捜索中の暴行、現場映像消去は隠滅容疑で捜査 大阪府警、35人処分

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光墨祥吾 小島弘之 編集委員・吉田伸八
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 家宅捜索中に捜査対象者の男性らに暴行したとして、大阪府警捜査4課の警察官6人が特別公務員暴行陵虐罪などで起訴・在宅起訴された事件で、府警は23日、4課員や組織犯罪対策本部員ら12人を懲戒処分にし、発表した。

 府警の一つの事案での懲戒処分者数としては平成以降最多という。

 捜査4課は暴力団が絡む事件の捜査を担う。監督上の措置として、和田忠之・捜査4課長(57)ら16人を本部長訓戒などにし、指導措置も含めると、処分を受けたのは計35人に上った。

 監察室によると、特別公務員暴行陵虐容疑で逮捕・起訴された警部補の時長力被告(51)と、巡査部長の阪口裕介被告(33)の2人を免職とし、同罪で在宅起訴された同課の30~40代の巡査部長や巡査長計4人を停職6カ月とした。

 また「暴行の様子を映したカメラ映像はない」と大阪地検の照会に虚偽の報告をしたとして、捜査を指揮した同課の警部(45)を犯人隠避容疑で書類送検し、停職6カ月とした。容疑を否認しているという。

 暴行事件は昨年7月15~16日、性風俗店に女性を紹介したとする職業安定法違反容疑で大阪市西区のビルの一室を捜索した際に起きた。

 この日、4課員など約80人の態勢で国内最大規模のスカウトグループ「ナチュラル」の捜査に着手し、西区のビルを捜査員28人で捜索。捜査対象者の男性3人がおり、同容疑で逮捕されたが、暴行事件が発覚して釈放された。

捜査方針の変更、現場に伝わらず

 府警は暴行事件の「大きな要因」として、捜査方針の変更が捜査幹部と現場の間で共有されなかったことだったと説明した。

 当初はナチュラルが使用するアプリの解明のため、スマートフォンの確保が捜査の主目的とされていた。

 阪口被告らはスマホのパスコードの解除に応じなかった捜査対象者に暴行を加えたが、捜索の前に、対象者の逮捕を優先する方針に変わっていた。こうした情報が現場には伝わっていなかったという。

 停職処分となった同課警部のほか、こうした方針変更の周知を徹底しなかった同課管理官の警視(46)も減給処分とし、監督責任として同課長ら警視2人を訓戒とした。

 このほか内規に基づき、当時の刑事部長を口頭厳重注意などとした。

 また阪口被告の公判などで現場ビルに設置した捜査用のカメラ映像のデータが消去されていたことが判明しているが、府警は「関与した人物を特定できていない」と説明した。証拠隠滅容疑で捜査するという。

 国井栄次監察室長は「警察捜査に対する府民、国民の信頼を著しく失墜させる行為で厳正に処分した。指導、教養を徹底する」とのコメントを出した。

警察庁が通達「適正な捜査徹底を」

 大阪府警の捜査員が家宅捜索中に捜査対象者に暴行したとされる事件を受け、警察庁は23日、再発防止にむけ、適正な捜査を改めて徹底するよう指示する通達を全国の警察に出した。

 今回の問題は、国内最大規模のスカウトグループ「ナチュラル」の拠点とみられるビルの一室を捜査員20人以上で捜索した際、現場責任者の警部補(懲戒免職)らが捜査対象者に暴行したとされる。

 通達は、今回の捜査では指揮命令系統が適切に機能せず、捜索などに際して適正捜査に関する指揮・指示が不徹底だったと指摘。捜査幹部は現場責任者に現場全体を掌握して状況を的確に把握させることや、捜査上の不適切な行為を見聞きした場合に情報が組織に共有されるように自浄機能を強化することなどを求めた。

 また、今回の問題について「警察組織を挙げて匿名・流動型犯罪グループ対策に取り組む中、このような事案があれば警察捜査に対する信用を著しく失墜させ、捜索などで得られた証拠の能力を揺らがせ、犯罪の立証に支障を来すおそれがある」と指摘した。

府警「4課の組織風土によるものではない」

 府警が捜査していた「ナチュ…

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この記事を書いた人
吉田伸八
編集委員|警察庁担当
専門・関心分野
警察行政、事件、犯罪

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