慢性腎臓病(CKD)セミナー

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第1部 講演 2

いつまでもお口から美味しくいただくために! 市川 和子 先生 ( 川崎医療福祉大学 臨床栄養学科特任助教授 )

「慢性腎臓病でもフレイル・サルコペニア予防は大切!」

 昔から養生訓として知られる「健康十訓(則)」(表)の食事療法の項目を、腎臓病に当てはめてお話しします。
少塩多酢=食塩を少なくし、酸味を上手に使いましょう。減塩食は高血圧の予防になります。減塩の目標はどんどん厳しくなり、今は健康な方で1日8g、CKDの人は1日6g未満です。調理では香辛料や出汁を上手に使う、食べ方では麺類の汁は残す、味を見ないで調味料は使用しないなどで減塩を工夫しましょう。成分表にナトリウムしか表示していないときは、食塩量はナトリウム○○mg÷400で計算できます。

健康十訓(則)

少糖多果=甘いものを少なくして野菜や果物をとりましょう。野菜や果実、豆類に含まれる食物繊維には血糖値の急激な上昇を抑え、腸の状態をよくするなどの作用があります。血糖値の上昇は食べる順番や温度にも影響され、野菜から食べたほうがゆるやかになり、ごはんやうどんも温かいものより冷たいほうが血糖値の上昇を抑えられます。
少肉多菜=肉は少なく、野菜を多めにとりましょう。蛋白源としては、肉の摂取量は 右肩上がりに増え、その反動で魚が減っています。その結果、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取量が増加し、脂質異常症や動脈硬化が増えています。魚に多く含まれる脂(DHAや EPA)には多くの健康効果があることが知られています。また、腎臓機能が3分の1以下に低下した人では蛋白質をとりすぎると腎臓に負担がかか ることから、蛋白質を減らす必要が出てきます。低蛋白ご飯などの治療用特殊食品を上手に利用しましょう。カリウムが高いと言われたら、減らす工夫をします。カリウムは野菜や果物に多く含まれ、細胞膜の中に入っているので、細かく切る、ゆでこぼすなどで減らせます。
少食多嚙=少しずつよく噛んで食べましょう。当院の調査では、肥満の人ほど大口で噛まずに早食いでした。

 最近は、虚弱という意味の「フレイル」がよく使われます。一方、筋肉量と筋力が減少することを「サルコペニア」といいます。このフレイルやサルコペニアに伴って、噛む力や飲 み込む力も低下していきます。いつまでもお口から美味しくいただくために、歯周病などの口腔トラブルは歯医者さんで早めに対処しましょう。

過去のCKDセミナーの模様はこちらからご覧になれます。
  • 2013年 CKDセミナー in 東京
  • 2014年 CKDセミナー in 東京
  • 2014年 CKDセミナー in 名古屋
  • 2015年 CKDセミナー in 和歌山
  • 2015年 CKDセミナー in 東京
  • 2016年 CKDセミナー in 東京
  • 2017年 CKDセミナー in 東京
  • 2017年 CKDセミナー in 大阪
  • 2018年 CKDセミナー in 東京
  • 2019年 CKDセミナー in 神戸
  • 2019年 CKDセミナー in 東京