慢性腎臓病(CKD)セミナー
広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局
西沢 邦浩氏
西沢 日常生活の注意点では、食事に関する質問が多く寄せられました。まずアルコールはどの程度までOKですか。
市川 CKDは糖尿病や脂質異常症のような厳しい縛りはありませんが、健康な方でも飲みすぎはよくないので、適量を守ることが大切です。適量はアルコールにして20gで、ビール中ビン1本、日本酒1合、ワイングラス2杯に相当します。
西沢 水分はどのくらいとったらよいでしょうか。
常喜 腎臓は水分不足に弱い臓器で、特に夏場は体内の水分が減っています。高齢者は尿の濃縮力が弱くなってちょっと薄い尿になり、隠れ脱水になりやすいので、むくみなどがないときは随時適度な水分をとって、脱水にならないようにすることが大切です。
西沢 外食の際に気をつけることは?
市川 外食の特徴は、栄養成分表記がない、塩分量が多い、洋食などでは脂質が多い、野菜が少ない、炭水化物が多いことです。できるだけ野菜や食物繊維が多いメニューを選ぶようにしてください。
西沢 減塩食を長続きさせるコツは?
市川 最初に濃い味のものを食べると、次からの味がボーッとしてしまいます。食事の8割は薄味にして、最後に少し濃い味のものを召し上がると満足度が高まります。
西沢 生活習慣病の改善・予防のために日常気をつけるべきことは?
常喜 血圧と体重は自宅でも管理できるので、週1回でも継続して測るとよいでしょう。タバコは諸悪の根源ですので絶対にやめてください。風邪など他の病気の予防をすることも大事です。他の病気になると腎臓へのストレスも増します。

西沢 CKDで注意すべき既往歴はなんでしょう。
常喜 痛風、高血圧、糖尿病などは将来、CKDになる可能性が高くなります。一方で、結石は尿路を塞いで尿を滞らせますし、前立腺肥大症も膀胱内に尿がたまって腎盂炎性の腎不全になることがあります。嚢胞腎は遺伝性なので近親に患者さんがいるときは注意が必要です。
西沢 CKDの薬物治療について教えてください。
常喜 残念ながら、CKDそのものを改善・治癒する薬はありません。われわれは糸球体の血圧を維持するために薬物治療をしていることが多く、貧血治療なども複合的に行いながら、いかに腎臓を保護し、進行を抑制するかを考えています。
西沢 痛み止め、サプリメント、漢方薬などで特に注意すべき点は?
常喜 サプリメントについては一概にはいえないので、服用前に必ず主治医へ相談し、成分を確認してもらいましょう。痛み止めの非ステロイド性消炎鎮痛薬は腎臓の中の血圧を下げる方向に働き、尿が出にくい状況をつくりやすくするので、乱用・連用は避けましょう。腎臓への影響が少ない痛み止めもあるので、主治医に相談してください。
市川 食事内容を見るとたんぱく質はそれほど多くないのに、血液検査で尿素窒素が高い患者さんがいて、よく話を聞いてみるとプロテインを飲んでいました。プロテインはたんぱく質ですから、腎臓が悪い方は注意が必要です。
西沢 特に気をつけなければならない自覚症状はありますか。
常喜 尿の泡立ちには注意してください。泡立っていたら必ず腎臓の病気というわけではありませんが、見つけるヒントにはなります。一方で、患者さんが外来に紹介されてくるのは大体が検査異常です。自覚症状が現れたときはCKDがかなり進んでいる可能性がありますので、ぜひ定期的に検診を受けて、早期発見を心がけていただきたいと思います。
西沢 本日はありがとうございました。