刑事裁判をやり直す再審制度見直しに向けた刑事訴訟法改正案をめぐり、福井女子中学生殺害事件の遺族が14日の参院法務委員会で、犯罪被害者遺族の立場から冤罪(えんざい)被害者の早期救済を訴えた。再審無罪事件の遺族が、公の場で思いを語るのは異例だ。
この事件では、殺人罪で服役した前川彰司さん(61)が昨夏、再審無罪となった。殺害された高橋智子さん(当時15)の姉、大橋宏子さん(58)は「前川さんみたいな人を出さないでほしい。かわいそうでたまらない。前川さんも被害者だと思う」と語った。
事件は1986年3月に発生し、1年後に前川さんが逮捕された。前川さんは一貫して無実を訴え、一審の福井地裁は無罪とした。だが二審・名古屋高裁金沢支部は懲役7年の有罪判決とし、最高裁で確定した。
服役を終えた前川さんは2004年、1回目の再審請求を申し立てた。大橋さんは「何十年もの間、裁判が終わらず、とてもつらかった」と当時の思いを明かした。
2回目の再審請求を経て、再審無罪が確定したのは事件の39年後。検察は第2次再審請求審で287点の証拠を開示し、その中に有罪判決を揺るがす内容の捜査報告書があった。検察は一審の段階から34年にわたり手元にとどめていた。
大橋さんは、裁判所の判断が二転三転したことについて「検察が証拠をちゃんと出していなかったからだ」と批判。「今まで、罪のない前川さんを恨んでいたんだと思って、とても苦しく、申し訳ない気持ちになりました」と語った。
「前川さんを犯人にでっち上げた警察も、犯人じゃない証拠があるのに隠していた検察も本当にひどい」と訴え、「前川さんと私は、2人とも被害者なんです」と述べた。
福井事件は、真犯人が海外にいるといった事情がなければ、01年に公訴時効が成立している。「真犯人を見つけて事件をもう終わらせて欲しい。それが私の願い。真犯人を見つけてもらいたい一心でこうやって訴えてます」と語った。
前川さんも意見陳述する予定だったが、本人が13日に欠席を決めた。
自民からも証拠開示に懸念の声
福井事件をめぐっては、名古屋高検が10日に調査結果報告書を公表した。第1次再審請求審(2004~14年)に関わった少なくとも5人の検察官が、前川彰司さんの再審無罪を導いた捜査報告書を把握していたと認定。早期に再審無罪になっていた可能性を認め、「反省」という言葉を本文で11回繰り返した。
調査結果報告書によると、一…
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