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【第3回】資産運用はまず何から始めるべきでしょうか?

ウェルスナビ 代表取締役CEO柴山 和久
  • まず、目標と計画を立てることが、資産運用の第一歩。
  • 計画を立てる際、最初に「どのようなポートフォリオで資産運用するか」を考える。
  • 目標と計画を立てる際には、IFA、FP、ロボアドバイザーなどの専門的なサポートを受けることもできる。

目標と計画を立てることが資産運用の第一歩

「将来に備えて資産運用を始めたい。でも、何から始めたらよいかわからない」
そんな悩みを、多くの方から伺います。

資産運用と言うと、ついつい難しく考えてしまいます。でも、実は、スポーツや習い事と同じです。スポーツや習い事がうまくいくときのことを、思い出してみましょう。はっきりとした目標があるのではないでしょうか?

「次回のレースでは完走したい」

「2年後には留学したい」

こうした目標が決まり次第、その実現に向けて、具体的な計画を立てているはずです。

「毎朝、30分、筋トレをして体力をつけよう」

「英会話のレッスンを仕事帰りに2回、週末に1回、合わせて週3回受けよう」

もちろん、目標が高すぎたり、低すぎたりして、後から見直す場合もあります。それでも、目標や計画を立てなくてよい、ということにはなりません。特に、長期的な取り組みの場合には、目標と計画づくりが不可欠です。

資産運用は、まさに長期的な取り組みです。まずは目標を立て、その達成に向けた具体的な行動計画を立てるところから、スタートすることになります。

資産運用の目標と計画はセットで立てる

老後資金としては一般に、3,000万円から4,000万円が必要と言われています。資産運用で目標を立てる際には、それが一つの目安になるかもしれません。

しかし、生活スタイルの違いによる個人差も大きいですし、住居が都会か地方かでも、生活費はまったく異なります。資産運用をはじめた後に、目標自体が変わってくることも珍しくありません。あまり深く考えすぎずに、とにかく目標を設定してみることが大切です。

資産運用の計画を立てる際には、次の3点について考える必要があります。

  1. どのようなポートフォリオで資産運用するか
  2. いつ、資産運用をはじめるか
  3. いくらで始めて、どのタイミングで追加するか

もちろん、預金のままでよいという場合には、ポートフォリオは不要です。しかし、ゼロ金利の下では、30年間で3,000万円の資産を築くために、毎月8万円以上の積立てが必要です。これに対し、もしも年間4%のペースで運用できれば、毎月4.5万円の積立で十分です。

では、ポートフォリオは、どのように作ればよいのでしょうか。第1回「ポートフォリオとは何ですか」で紹介した、世界最大規模の資産を運用しているノルウェー政府年金基金やカルパースを参考にすると、株式が55-65%、債券が20-35%、不動産が5-10%というポートフォリオになります。

しかし、これはあくまでも一つの目安です。年齢や、運用期間の長さ、資産の額などによってポートフォリオの中身は変わってきます。

年齢や運用期間などによって、最適なポートフォリオは変わってくる

人生100年時代を迎える中で、20代から40代の方であれば、少なくとも20-30年は運用の期間をとることができます。比較的高いリスクを取ることができ、株式の割合を70-80%にまで増やせます。

他方、50-60代の方で、20-30年もの長期にわたっては資産運用を行わないのであれば、株式の割合は50-60%で十分でしょう。ただし、50-60代の方でも、引退せず働き続けるつもりの人や、子供や孫の将来の教育費用として長期的に運用したいという場合には、20-40代と同じように株式中心のポートフォリオを組むことになります。

アドバイスをしてくれるサービスも

ポートフォリオを決めることは、一度慣れてしまえば簡単なのですが、最初から自分でやろうとすると大変です。そこで、専門家のアドバイスを受けるという選択肢もあります。

アメリカでは、RIA (Registered Investment Advisor)という資産運用の専門家が、資産運用の目標や計画を作るだけでなく、実際の運用も「お任せ」で行ってくれます。現在、全米で2万人のRIA が個人投資家をサポートしています。

最近は、スマホアプリでいくつかの簡単な質問に答えるだけで、ポートフォリオによる資産運用をしてくれる「ロボアドバイザー」というサービスが登場し、若い世代を中心に急速に普及しつつあります。

日本でも、FP (Financial Planner)やIFA (Independent Financial Advisor)という立場で、ポートフォリオ作りをサポートしてくれる専門家もいます。ただし、米国のRIAとは異なり、法律上、実際の運用まではサポートできません。
また、日本でも、特に今年に入ってから「ロボアドバイザー」が普及しつつあり、毎週のように新聞やテレビで紹介されるようになってきました。

スポーツであれば、効率的に筋力をつけたいと思ったら、専門知識を持つパーソナルトレーナーに指導してもらう選択肢もあります。資産運用においても、このような専門家のアドバイスによって、誰でも簡単にはじめることができるようになればいい、と思います。

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