やっと根付いてきた

オムロンは企業理念に「人間性の尊重」を掲げ、社員一人ひとりが能力や個性を発揮できる経営を行っています。
不妊治療に関する制度は、働く一人ひとりが自分らしく能力を発揮し、多様なキャリアの形成を実現しつつ、「仕事と家庭の両立」ができるよう、制度整備や支援策について、多面的に検討する中で導入しました。具体的には2005年から、不妊治療を受けるための休職制度と、その治療を受けるための補助金支給制度を設けています。13年前にこうした制度を会社として設定したのは、他に類がなかったと思います。そのとき、今後子育てしながら働く女性が増えていく中で、会社ができる福利厚生の支援はどんどんすべきということで、企業内保育を設けたり、制度を導入したりしました。不妊治療の制度もその1つです。
今でこそ不妊治療という言葉は盛んに使われていますが、妊娠するために休みをとるというのはやはりセンシティブな内容です。当時は男性も女性も、不妊治療を受けていることを会社や上司に伝えるのは少しはばかられるという感じでした。13年たってやっと、制度自体が根付いてきているのかなと感じています。
制度を導入した当初は、制度の認知度を上げて、利用が当たり前なものになるためには難しい問題があると感じていました。そこで、本人たちが制度を利用しやすくするための工夫をいろいろしています。その1つが、上司を通さずに補助金を受け取れる仕組みです。当社は国内に約1万2000人の従業員がいますが、男性が8割、女性が2割です。補助金制度を利用しているのも大半が男性です。補助金を受け取るには治療費の領収書をもらって申請する必要があります。通常であればまず上司に報告して申請しますが、それは一切必要なく、補助金を支給する共済会に直接申請書を届けて、本人の給料口座に振り込んでもらう形をとっています。これならば上司にお伺いを立てる必要はなく、高額な不妊治療の補助も受けられます。一方、休職制度を利用しているのはほとんどが女性です。その数も少しずつ増えています。最近は男性からも問い合わせがあるなど状況は少しずつ変わってきています。社員もこうした制度を利用できることを知り、それをどうやって自分の人生に生かしていけるかを考えるメンバーが増えてきたと感じています。
休職制度を利用した女性からは「この制度があったから仕事が続けられた」という声が多く寄せられています。実際、この制度の恩恵としては「会社をやめずに済んでいる」ということが一番大きいのではないかと思います。当社にはキャリアの再開を希望する場合に優先して選考する「リエントリー制度」もありますが、やはり席が残っていて復帰が保証されている休職とは全然違うといいます。リエントリー制度を利用した人もいますが、復職しても仕事のハードルが高く、仕事のマッチングも難しいというのが現状です。
また、不妊治療に対する上司の理解も必要ですから、こういう事例があると私から積極的に上司に伝えるようにしています。今では不妊治療に対する理解が深まり、「こうしたらよいのではないか」と提案してくれるような関係性になっています。
最初は会社の英断で始まった制度ですが、不妊治療に限らず、今はどんなことに困っているかなど当事者の声をよく聞いてニーズを拾い上げ、それを会社の制度にも反映していくことをしっかりやっていきたいと考えています。
女性活躍推進の取り組み全体像
| 項目 | 取り組み(代表的なもの) |
|---|---|
| 育成・登用 |
|
| 働き方改革 |
|
| 職場風土・継続就業 |
|
| 採用 |
|
★ 法定を上回る制度





























