブイベントで、ご縁で知り合った岡山のインディーレーベルの大将が
バーカウンターの前で飲んでいたところ
アカペラで歌いまくったことがきっかけで
お前面白いから、うちのレーベルから出すか!と誘われ
とは言えインディーズ、『己で曲を作って己でメンバーを探してね』とあっさり、、、。
そこから必死になってメンバー探しが始まり、友達に紹介してもらったのが森くんでした
1995年大阪アメリカ村三ツ寺会館地下BAR MOMO
扉を開けて森くんが入ってきた瞬間ビビビ!!っ!
ヌヌヌ!っ!私この人と何かやらかすな!と直感したのが的中。
それから25年も一緒に音を生み出すことになるのだから人生って面白いですね。
何より25年の時の速さにびっくりしています。
人生なんて光の速さより速いぜ。

10回目で最後となる今回、今まで人の作品ばかりを紹介して、我らの作品を紹介できずだったので、最後に地味に25周年を迎えるEGO-WRAPPIN’の隠れた名曲を紹介させていただこうと思います

題して
『あたいなりのエゴちゃんの裏名曲ベスト10〜朝日新聞STARTさんありがとう!』
を紹介したいと思います

1、平凡にして非凡なる日常
初期エゴちゃんの初フルアルバム『blue speaker』の1曲目
森くんのギターとハーモニカからなるインスト
11曲目には同じタイトルの曲がRepriseとして入っている
アルバムは最初から最後まで通して成立すると言うことを思い知った曲
鶏の声も愛らしい
このアルバムは1年以上手塩をかけて作らせてもらった
ちなみに帯のコメントは山本精一さん
『これは良い!ひょっとしてひょっとするかも!』
嬉しかったなあ

2、セツナイ クダラナイ ムサボルソノテ
初めて日本語詞に挑んだ曲
友達に打ち込みをお願いして作ってもらったトラックが新鮮で新しい可能性を見た一曲
女子に人気

3、官能漂流
こちらは壮大なロッカバラード
特筆すべきは、やはり森ラッピンのギターソロだろう
ハート鷲掴みのギターソロがこの曲のクライマックスであるのは一聴すればわかる
当時この曲が仕事中に流れたら仕事ができないと友達に言われた
火サス(火曜サスペンス劇場)顔負けの、熱くてシリアスなナンバー

4、マスターdog
アルバム ON THE ROCKS!  より
風呂温度38℃くらいのずっと入っていられる心地よさ
創作に煮詰まったら食べに行っていた浅草の中華屋に居た番犬の話
この曲は今でも歌うとその番犬と純レバの味を思い出す

5、スカル
エゴちゃんお得意変速ロマンティックディスコティックサウンド!
一聴すると80年代歌謡を彷彿とさせる軽めのサウンドアレンジとメロディーだが
結構詰めて緻密に考えた
ドラムの末房央くんには高橋真梨子を思い出すね!と言われた
ライブではヒップに踊れていい

6、想像の美しい世界
こちらも隠れた名曲
シーンがページをめくるようにめくるめく
手に汗握るラストに向かって繰り広げられる壮大なスペクトルは
脳味噌が痺れて世界が光に包まれる
想像しようそうしよう
想像の世界は美しい

7、AQ ビート
こちらも美しいギターの旋律がエモーショナルでたまらない
美しさと狂気は表裏一体
サラサラと溶け出す流氷のように透明な夢が見れる
ノイズの美しさ

8、マンホールシンドローム
エマーソン北村さんのシンセ音が曲を壮大な場所へと連れ去る
不条理な世の常に一石を投じたい衝動に駆られていたあの時代
権力者たちが闇の中でチェスの駒を進めるように世界を動かしているつもりでも
所詮その行為は日の目を見ることのない小さな穴蔵の中で
狭い幸せしか掴めないってな文句のシンドローム
なんて皮肉めいたことか

9、on this bridge
2019年のアルバムより
血脈のように沸沸と皮膚の裏側で湧き立つように打つベースギターのリフに誘われて
囁くような歌の間合いがなんとも言えない満足感
ライブでこの曲が来ると目を閉じた
束の間の安息

10、旅先案内人
一人旅ベルリンで出会った友を思い作った曲
カンタベリーロックに憧れていた時代にピアノで寄せて作った曲
何度もリハーサルに入って みんなとアレンジを練った
ベース真船勝博くんにドラムは菅沼雄太くん
彼らの技もこの曲を大いに支える名曲に仕上がったと思う

アルバムが出て数年後に聴くと粗ばかり気になり
落ち込んだりするのであまり聴かないけれど
10年以上も過ぎると自分とは遠くかけ離れたところに存在して
粗すら愛おしいものになって抱きしめてやりたくなります
これらの曲も一人では出来なかったこと
ライブに録音に共に奏であってきたミュージシャンの才能に改めて感動します

どこまでも泳いでしまう私が迷子にならぬように、
森くんに手綱を持たれながら、
エゴのステージの上を私は魚のように泳ぎまくる。
この先の景色は誰も何もわからないけれど、
この海は広くて荒くて底無しだ。
BAR MOMOの扉を開けて ビビビと感じたのは私のほうで
いや〜僕は何も、、、と言い放つ森くんは相変わらず飄々としていて、
昔からずっとブレない。変わらない。
だけどいつも会うとほっとするのです。

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