現場から

179人死亡の韓国旅客機事故から1年、遠い真相究明 遺族が追悼式

有料記事

務安=清水大輔
[PR]

 韓国南西部・全羅南道の務安(ムアン)国際空港で旅客機が着陸に失敗し、179人が死亡した事故から1年となった29日、遺族らが現場で追悼式典を開いた。国による原因究明では未解明の点が多く、調査の公正性を疑問視する遺族との間で溝が深まっている。旅客機が衝突したコンクリート製の構造物は今も現場に残されたままで、空港は事故後も閉鎖が続いている。

 「2024年12月29日午前9時3分。あの時間から今も、私たち家族の人生は止まったままだ」。両親と弟を失った遺族会代表のキム・ユジンさん(45)が追悼の辞で訴えた。「179名の犠牲が無駄にならぬよう、真実が必ず明らかにされ、責任が必ず問われるよう、私たち遺族は決して止まらない」

 犠牲者一人ひとりの名前が読み上げられると、会場の空港2階ロビーに「帰ってきてくれー」という叫び声やむせび泣く声が響いた。その後、事故現場に移動した遺族らは衝突で飛び散った機体などの残骸を手に取ったり、献花をしたりした。

にじむ国への不信感

 会場はこの日、2014年に起きた旅客船セウォル号の沈没事故や22年にソウルの繁華街・梨泰院(イテウォン)で起きた雑踏事故の遺族、国会議員らが参列していっぱいになった。ただ、式典の準備が始まる数日前まで、空港内は閑散としていた。

 空港のチェックインカウンターなどは閉じられ、飲食店などの店舗もほとんどが営業していない。一方でロビーの一角では遺族らがテントを張って交代で寝泊まりしている。遺族の一人は「きちんとした国の調査結果が示されるまではとどまるつもりだ」と話し、国への不信感をにじませた。

 昨年12月29日午前に発生…

この記事は有料記事です。残り977文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事の続きを読むなら今がお得。初回1カ月無料+Visaギフトカードが当たる▶今すぐ登録

この記事を書いた人
清水大輔
ソウル支局
専門・関心分野
日韓・日朝関係、分断と対話、戦争と平和

関連トピック・ジャンル