元美術教師が描いた女帝・斉明天皇の絵本 明日香村文化協会が制作
大化改新で知られる中大兄皇子(なかのおおえのみこ)(天智天皇)と弟の大海人皇子(おおあまのみこ)(天武天皇)の母で、飛鳥で大土木工事を敢行したことでも知られる女帝・斉明天皇(594~661)の生涯を描いた絵本「小市岡(おちのおか)に眠る女帝」が出版された。明日香村文化協会(奈良県明日香村)が、専門家の時代考証を受けて制作した。村内の幼稚園、保育園、小・中学校に配布したほか、観光案内所などでも販売される。
絵本は38ページ。文化協会は飛鳥の歴史をテーマにした絵本を制作しており、今回で4作目。県立高校で美術を教えていた村内に住む東紀子さん(68)が、日本画の絵の具を使って、半年かけてA3判の和紙18枚に色鮮やかな絵を描いた。
斉明天皇は飛鳥時代を語る上では欠かせない人物だ。皇位には2度ついており、1度目は皇極天皇、2度目は斉明天皇として即位。村内には飛鳥板蓋宮(いたぶきのみや)などの宮殿や石造物、庭園など斉明天皇の時代に造られたとみられる遺跡が多い。
東アジア情勢が緊張していた時期にあたり、斉明天皇は友好関係にあった朝鮮半島の百済が滅亡した際には救援のために兵を送ったり、大土木工事で飛鳥を造り替えたりするなど手腕をふるった。
文化協会はそんな飛鳥と家族を愛した斉明天皇のことをもっと知ってもらおうと、絵本づくりを構想した。
文章は、文化協会紙芝居制作部会のメンバーが小学生にも分かりやすいように平易な言葉を心がけた。相原嘉之・奈良大教授(考古学)に監修をお願いし、村教育委員会文化財課にも助言をもらった。
東さんは「登場人物の服のデザインや色、建物のデザインなどが難しかった。絵を描くことを通じて明日香村のことがもっと好きになりました」と話す。
絵本は1冊700円(税込み)。近鉄飛鳥駅前の飛鳥総合案内所「飛鳥びとの館」やキトラ古墳壁画体験館「四神の館」など村内各地で販売する。問い合わせは文化財課内の文化協会(0744・54・5600)へ。
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