
相場が急落したとき、どう行動すればいいですか?
ポイント
- 「資産が減って怖い」というのは自然な感情
- 株価が下がって「よいこと」もある
- 長い目で資産を育てることが大切
悲観的なニュースが駆け巡ると…
すでにひと月以上前の話になってしまいましたが、2月にニューヨーク株式市場が値崩れしたときのことを覚えていますか? 米国の影響を受け、日本の株価も大きく下落しました。
テレビや新聞などでも、株式市場の先行きを悲観するニュースが駆け巡りました。日本経済新聞の報道をさらってみると、「過去最大の下落」「アジア株も全面安」「日米株乱高下」といったタイトルが並びます。
日に何度もこうしたニュースに接していると、知らず知らずのうちに、株式市場や投資に対してネガティブな印象を持ってしまうかもしれません。
「減るのが怖い」は自然な感情
実際、投資をしていて資産の評価額がマイナスになったという方もいるでしょう。
資産が減るのは誰しも怖いものです。「投資をやめて安全資産である預金にすべきでは」と迷うのは、とても自然なことだと思います。
とはいえ、資産の評価額がマイナスのときに投資をやめると、損失が確定してしまいます。せっかく将来の資産形成をしようと考えていたのにとてももったいないことです。
それでは株価が大きく下がったとき、私たち個人投資家は、どうすればよかったのでしょうか。
株価が下がると割安に投資できる
今回のような株価急落は、過去に何度もありました。それだけでは収まらず、金融危機が起こってしまうこともありました。過去25年間を振り返ってみると、リーマン・ショックなどの金融危機が5回発生しています。
いつなんどき、何がきっかけとなって株式市場が急落するかはわかりません。もし前もって予測できるのならば事前に対応できるので、金融危機はそもそも起こりません。

上のグラフからは、「長期・積立・分散」の資産運用を25年間続けたとして、資産がどんなふうに増えたり減ったりしたかがわかります。
「長期・積立・分散」の資産運用は、世界経済全体に分散して投資し、長い目で世界経済の成長率を上回るリターンを目指すというものです。そして積立投資を組み合わせることで、株価が大幅に下がる場合にはむしろ割安で投資できることになります。株価が下がるのは悪いことだととらえがちですが、別の見方をすればよいこともあるのです。
グラフを見ると、「100年に一度の危機」と言われたリーマン・ショックのとき、資産は大きく目減りしていますが、時間をかけてマイナスを取り返し、むしろ成長しています。
よいときも悪いときも淡々と
資産形成をしたい人にとって、いちばん大切なことは、長い目でリターンを最大化させることでしょう。つまり今の資産が「増えた・減った」ではなく、将来必要になったとき、着実に成長していればいいわけです。
成功のポイントは、「淡々と続ける」こと。株式市場が急落するとあわててしまうかもしれませんが、一時的なマイナスは、資産を育てていく長い道のりにおいては誤差に過ぎないと思って、どっしり構えておけばいいでしょう。
株価が上がり基調のときも同じです。「資産が増えた」「ひと月でかなり儲かった」といった声を聞くと、普段より積極的に投資したくなるかもしれません。しかし株価が高いときは高いときで、高値づかみのリスクもあります。落ち着いていつも通りの資産運用を続けるほうがいいでしょう。
よいときも悪いときも一喜一憂せず、淡々と資産運用を続けることで、長い目で資産を育てていくことができるのです。