慢性腎臓病(CKD)セミナー
広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局
西沢 食事に関する質問が多く寄せられました。コロナ禍で食事に困っている方も多いようです。
市川 患者さんの話を聞くと、今まで外食中心だった方はコンビニやスーパーでお弁当や惣菜を買うのが普通になっています。最近はコンビニ弁当にも栄養成分が書いてあるので、買うときの目安にするとよいでしょう。CKDの患者さんはとくに食塩量に注目してください。
花房 コロナ禍では通院の間隔が空きますから、自分で血圧や体重を測定して管理していくことが大切になってきます。血圧や体重を記録して、このときはこんなことがあったから血圧が上がったのか、などと振り返ることでフィードバックできます。実際、血圧を毎日記録するだけでも血圧が下がってくるとの報告もあります。記録は次の外来時に持参されると、私たちもそれを見て、患者さんの生活ぶりがわかります。この機会にぜひ、毎日の家庭血圧と体重の測定を習慣づけてほしいと思います。
西沢 お酒はどの程度飲んでよいですか。
市川 日本酒なら1合、ビールなら350㎖缶1本ぐらいが適量とされます。CKDの方もその程度なら問題ありません。ただし、糖尿病や脂質異常症などがある方はある程度の制限が必要です。
花房 適度な飲酒はよいのですが、つまみに注意してください。食塩やリンの摂りすぎにつながります。
西沢 タバコはどうですか。受動喫煙でもCKDのリスクが約1.5倍になるという報告もありました。
花房 家族の健康を守るためにもタバコは絶対にだめです。心臓や血管、肺だけでなく、腎臓も痛めます。

西沢 塩分制限でこれだけは守ってほしいことはなんですか。
市川 減塩は舌が慣れてこないと難しいので、日頃から薄味にチャレンジすることが一番です。ただし、減塩調味料の中には、食塩のナトリウムをカリウムに置き換えているものがあるので注意が必要です。しょう油や味噌などの和風調味料は、マヨネーズやソースなどの洋風調味料よりも塩分が多いので、和食に偏らず、洋風の献立を増やすとよいでしょう。
西沢 水分摂取についてはどうですか。
市川 尿量を見ながら調節してほしいと思います。これから暑くなると脱水に注意しましょう。脱水は腎臓にダメージを与えます。
西沢 腎臓が悪いとなぜカリウムに気をつけないといけないのですか。
花房 血中にカリウムが増えると心臓に影響するからです。心臓は電気で動いており、電気を起こすには細胞の中と外でのカリウム濃度の違いが必要です。本来、細胞の中は高く、外は低い。ところが、腎機能が低下して細胞の外である血中のカリウム濃度が上がってくると、外と中の濃度差が小さくなり、電気が起こらなくなってしまいます。その結果、不整脈の原因になりますし、最悪の場合は心臓が止まってしまいます。
西沢 生活習慣病やCKDにならないためにはどんなことに気をつけたらよいですか。
花房 筋肉を維持する「貯筋」も大事です。昔は腎臓病というと安静にしていなさいといわれましたが、今は運動が非常に重視されています。運動は気分転換になるなど、メンタル面でもよい効果があるといわれます。ただ、心臓の合併症などがある方はどの程度の運動が可能か、主治医とよく相談してください。
西沢 CKDは治りますか?
花房 糸球体が一度壊れてしまうと元に戻りませんから、いかに進行させないかが重要です。一方で、いろいろな薬が開発されています。そうした薬で腎機能の低下を抑えていくことは、今後可能性があると思います。
西沢 本日はありがとうございました。