2050年までに原発3倍の意味は 多くの国が持っても大丈夫?

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聞き手・桜井林太郎
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原発の将来像 ①

 岸田政権が、原発の新規建設や60年超運転を認めると盛り込んだ「GX(グリーン・トランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」を閣議決定してまもなく1年。原子力・エネルギー政策をめぐる動向について、専門家に4回にわたって解説してもらいます。

 原発をめぐり、国際的な動きが相次いでいる。昨年12月に、世界全体の原発の設備容量を2050年までに3倍に増やすという宣言が米国主導のもと発表された。ドバイで開かれた国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)で採択された成果文書には、原子力が初めて化石燃料の代替手段の一つとして明記された。2000年代前半にあった「原子力ルネサンス」が再びやってくるのか。原発・エネルギー政策に詳しい長崎大鈴木達治郎教授に聞いた。

 ――世界の原発を50年までに3倍にするという目標には日本を含め20カ国以上が賛同しました。目標のねらいは何だと思いますか?

 たぶん、原子力が気候変動、CO2(二酸化炭素)削減にある程度貢献しようと思えば、現行のシェアを最低限維持しなければいけないという前提なのだろう。

 いま世界の発電電力量の約9%が原発で、電力需要が今後3倍ぐらいに増えるとするならば、そのシェアを維持するには50年には原発も3倍ぐらいにする必要がある。世界の原発の発電能力は現在、370ギガワット程度で、ネットゼロ(CO2排出実質ゼロ)にするには900ギガワットは必要という試算が国際エネルギー機関(IEA)などから出ていて、10年ぐらい前からそれほど変わっていない。

 だから、私は3倍という目標の数字自体にはあまり驚かない。国際原子力機関(IAEA)の最近の予測では、高成長のケースだとシェアは14%ぐらいまで上がるが、低成長ケースだと8%程度まで下がるとされており、将来は不確実だ。

 ――原発推進の雰囲気は出てきているのでしょうか。

 NTI(Nuclear Threat Initiative、核脅威イニシアチブ)という主に核セキュリティーを推進するシンクタンクがある。冷戦終結後にできた組織で、原発については推進でも反対でもなく、伸びてくればそれに対応して考えなければいけないという立場の人たちだ。彼らがCOP28に合わせて昨年12月に報告書を出した。

 基本的には原子力は伸びると…

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この記事を書いた人
桜井林太郎
くらし科学医療部
専門・関心分野
環境・エネルギー、先端技術、医療、科学技術政策