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 静岡県舞台芸術センター(SPAC)の演劇「アンティゴネ」が、五輪を機に日本文化を世界に発信する「東京2020NIPPON フェスティバル」の自治体共催プログラムに選ばれた。第1回審議で採択された五つのうちの一つ。

 SPACの芸術総監督で演出家の宮城聰さん(60)は「日本の伝統芸能は有名だが、現代芸術は世界にあまり知られていない。SPACの採択は意義がある」と語った。

 上演は2020年5月2~5日を予定。静岡市葵区の駿府城公園内に900席の仮設舞台を組み、上演。障害者や高齢者向けのバリアフリー席も設ける。上演言語は日本語だが、英語字幕を付け、ほかにいくつかの言語の翻訳をタブレット端末などで提供するという。

 アンティゴネはギリシャ悲劇が原作。SPACは17年の仏・アビニヨン演劇祭のオープニング作品として初上演した。今年9~10月に米・ニューヨーク公演も予定。巨大な舞台装置に薄く水を張り、生者と死者の世界の「柔らかな境目」を表現したという。宮城さんは「少しでも異質のものを排除しようという排外主義がはびこる中、死者との共生すら面白がる工夫を伝えたい」と話した。(阿久沢悦子)