学習と健康・成長

暑くても、外しちゃダメなの? 専門医に聞く「子どものマスク」

2020.07.14

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山下 知子
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多くの学校で、本格的に学校が再開されるようになりました。30度を超える日も出ている中、登下校時の子どものマスクの中は汗びっしょり。朝からマスクをし続け、「4時間目になると頭がぼーっとする」と訴える子もいます。熱中症も気になる季節。子どもとマスクとのつきあい方について、脳神経内科を専門とする医師で、東京頭痛クリニック理事長の丹羽潔さん(57)に話を聞きました。

丹羽潔さん

話を伺った人

丹羽潔さん

東京頭痛クリニック理事長

(にわ・きよし) 1963年生まれ。東海大学医学部卒業後、ドイツと米国の大学で計4年、神経内科を学ぶ。東海大学神経内科専任講師を経て、2005年、東京都内に「にわファミリークリニック」を開設し、「めまい外来」「頭痛外来」を行う。15年、2人の医師とともに専門医のみによる頭痛に特化した日本初の頭痛専門クリニックを開く。日本頭痛学会認定指導医。

――暑い季節、子どもにマスクを着けさせる上で知っておくべきことは何でしょうか?

人間は常に熱を生み出しており、吐く息や汗で放熱していますが、マスクをしていると口から熱を外に出せません。気温が36度の場合、マスクの中は40度台になっています。サウナ状態です。息苦しくなり、マスクをしたまま深呼吸をしようとすると、横隔膜という大きな筋肉を動かすことになり、さらに熱を生み出してしまう。サウナの中で軽い運動をしているようなものです。一方、マスクを30秒外すと、口の周りの温度が5度ほど下がります。

「4時間目にぼーっとする」という訴えは、酸欠が疑われます。マスクをしていると、自分が吐く、二酸化炭素が多く含まれている空気を吸うことになるからです。

――文部科学省のマニュアルでは、「基本的には常時マスクを着用することが望ましい」としています。一方で 、熱中症などが発生する可能性が高い場合は、身体的距離を保つなどの配慮をした上で外し、「登下校中でも状況に応じてマスクを外して」としています。ただ、授業中は周りに同級生がいるため、なかなかマスクを外せません。

提案したいのは、授業中に、ソーシャルディスタンスをとった上で1回はマスクを外し、水を飲む機会を設けること。自分の席では難しいかもしれないので、順番に窓際に向かい、外に向かって飲むのが良いでしょう。マスクを外せば口の周りの温度が下がり、新鮮な空気も吸えます。

今年の夏は、例年以上にこまめな水分補給が大事です。子どもにマスクをさせるならなおさらです。授業の一環として水分補給をしてください、と訴えています。口やのどが渇いて水分をとるのは、医学的には「時、すでに遅し」。渇きを感じるということは、血管の中が既に脱水状態にあるからです。休み時間のみ水分補給を認めている学校が多いかもしれませんが、「渇きを感じないから飲まない」という子が必ずいます。

水分は水でなく麦茶からとるのが良いでしょう。ミネラルが含まれる一方、緑茶などに多いカフェインがありません。カフェインは利尿作用があり、水分が体から出てしまいます。

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