
経営戦略としてダイバーシティ&インクルージョンの推進に取り組み、その1つの施策として、2014年から女性活躍推進に取り組んでいます。弊社の社員構成は男女比半々ぐらいですが、この取り組みを始めた当初、女性管理職比率は10%台前半で、女性が充分に活躍できていないという課題がありました。そこで、女性リーダー輩出のため、両立支援の質の変革に取り組みました(図)。従来は3年間の育児休職を認めたり、短時間勤務など育児をサポートする施策(ケア施策)が中心でしたが、男女ともにフェアに働けるようにと長時間労働の是正、在宅勤務、上司である評価者に対する研修など「働く」を応援する(フェア施策)に取り組みました。
これによって、ある程度女性が活躍できる土壌ができたと思ったのですが、女性の退職数はまだ一定程度あり、退職理由を分析すると従来の支援策ではカバーが難しい配偶者の転勤や不妊治療が含まれていました。そうした理由で辞めていく人の中には経験を積んだ30代~40代がいましたので、今度はそういう少数の社員も仕事を続けられるような制度を作っていこうということになりました。そうして2016年度から導入したのが不妊治療休職制度です。高度な不妊治療(体外受精・顕微授精)を受けるために休職を申し出た社員に対して、最大1年間休める制度です。その間は無給ですが、一定期間しっかり休んで治療に専念できます。
この制度を作るに当たって苦心したのは休職期間をどうするかです。産業医や不妊治療経験者などの声を収集し、1年とすることにしました。対象となる不妊治療は1年の間に3~4回できること、また社員のキャリア形成を考慮して1年が妥当であると判断しました。
制度ができて2年が経ち、現在30人程度が利用しています。2017年度の退職者数は2016年度よりも少し減っています。この制度だけが直接の原因ではないでしょうが、何も導入していなかったら経験豊かな社員が退職したかもしれず、休職という選択肢を選べるようになったことは一歩前進であったと担当者として思っています。社員からも「不妊治療に専念できてよかった」という声が届いています。
また、不妊治療休職制度の導入が弊社の採用競争力を高めることにもつながっていると感じています。学生の皆さんは就職活動の際、厚生労働省のホームページなどでデータや制度をかなり詳しく研究していると採用担当者から聞いています。弊社にこの制度があることで自身のライフプランとキャリアプランを両立できると映るようです。
一般的に話しにくいと言われる不妊についての知識や情報等を不妊治療休職制度を利用する社員や、今後利用する可能性のある社員に対して、どのように提供するのか、また妊活サポートをどのようにおこなうのか、整備していく必要があると思っています。仕事と不妊の両立をはじめ、いろいろな悩みを持つ社員が継続して働くことができる風土をつくっていきたいと思っています。
女性リーダー輩出のため「両立支援“質”の変革」の取り組み

従来は仕事を免除する“ケア施策”が中心の両立支援だった。
FY13に両立支援の質の変革に取り組み、いかにキャリアの中断を短くし、鍛えられる仕事を割り当て、実力をつけるかの“フェア施策”中心に、両立支援の質の転換を図った。





























