慢性腎臓病(CKD)セミナー

<< トップページへ

第1部 講演 2


慢性腎臓病予防のための食生活アドバイス
~食品に明記されている栄養成分表記をご存じですか~
市川 和子 先生 ( 岡山県栄養士会 医療事業部 部長  )

 いまや国民病といわれているCKD。その原因になるのは高血圧、糖尿病などの生活習慣病や糸球体腎炎、加齢などです。体重、血圧、尿の状態、排尿時の泡立ち、夜間トイレに行きたくなるか、息切れや動悸はないかなど、まず自分の体の異常に気づくことからスタートしましょう。
 昔から養生訓として知られる「健康十訓(則)」(表)をもとに、CKD予防のために食・生活を見直しましょう。
▼少塩多酢=食塩を少なくして酸味でいただきましょう。減塩は高血圧予防につながります。食塩摂取量の目標値は1日7〜8gで、CKDの方は1日6g未満が目標です。調理の減塩の工夫として、香味野菜、香辛料や、酸味、おいしい出汁を活用し、味付けは重点的にする。また、食べ方の工夫として、麺類の汁は残す、汁物は1日1杯を目安に、味を見ないで調味料を使用しない、塩分の多い加工食品や外食は控えるなどで減塩を心がけましょう。
▼少糖多果=糖分を少なくして野菜や果物をとりましょう。不足しやすい野菜や水分補給のために糖分を多く含むジュースや清涼飲料水、スポーツドリンクを多飲し、肥満や耐糖能障害の方が増えています。
▼少肉多菜=肉を少なくして野菜をとりましょう。脂肪が多い肉はコレステロール値が高くなり、脂質異常症や動脈硬化を助長します。たんぱく質の過剰摂取も腎臓の糸球体に負担がかかり、過剰ろ過の状態が長く続くと腎臓の働きが障害され、次第に腎臓の機能が低下します。
 最近は健康志向が強くなり、体によいとされる健康成分を盛り込んだり、栄養成分を調整した食品やサプリメントが多く見られます。
 食品の栄養成分表示は、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量)の5項目が義務表示で、それ以外のミネラル、ビタミンなどは任意表示です。食塩相当量は、ナトリウム㎎÷400で概ね近似値が得られます。

▼少食多噛=少しずつよく噛んで食べましょう。肥満の方ほど大口で噛まずに早食いであることがわかっています。食べる順番も血糖値に影響します。野菜を先に食べると血糖値の上昇がゆるやかになります。
▼少車多歩=車に乗らずによく歩きましょう。厚生労働省の国民生活基礎調査(2016)によると、寝たきりや介護が必要になる原因として、足腰の筋力の低下による転倒・骨折が12%近くにのぼります。運動と栄養管理の二本柱で予防に努めてください。

過去のCKDセミナーの模様はこちらからご覧になれます。