
ビットコインのマイニングとは?初心者向け解説
前回の記事では「ブロックチェーンの基本・仕組み」を解説しました。ブロック内に記録された情報が、次の新しいブロックに引き継がれ、鎖のように繋がっていく、それがブロックチェーンです。
ブロックチェーンを少し詳しく理解するために今回は「マイニング」を解説していきます。多くの暗号資産のブロックチェーンで採用されているもので、その名の通り、「Mining=採掘」のこと。新たなブロックを生成することをいいます。

マイニングの流れ
前回の記事でブロックの中には
- (1) 新たな取引データ(取引の履歴や利用者の情報)
- (2) 過去の取引データ
- (3) その他の値
が含まれていると書きました。

マイニングには(3)の「その他の値」が大きく関わってきます。それが下のイラストにある「ハッシュ値」や「ナンス値」。

ハッシュ値やナンス値の詳しい説明は割愛します。ここでは「新しいブロックを生成するために必要な数値」と考えてください。
マイニングに参加する人(企業や個人)をマイナーと呼びます。マイナーたちはこの必要な数値を見つけるために計算競争をしています。
この計算は、例えるなら非常に多くのサイコロを、特定の目がそろうまで振り続けるというもの。ものすごく地道な作業ですね。そのため膨大なデータを処理する能力が求められ、高性能なコンピュータやそれを動かし続ける電力が必要になります。
その値が見つかると、新たなブロックが完成します。計算に成功したマイナーは報酬をビットコインで得ることができます。現在の報酬は12.5BTC(=約1275万円<1BTC=約102万円 ※2019年8月31日時点>)です。
ビットコインの場合はおよそ10分間隔で次のブロックが生成されるようになっています。その時々のマイナーの参加数や計算能力に応じて、計算の難易度は調整されているのだとか。
ブロック生成の複雑な手続き
そもそもどうしてこんなに複雑なことをするのでしょう? それはひとえに“取引の正確性を担保するため”です。ビットコインは、参加するみんなでデータを共有し、監視し合うことや、複雑な値の計算を課すことによって、不正や改ざんを防ぎ、取引の安全を守ってきたのです。
「暗号資産(仮想通貨)の不正流出」というニュースがしばしば報じられていますが、これも取引所がハッキングされただけで、ビットコインのブロックチェーンそのものに不備が生じたり、不正がなされたりしたわけではありません。ブロックチェーンや暗号資産が怪しいものという誤解はこのあたりから生まれているのかもしれませんね。
前回と今回の記事では、ビットコインのブロックチェーンを例にとって解説してきました。次回はビットコイン以外でブロックチェーンが活用されている事例を紹介します。
イラスト=加納徳博