学習と健康・成長

新型コロナって何? 子どもと読みたい「絵本」、ネット上に続々

2020.07.06

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山下 知子
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新型コロナウイルスって何? どうしてマスクをしないといけないの? なかなか友だちに会えなくて寂しい…….。そんな子どもたちの疑問や思いに分かりやすい言葉で答える「絵本」が、インターネット上を含め、次々と出版・公開されています。2児の親でもある医師が作ったものや、音声が付いたアニメーション形式のものも。新型コロナウイルスの流行はまだまだ終息が見えず、第2波第3波も予想されます。「子どもたちが現状を理解する手立てになれば」と著者らは口をそろえます。

「子どもは本当のことを知りたがっている」

5月に電子版、6月に書店に並んだのは「こいぬのルナ、コロナウイルスにたちむかう」(子どもの未来社)。毎朝、子どもたちと一緒に学校へ向かっていた子犬のルナがある日、「異変」に気付きます。学校に行かないのです。「どうしてみんな、いえのなかにいるの?」「いったい、なにがおきたの?」。そんなルナの疑問に、お父さん犬のマウイがやさしく答えていく設定で、巻末には、自分で読んで理解できる子どもや大人向けにQ&A方式の解説もつけられています。

公衆衛生学を学ぶ米国の大学院生アダム・M・ウォレスさんが3月初旬に書き上げ、アダム・リオングさんがイラストをつけました。訳者は米国在住の翻訳家・上田勢子さん。上田さんがデジタル版の同書を見つけたのがきっかけです。上田さんは「設定がとてもユニーク。上から目線で子どもに説明しておらず、すんなり子どもに伝わると思いました」と話します。

上田さんが執筆の理由をウォレスさんに尋ねると、こんな趣旨の答えが返ってきたそうです。

「シアトルに住む友人と新型コロナウイルスについて話していたら『コロナはフェイク(作り話)だ』『単なる風邪だ』と言いました。友人には子どもがいて、学校は早くから休校になっていたので、親も子どもも戸惑っていたのではないでしょうか。だから、大人から子どもに読み聞かせられ、子どもも理解できる絵本を作ろうと思い立ったんです」

上田さんは「子どもたちは、難しいことであっても本当のことを知りたがっている」と言います。「不用意に怖がらせるのではなく、分からないことも含めてきちんと伝えるのが大人の役割。ただ、どういった言葉を選ぶかはとても難しい。絵本を真ん中に親子の会話のきっかけになればうれしいです」

小学生が「監修」したデジタル絵本も

学習と健康・成長

愛知県にある藤田医科大学感染症科は、「コロナウイルスってなんだろう?」と題した「絵本」をホームページ上に掲載しています。作ったのは、感染症専門医の桜井亜樹助教。小学生の子ども2人がいる母親でもあります。全12ページで、主に小学生向け。同科のウェブサイト(http://www.fujita-hu.ac.jp/~microb/)からダウンロードできます。

 「絵本」では、「コロナウイルスは、つば・せき・くしゃみにのって人から人へと感染します。手についたウイルスが原因で広がることもあります」と解説。その上で「『小学生』は苦手みたい」だけれども「おじいちゃんやおばあちゃん、もともと病気のある人が、この新しいコロナウイルスにかかってしまうと大変」なので、対策が必要だと続けます。その後、「コロナウイルスやっつけるぞ作戦」と題して、手洗いとせきエチケット、かぜをひいたら家で休む、の三つの対策を示しています。

藤田医科大岡崎医療センターでは開院前の2月、大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の感染者を受け入れました。その際、地元の教育委員会から「小学生でもわかるような教材がほしい」との要望を受けて作りました。桜井さんは「『手を洗いましょう』だけでなく、なぜ手洗いが必要なのかを伝えようと思った。手洗いもマスクも『面倒』なこと。納得することが行動を促す上でも大事なのです」と話します。

できあがった「絵本」をわが子に読んでもらい、感想を聞きながらブラッシュアップしました。「絵本」の最初には「監修:小学生」と記してあります。近く、さらなる改訂も考えているそうです、「感染の広がりを止めるには、一人ひとりの対応が重要になる。子どもたちが対策をすれば、大人にも伝わると期待したい」と話しています。

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