若い女性が1人、長崎市内の酒店を訪れたのは昨年5月の昼ごろだった。
入り口に並ぶウイスキーなど10分余り店内の商品を見ていた。店主(65)が、初めて目にする客だった。
店の売り上げは常連の飲食店が占める。個人客の来店のほとんどは年配者だ。健康志向の高まりなどによる若者のアルコール離れを憂う。若い世代の来店は貴重な機会だった。
若者や外国人の新たな客の取り込みを考えて現金のみだった店の会計に、決済アプリ「PayPay(ペイペイ)」のサービスを2年前に導入した。
店内にはほかに数人の客の姿があった。女性はウイスキーや焼酎、梅酒など計10点、約3万円分をレジに並べた。そして手慣れたしぐさでスマートフォンを操作した。
「ペイペイ♪」
小さな店内に決済音が響いた。女性は店の前に止めていた車に商品を運んでもらい店を後にした。
ただ、実は支払いは完了していなかった。店は約1カ月後のレジ精算でズレに気づき、このときの会計分だったとわかった。さらにその4カ月後、女性が逮捕された報道を目にし、最寄りの警察署へ被害を申告した。
2025年12月の長崎地裁…
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