インタビュー

イラン攻撃、「日韓の安全保障に壊滅的な影響も」 米専門家の分析

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牧野愛博
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 米国とイスラエルによるイランへの攻撃は、日本や韓国の安全保障環境にどのような影響を与えるのでしょうか。米スタンフォード大学のダニエル・スナイダー講師(国際政治)は「日韓の安全保障に壊滅的な影響を及ぼす可能性がある」と語ります。

 ――イラン攻撃が日韓の安全保障に与えた影響をどう評価しますか。

 イスラエル・米国とイランによる戦争は、日韓の安全保障に壊滅的な影響を及ぼす可能性があります。

 まず、最も明白なのは、戦争が石油と液化天然ガス(LNG)の供給停止や世界のエネルギー価格に影響するなど、日韓のエネルギー安全保障を脅かしているという点です。

 日本は石油の約95%を、韓国は約70%をそれぞれ湾岸地域に頼っています。LNGへの依存度は10~20%と減っていますが、それでも非常に重要な意味を持っています。そして長期化する紛争は価格高騰を意味し、両国の経済成長に深刻な打撃を与えるでしょう。

 第二に、この戦争によってアジア太平洋地域への米国の戦力集中の動きは事実上終わりました。戦争はすでに米国の主要兵器システムの備蓄を枯渇させ、韓国から、場合によっては日本からの防空その他の装備品の撤退を引き起こすでしょう。北朝鮮や中国を抑止する能力はすでに損なわれており、さらに悪化すると思います。

 ――中国やロシアはどうですか。

 中国も原油価格の上昇に苦しんでいますが、一方で、中東の泥沼に深く引きずり込まれた米国に代わるパワーとして、台頭するでしょう。ロシアもこの戦争から明らかに利益を得ています。石油・ガス価格の上昇だけでなく、ウクライナへの支持が弱まっているからです。

 米国は2022年以降、ウクライナに提供したミサイル防衛支援の総額を上回る防空装備をイランに対して使っています。

 ――米国とイスラエルはイランの核施設の無力化を訴えています。

 イスラエルと米国によるイランへの攻撃は、兵器の水準に至らない核能力を保有している国家に対する先制攻撃を正当化しました。もし日本と韓国が核を保有したいなら、中国、ロシア、北朝鮮はこの違法な武力行使を先制攻撃の前例として挙げることができるでしょう。

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この記事を書いた人
牧野愛博
専門記者|外交担当
専門・関心分野
外交、安全保障、朝鮮半島

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