漁を船上から生配信、24時間で食卓へ 漁師「最高の鮮度味わって」
秋田沖の日本海での漁をインターネットの動画で生配信し、漁師自ら視聴者とリアルタイムで会話しながら取った魚を販売する「船上ライブコマース」が、漁師の働きかけで実現する。購入すれば最速24時間後に食卓に届く。漁や魚の魅力を感じ、最高の鮮度の魚を味わってもらいたい。そんな漁師の願いから生まれた企画だ。
船上ライブコマースは、底引き網漁船に設置したカメラやスマホで、甲板や漁師自身を動画で撮影し、ユーチューブなどで配信する。視聴者はどんな魚がかかっているか、漁師と同じ瞬間に目の当たりにできる。海からの網の引き揚げ作業などを解説を交えながら行うため、船上での「漁師の仕事」も学べる。
さらに、その日取れた魚を詰め合わせたセットに対し、あらかじめ設定されたいくつかの価格から自分が買いたい値段を選んで買う「疑似せり体験」もある。購入者が決まった商品はその日のうちに発送され、最速で24時間後に受け取れる。
発案したのは、秋田県八峰町八森の山本太志(たかし)さん(45)。産直アプリのポケットマルシェ(本社・岩手県花巻市)の協力を得て、実現にこぎ着けた。山本さんがかねて感じていた流通の課題を解消するのが、今回の狙いだ。
山本さんが漁師になって一番感動したのは、「船の上で食べるメシのおいしさ」。取れたての旬の魚介をさばいて、鍋にしたり、刺し身にしたりする「船上メシ」は格別だった。
一方、漁協や仲買、市場を通す通常の販路だと、秋田の魚が首都圏などの消費者に届くまでに2~3日かかる。「なんで次の日に届かないのかなって、ずっと思っていた」。鮮度が落ちた魚を食べている人がほとんどの状況を変えたいと、この仕組みを考えた。「最高の鮮度で届けて、消費者が魚に持つ概念を変えたい」
地元の八森沖では、ヤリイカやノドクロ(アカムツ)、ホッケ、カナガシラ、カレイがシーズンを迎える。だが、どんな魚が取れるかは、当日にならないと分からない。山本さんは「緊張しています」と話しつつ、「切り身を見て食料として買うんじゃなく、魚を取るリアリティーを感じてもらったうえで、自分の魚を評価してほしい」と期待する。配信中の視聴者からの質問も楽しみにしている。
冬から春先はシケが多いため天候次第だが、初回は13日の見込み。山本さんのほか、秋田県にかほ市金浦の漁師・佐藤正勝さんが出演する回もある。
配信への参加は無料で、ポケットマルシェの公式フェイスブックかユーチューブ、ツイッターに接続すれば見られる。天候不良で日程を変える場合、実施日の3日前をめどに同社のフェイスブックとツイッターで通知する。
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