【フローチャート】相続に関する相談先の選び方
相続について相談できる主な専門家には、「弁護士・税理士・司法書士・行政書士」がいますが、それぞれ得意分野が異なります。
「誰に相談すればよいのかわからない」という人は、下記のフローチャートを使うことで、最適な相談先を見つけられます。

なお、「Q2. 相続税の申告が必要になりそう」については、遺産総額が下記の相続税の基礎控除額を超えるかどうかで判断できます。
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計算式
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相続税の基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
被相続人の遺産が基礎控除額を超える場合には、相続税の申告が必要です。
「相続について、何から手をつければいいのかわからない」「どこに相談すればいいのか、まったく見当がつかない」という場合は、弁護士・税理士・司法書士・行政書士といった専門家が連携する“士業グループ”に相談するのも一手です。
“士業グループ”では、あなたの相続についての悩みや状況に応じて適切な専門家が対応します。
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相続について相談できる専門家
ここでは、弁護士・税理士・司法書士・行政書士のそれぞれの「得意分野」や「相談できる内容」を詳しく解説します。
弁護士:相続「トラブル解決」のプロ
相続トラブルが発生したとき、法律の専門家である「弁護士」は、あなたの強い味方になります。
弁護士はあなたの代理人として、ほかの相続人との交渉や各機関への法的な手続きをして、紛争解決をサポートしてくれます。
具体的に相談できる内容の例は、下記のとおりです。
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遺産分割でもめているので、間に入って交渉してほしい
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遺言書の内容が不公平なので、どうにかしてほしい
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相続放棄をしたいが、手続きがわからないので教えてほしい
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ほかの相続人から不当な要求を受けているので、対応してほしい
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相続に関するトラブルを未然に防ぎたいので、アドバイスがほしい
弁護士への相談料は、「30分5,000円~15,000円程度」が一般的ですが、初回の相談は無料にしている事務所もあります。
なお、弁護士に依頼した場合、一般的に「相談料」のほか、「着手金・報酬金」などの費用がかかります。
税理士:相続「税」のプロ
相続税の申告・納付の代行や、税負担を軽くするための対策など、相続に関わる税金の問題は「税理士」の専門です。
税理士は、相続税の計算や申告書の作成だけではなく、被相続人の生前にできる相続税対策や税務調査の対応など、幅広くサポートします。
具体的に相談できる内容の例は、下記のとおりです。
相談料は、「30分5,000円程度」が一般的ですが、初回の相談は無料の事務所もあります。
税理士に依頼した場合の費用は、「相談料」のほかに「申告書の作成報酬・税務調査の立ち会い報酬」などが必要な場合があり、金額は業務内容によって異なります。
司法書士:不動産「登記」のプロ
相続した財産に不動産(土地や建物)が含まれている場合、名義変更の手続き(相続登記)が必要です。
「司法書士」は不動産登記の専門家であり、相続登記の手続きをスムーズに進めるためのサポートをしてくれます。
具体的に相談できる内容の例は、下記のとおりです。
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相続した不動産の相続登記をしたい
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不動産が含まれる遺言書の作成を手伝ってほしい
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相続放棄の手続きについて相談したい
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生前の認知症対策として家族信託をしたい
相談料は「30分5,000円程度」が一般的ですが、無料相談を実施している事務所もあります。
また、依頼する業務の内容に応じて別途に報酬が必要になり、相続登記の手続きは「1件につき10万円ほど」が目安です。
行政書士:「資料収集・作成」のプロ
「行政書士」は、官公署に提出する書類の作成などを専門とする国家資格者です。
相続に関しては、遺産分割協議書や相続関係説明図の作成などを依頼できます。
具体的に相談できる内容の例は、下記のとおりです。
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相続手続きに必要な書類を集めてほしい
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遺産分割協議書を作成してほしい
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相続関係説明図を作成してほしい
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預貯金の解約・払い戻しの手続きを代行してほしい
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相続した有価証券(株式など)の名義変更をしてほしい
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相続した自動車の名義変更をしてほしい
相談料は「30分あたり5,000円程度」が一般的です。
なお、行政書士へ依頼した場合の報酬は、作成する書類の種類や数、手続きによって異なります。
【ケース別】相続に関する悩みの相談先
ここからは、下記のような「抱えている悩み」ごとに、相談すべき専門家を紹介します。
- 遺言書の書き方を教えてほしい
- 相続放棄の手続きをしたい
- 親族が対立して遺産分割協議がまとまらない
- 遺産分割協議書を作ってほしい
- 相続税の申告書を作ってほしい
- 不動産の名義変更の手続きをしてほしい
- 自動車の名義変更の手続きをしてほしい
ケース1. 遺言書の書き方を教えてほしい
「将来、自分の財産を誰に渡すか、具体的に決めておきたいけれど、遺言書の書き方がわからない……」
このようなときに頼れる相談先は、次の専門家です。
| 専門家 | 相談・依頼できる内容 |
|---|---|
| 弁護士 | ・遺言書案の作成、証人としての立ち会い、遺言執行など、総合的なサポートを行う |
| ・相続トラブルが予想される場合は、弁護士への相談がおすすめ | |
| 司法書士 | ・不動産を含む遺言書を作成する際のサポートを行う |
| ・不動産は、相続後の手続きも含めて司法書士へ相談するのがおすすめ | |
| 行政書士 | ・遺言書の書き方についてアドバイスする |
| ・弁護士に依頼する場合と比べて、費用が低くなる可能性がある |
なお、遺言書について相談する際のポイントは、次の三つです。
- 事前に自分が所有する財産をリストアップしておく
- 誰に何を相続させたいか、大まかな希望をまとめておく
- 複数の専門家に相談して、費用やサービス内容を比較検討する
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ケース2. 相続放棄の手続きをしたい
「被相続人に多額の借金があることがわかった」
このような場合、相続放棄をすることで、被相続人の借金や権利義務を相続せずに済みます。
相続放棄を検討されている人の相談先になるのは、以下の専門家です。
| 専門家 | 相談・依頼できる内容 |
|---|---|
| 弁護士 | ・相続放棄の手続き全般をサポートする |
| ・ほかの相続人との調整が必要な場合など、複雑なケースにも対応する | |
| 司法書士 | ・家庭裁判所に提出する相続放棄申述書を作成する |
| ・費用は弁護士に依頼するよりも低くなる可能性がある |
相続放棄について相談する際のポイントは、「なるべく早く相談する」ことです。
相続放棄は、原則として「相続人が自己のために相続開始があったことを知ったときから3カ月以内」に家庭裁判所に申し述べなければなりません。
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ケース3. 親族が対立して遺産分割協議がまとまらない
「遺産の分け方について、相続人同士で意見が合わず、話し合いがまとまらない」「感情的な対立が激しく、冷静に話し合える状況ではない」
このような場合、「弁護士」に相談して間に入ってもらい、法的な観点から公平な分割案を提案してもらうことを通じて、遺産分割協議を円滑に進められます。
また、弁護士はあなたの「代理人」として、ほかの相続人と交渉してくれるため、精神的な負担も低くなるでしょう。
弁護士に相談する前には、下記の二つについて整理しておきましょう。
- どのように遺産を分割したいのか、具体的な希望を整理しておく
- ほかの相続人がどのような主張をしているのか、まとめておく
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ケース4. 遺産分割協議書を作ってほしい

相続人同士で遺産の分け方について合意ができたら、その内容をもとに「遺産分割協議書」を作成します。
遺産分割協議書は、不動産の名義変更(相続登記)や預貯金の払い戻しなど、相続関連の手続きをする際に必要となります。
遺産分割協議書の作成は、「弁護士・税理士・司法書士・行政書士」のいずれも対応していますが、次のように相談先を選ぶのがおすすめです。
| 状況 | 相談先 |
|---|---|
| 相続争いが発生している | 弁護士 |
| 相続税がかかる | 税理士 |
| 遺産に不動産が含まれる | 司法書士 |
| 上記のいずれにも該当しない | 行政書士 |
なお、遺産分割協議書を自分で作成する方法は、下記のコンテンツで解説しています。
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ケース5. 相続税の申告書を作ってほしい
遺産総額が、相続税の基礎控除額「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」を超える場合は、「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内」に相続税の申告・納付が必要です。
「自分では難しくてできない」「期限までに正確な申告書を提出できるか不安」という場合は、「税理士」に依頼することで相続税の計算や申告書の作成を代行してもらえます。
また、申告した内容に関して、税務署からの問い合わせや税務調査があったとしても、自分の代わりに対応してくれます。
申告書の作成には時間がかかる場合もあるため、早めに相談するようにしましょう。
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ケース6. 不動産の名義変更の手続きをしてほしい
「相続登記の手続きが複雑で、自分ではよくわからない」「忙しくて、法務局に行く時間がない」
このような場合は「司法書士」に依頼することで、相続登記の手続きについて「書類の収集・作成」や「法務局への申請」などを代行してくれます。
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ケース7. 自動車の名義変更の手続きをしてほしい
「車を相続したけれど、平日は仕事で忙しくて、運輸支局に行く時間がない」
このような場合、「行政書士」に依頼すれば、自動車の名義変更の手続きを代行してもらえます。
なお、自動車の名義変更の手続きは、「所有者が変更された日から15日以内」に行わなければなりません。期限を過ぎると、50万円以下の罰金に処される可能性がありますので注意しましょう。
その他の相続について相談できる機関
相続の相談は、弁護士・税理士・司法書士・行政書士のほかにも、下記のような機関で受け付けています。
- 税務署・国税庁
- 日本司法支援センター(法テラス)
- 市区町村役場
- 銀行などの金融機関
これらの機関には、次の二つに該当するときに相談するのがおすすめです。
- 相続の制度一般について、基本的な情報を知りたい
- 現状、相続の手続きを専門家に代行してもらう予定はない
ここでは、これらの四つの機関で相談できる内容を詳しく見ていきます。
機関1. 税務署・国税庁
「相続税の制度に関する疑問」や「税法上の一般的な質問」がある場合は、税務署や国税庁に相談できます。次のようなケースがあれば、相談するとよいでしょう。
| 状況 | 相談先 |
|---|---|
| 匿名で一般的な質問がしたい | 国税庁の電話相談センターやチャットボット |
| 相続人として、個別事情を踏まえて相談したい | 被相続人の住所地を管轄する税務署 |
具体的な連絡方法は、国税庁のウェブサイトをご確認ください。
税務署や国税庁に相談する際の注意点は、以下の三つです。
- 税務署・国税庁は税金を徴収する機関であり、相続税対策に関するアドバイスを行うのではない
- 相談は無料だが、あくまで一般的な税法上の解釈や手続きの説明にとどまる
- 「相談した内容」と「その後の申告」に食い違いがあると、税務調査が入ることがある
以上のことから、「相続税の申告書の作成代行・税負担への対策・税務調査の立ち会い」などを希望する場合は、税理士に相談することをおすすめします。
機関2. 日本司法支援センター(法テラス)
法テラスは、相続を含むさまざまな法的なトラブルについて、無料で相談できる窓口です。
国が設立した法的トラブル解決のための総合案内所であるため、安心して利用できます。
ただし、法テラスの無料相談を利用できるのは、「経済的にお困りの方」のみです。
利用者は、基本的に、収入や資産が一定基準以下の人が対象になります。
また、無料相談は「1回30分で、1つの問題につき3回まで」という制限もあります。
細かい条件や利用の流れは、法テラスのウェブサイトでご確認ください。
機関3. 市区町村役場
お住まいの市区町村役場でも、相続に関する相談ができます。主な内容は、次のとおりです。
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相続に関する一般的な手続きを教えてもらう
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相続手続きに必要な書類の取得方法を教えてもらう
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役所・役場によっては、専門家(弁護士・税理士など)が相談に応じる場を設けていることもある
市区町村役場では、個別のケースに応じた具体的なアドバイスを受けたり、専門的な手続きの代行を依頼したりはできません。
また、相談できる日時や内容が限られている場合もあります。
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相続の相談は市役所でも可能?利用できる人やメリット・デメリットについて
機関4. 銀行などの金融機関
被相続人の預貯金口座の相続手続きや、相続したお金の運用については、銀行などの金融機関に相談できます。
たとえば、「信託銀行」では、遺言書の作成支援や遺産整理などのサービスも提供しています。
迷ったら“士業グループ”に相談!
相続の相談先は、弁護士・税理士・司法書士・行政書士に加えて、税務署・国税庁・法テラス・市区町村役場・金融機関など、さまざまな選択肢があります。
このため、それぞれの専門分野や特徴を理解して、自分の状況に合った相談先を選ぶことが大切です。
しかし、相続に関する悩みは多岐にわたり、どの専門家に相談すればよいのか、判断が難しい場合もあるかと思います。
そのような場合は、“士業グループ”に相談するのがおすすめです。
“士業グループ”は、相続に関するさまざまな問題をワンストップで解決に導きます。相続に関する問題を、複数の専門家に個別に相談する手間が省けますので、まずはお気軽に足を運んでみてください。



