ウクライナ軍トップ、アウジーイウカ撤退を表明 「兵士の命のため」

根本晃 キーウ=喜田尚
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 ウクライナ軍は17日未明、同国東部ドネツク州アウジーイウカから撤退すると明らかにした。アウジーイウカはロシアが占領地の拠点とする都市に隣接。2022年2月の全面侵攻開始以来、ウクライナ軍にとってはロシアの進撃を食い止める要衝だった。撤退に際して現地部隊は弾薬不足を示唆した。ウクライナ軍は今後、より防衛的な戦術に移行する見通しだ。

 ウクライナ軍トップのシルスキー司令官は17日、SNSで「包囲を回避し、兵士の命と健康を守るため決断をした」とした。米国のシンクタンク「戦争研究所」(ISW)はその直後に「秩序だった撤退が行われている」と分析した。

 アウジーイウカは、州都ドネツクから最も近い場所で約5キロの距離にある。14年にドネツクが親ロシア派武装勢力に占拠されてからもウクライナ軍が陣地を維持してきたが、昨年10月からはロシア軍が東、南、西の3方向から猛攻。包囲網を狭めていた。

 現地では部隊の疲弊が伝えられ、今月に入りアウジーイウカからの撤退は時間の問題とみられていた。17日、撤退命令を受けた現地部隊の司令官はSNSへの投稿で「敵は砲弾で10対1の優位にある」とした。

 ゼレンスキー大統領は17日、ミュンヘン安全保障会議で「アウジーイウカで正しい決断が下された。兵士の命を守るために必要だった」と強調。「残念ながら武器の人為的な不足によって、(ロシアの)プーチン大統領は現在の激しい戦争に適応できてしまっている」とした。

 ウクライナ軍は昨年の反転攻勢で大幅な領土奪還の目標を果たせなかった。ロシア軍は22年9月にウクライナ軍に奪還された北東部ハルキウ州の東部地域へも攻勢を強めている。

 ゼレンスキー氏は今月、ザルジニー前司令官を解任。後任のシルスキー氏は13日に公開されたドイツ公共放送ZDFのインタビューで「我々は攻撃的行動から防衛的作戦へと移行した」と語った。最大の支援国である米国からの今後の武器支援が、大統領選前の政争で見通せないことが影響しているとみられる。

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この記事を書いた人
根本晃
イスタンブール支局長|中東・欧州担当
専門・関心分野
国際政治、トルコ、ガザ、ウクライナ、語学

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