石見銀山最古の石造物を発見、1557年の状況語る「南無阿弥陀仏」
約1万基の石造物が残るとされる世界遺産・石見銀山(島根県大田市)で、これまで確認された中で最も古い「弘治三年」(1557年)の文字が刻まれた石造物が、このほど発見された。
石造物は私有地にあり見学はできないため、代わりに写真パネルが1日から石見銀山世界遺産センター(同市)で始まった企画展「石は語る 石見銀山500年の歴史」で展示されている。
県文化財課世界遺産室によると、石造物は高さ114センチの自然石で造られた板碑(いたび)。昨年秋、採掘跡の坑道「龍源寺間歩(まぶ)」近くの山中で確認された。これまでは1572(元亀3)年に造られた石造物が、石見銀山では最も古いと考えられてきたという。
板碑には弘治三年のほかに「南無阿弥陀佛(なむあみだぶつ)」と中央に大きく刻まれ、銀山で仕事をしていた老夫婦が現世で功徳を積み、死後の極楽往生を願って建てたとみられる。1527年の石見銀山発見から30年後に造られ、20~30代で銀山にやってきた人々が、年齢を重ねて造ったとみられる。また、老夫婦だけでなく、多くの人々も共に救われるように願っていたことをうかがえる文字も刻まれており、当時から銀山の労働者の間には、共助や互助の精神があったことも考えられるという。
世界遺産室の担当者は「石材の加工や字を彫る技術が稚拙なことから、労働者は現地の石工に頼らず、自前で板碑を制作したのではないか」と推測。「ちょうど戦国大名の尼子氏と毛利氏の間で、石見銀山の激しい争奪戦を繰り広げていた時期と重なる。この時期にもしっかりと採掘が続いていたことが分かる貴重な発見だ」と話している。
企画展は12月22日まで。ほかに文字が刻まれた貴重な石造物5点も展示。観覧料は一般400円、小中学生200円。問い合わせは同センター(0854・89・0183)へ。
この記事の続きを読むなら今がお得。初回1カ月無料+Visaギフトカードが当たる▶今すぐ登録








































