慢性腎臓病(CKD)セミナー

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第1部 講演 2

いつまでもお口から美味しくいただくために! 市川 和子 先生 ( 川崎医療福祉大学 臨床栄養学科特任助教授 )

 慢性腎臓病の食事療法の基本は5項目です(図)。なかでも高血圧予防や体液コントロールの上からもっとも重視されているのが減塩です。CKDの方の食塩摂取量の理想は1日6g未満です。日本人の平均食塩摂取量は徐々に減ってきましたが、まだ1日9g台にとどまっています。
 減塩食のポイント❶は献立の工夫です。漬物、つくだ煮は控える。みそ汁、吸い物は1日1回に。塩分の多い干物、練り製品、肉加工品はできるだけ避けます。ポイント❷は調理の工夫です。酸味や香辛料、香味野菜、濃いめの天然出汁をうまく利用しましょう。ポイント❸は食卓での工夫です。しょう油やソースはかけずに付けて食べ、ふりかけや食卓塩はテーブルに常備しないようにします。ポイント❹は外食での工夫です。麺類の汁は必ず残す、丼物や単品より定食を選ぶようにします。
 エネルギーは適正に摂取します。怖いのはエネルギー不足で、これは異化亢進といって、自分の筋肉を分解していく状態になります。食が細くて十分なエネルギーが摂取できない方は、脂質類など少量でもエネルギーの高いものの活用、間食や治療用特殊食品(エネルギー調整食品)の利用などを考えましょう。

食事で腎臓を守ろう!

 腎機能が半分以下になったときは、低たんぱく療法が有効です。卵、魚、納豆、豆腐などに多く含まれるたんぱく質は、体内で代謝されると窒素化合物になり、これが老廃物のもとになります。たんぱく質を多量に摂取すると老廃物がどんどん体にたまっていきますから、腎機能に応じてたんぱく質摂取量を調整する必要があります。低たんぱく療法のポイントは、腎機能低下抑制のための有効量まで減少させる(0.6〜0.8g/㎏/日)、炭水化物や脂質から十分なエネルギーを摂取する、たんぱく調整食品などを利用してアミノ酸スコアを100に近づけることなどです。
 カリウムにも注意が必要です。高カリウム血症になると心臓に負担がかかります。カリウムは細胞膜の中にあるので、カリウムを多く含む野菜は細かく切る、ゆでこぼすなどで細胞膜を壊すとカリウムを減らせます。最近は電子レンジ調理が人気ですが、電子レンジでは細胞は壊れても、カリウムは溶け出ないため減りません。
 水分は多く摂取しても、極端に制限してもよくありません。一般的には、必要水分量は体重(㎏)×30㎖とされています。
 ステイホーム期間中に体重が増えている方が多いようです。CKD予防のためには、1日の生活パターンを決める、1日3食規則正しく食べる、間食は控える、薄味は継続する、運動は2回に分けて1日8000〜1万歩を歩くことなどを心がけてください。

過去のCKDセミナーの模様はこちらからご覧になれます。
  • 2013年 CKDセミナー in 東京
  • 2014年 CKDセミナー in 東京
  • 2014年 CKDセミナー in 名古屋
  • 2015年 CKDセミナー in 和歌山
  • 2015年 CKDセミナー in 東京
  • 2016年 CKDセミナー in 東京
  • 2017年 CKDセミナー in 東京
  • 2017年 CKDセミナー in 大阪
  • 2018年 CKDセミナー in 東京
  • 2019年 CKDセミナー in 神戸
  • 2019年 CKDセミナー in 東京
  • 2020年 CKDセミナー in 東京